ホンダのデザイン部門出身者が立ち上げたFELOテクノロジーが東京モーターサイクルショーに出展し、新たにM壱(壹=数字の一)を日本で初公開した。折り畳めるハンドルなどコンセプトはホンダのモトコンポに似ている!?

M壱は50cc相当の原付1種、電源としても活用できる

1981年にホンダ シティと同時に発売されたモトコンポは、シティのトランクに車載できるよう折りたためるハンドルとシートを装備し、トランクバイクとして新提案された。このコンセプトは2011年にホンダが参考出品した電動版モーターコンポに受け継がれており、次の展開が待たれていた。

そこで動きを見せたのが中国のFELOテクノロジーで、東京MCショーでM壱(M1)を日本初公開。コンセプトはモーターコンポに近いもので、車載して出先での移動や電源として活用できる電動コミューターだ。中国でのアウトドア需要の高まりに応えたという。

定格出力は0.4kWで日本での免許区分は原付1種になる。充電時間は5時間で航続距離は40km、最高速は35km/hと発表されている。寸法はほぼモトコンポと同サイズで全長が1185mm対してM壱は1160mm、ホイールサイズは前後8インチに対して前8/後7インチだ。

日本への輸入は、上海のSPEED MASTERが行う予定だが、日本での予定価格は2万円(約38万円)よりも安くなる可能性もあるという。続報が入り次第お伝えしたい。

M壱 [FELO] ユニークな電動バイクを開発するフェローの最新作でホンダのモトコンポに近いコンセプトを採用。日本では約38万円(2万元)で10月以降に発売予定だ。

M壱はモトコンポと同様にハンドルとシートを格納できるようにしており、折りたたむとこのように全高が低くなる。シート高は590mmなので、500mm程度の高さになるだろう。

ハンドルが収納されているスペースにはこのように電源ソケットが用意されており、アウトドアでポータブル電源としても利用できるようしている。電動ならではの装備だ。

スイングアームにはMCU(モーターコントロールユニット)が取り付けられており、インホイールモーターをコントロールする。リアホイールはモトコンポよりも小型の7インチだ。

ヘッドライトは、異形タイプで右がポジション灯で左がメインと思われる。モトコンポと異なりウインカーはボディマウントになる。

コンビネーションランプだったモトコンポと異なりリアはテールランプとウインカーが別体式だ。走行時はシート下にも小物を納めることができそうだ。

M壱はスマートキーを採用しており、メインスイッチはボディ左側にある。実はモトコンポの燃料コックはこのようなダイヤル状でボディ左側にあった。

許可を得て跨らせてもらった。身長165cmのWebikeスタッフでこのようなライディングポジションになり、小ぶりだが窮屈すぎるということもない。

M壱独自の折り畳み機構で蓋がハンドルマウントになる

実際にM壱のハンドルとシートを組み立ててもらった。M壱の蓋は金属製でこれを起こすとハンドルのマウントになる。走行時は左右ハンドルと蓋はノブ付きのボルトで3箇所固定するだけだ。シートは後方に引き出して裏返して差し込むシンプルな機構となる。

ハンドルが収まっていた部分は箱状になっているので、走行時には小物入れスペースとして活用できる。モトコンポでは蓋の前半を分離して元に戻す方式になっており、使い勝手はM壱の方が優れている感じだ。メーターは両車とも片側のハンドルに取り付けられている。

M壱は上部の蓋がこのように起き上がってハンドルマウントになる。起こした蓋はノブ付きボルトで固定する。

シートは引き出して裏返して差し込む方式。手前にロック機構があるのでズレる心配はなさそう。ブレ―ムはモノコック構造になっているようだ。

M壱のハンドルは組み立てるとこのようになる。左側ハンドルに超小型のメーターが取り付けられている。

モトコンポは蓋をはずして、ハンドルを起こして左右のノブを回して固定するだけなので簡単。イグニッションキーは蓋の内部にある。写真:本田技研工業

モトコンポのハンドルまわりはこのようになっている。ハンドルバーは固定されており、左右のノブは起こしたハンドルを固定するためのものだ。写真:本田技研工業

モトコンポ [HONDA] 1981年にホンダが発売した50ccコミューター。ロードパルSの2段オートマを採用し運転も簡単だった。モンキーやダックスの車載できるコンセプトを受け継いだモデルだ。

MOTOR COMPO(モーターコンポ)[HONDA] 2011年の東京モーターショーでホンダが出品したコンセプトモデル。このネーミングはもちろん1981年に発売されたモトコンポを引用したものだ。

FELO M壱主要諸元

・全長×全幅×全高:1160×560×860mm
・ホイールベース:800mm
・シート高:590mm
・車重:45kg
・モーター:未発表
・定格出力:0.4Kw
・最高出力:1kW
・最大トルク:4.6㎏-m
・バッテリー:48V/28Ah
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=3.00-8、R=125/60-7
・価格:38万円

※2023/03/28 車体スペックに誤りがあったため、修正しております。

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