ついに発表されたカワサキの新型モデル。噂はいろいろあったが、その正体は400ccクルーザー「ELIMINATOR(エリミネーター)」だった! その名はかつて1985年から2008年までラインナップされていたクルーザーシリーズのネーミング。それが15年の時を経て復活したのだ。

現役エリミネーター(250)オーナーである私も、このニュースに大歓喜! まだ実車を目にはできていないものの、新型エリミは旧エリミのカッコイイポイントをしっかり引き継いでくれているのか、非常に気になるところ。注目ポイントを現役オーナーの視点からチェックしてみたい!

 

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2023年3月17日、大阪モーターサイクルショーで世界初公開されたカワサキの新型モデル「ELIMINATOR」。ロー&ロングなボディにスポーツエンジンを搭載する、400ccのミドルクルーザーだ!

 

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エリミネーターはスタンダードモデルに加え、ドライブレコーダーやUSB電源を備える「ELIMINATOR SE」もラインナップ。ブラックアウトされたスタイルは旧型「エリミネーター」を彷彿とさせる

 

エリミネーターシリーズとは?

1985年に発売された「エリミネーター900」から展開されたエリミネーターシリーズは、低い車高に長い車体――ロー&ロングのクルーザースタイルを持つラインナップ。特徴的だったのは、そのほぼすべてがスポーツモデル由来の高回転エンジンを搭載していたこと。乗り心地の快適さや低回転の鼓動感を楽しめるクルーザーのメリットをバッサリ捨てて、「速くてスポーティな」クルーザーとして独特の立ち位置を築いた。

それでいて、分厚いシートや長いホイールベースからくる安定感、低いシート高による足つきのよさといったクルーザーのメリットはそのまま。このためエリミネーターシリーズは900ccに続いて1000cc、750cc、400cc、250ccと各排気量に登場。最後となる2008年まで生産が続いたのは125ccモデルだった。

 

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1985年登場のエリミネーターシリーズは、クルーザーらしいスタイルを裏切るハイパフォーマンスなエンジンでコアなファンを獲得。ブラックアウトされたボディ&カウルが印象的な「SE」エディションは現在でも人気が高い。

 

エンジンはニンジャ400と共通の高回転ショートストローク スリッパークラッチももちろん搭載

まず、新エリミに搭載されているエンジンは、排気量398ccのDOHC水冷並列2気筒。180度クランクで出力35kW(48PS)/10,000rpm 、トルクは37N・m(3.8kgf・m)/8,000rpmを発揮する。このスペックは「ニンジャ400」とまったく同じで、もちろんボア×ストロークも同じ70.0mm×51.8mmとショートストローク。同一コンポーネントのエンジンを積んでいることがわかる。また、「アシスト&スリッパークラッチ」も標準装備。

クルーザースタイルのフレームにスポーツマシンのエンジンを積むという、エリミネーターシリーズの特徴はそのままだ!

 

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エンジンはニンジャ400と同一スペックの水冷並列2気筒エンジンだ。当然スリッパークラッチも装備し、ギュンギュン回るスタイルであることは間違いなし。ドコドコ系なクルーザーとはまったく違うキャラクターとなる。

 

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マフラーは大型の右出し1本サイレンサー。旧エリミ400は4気筒であることもあり左右2本出しだったが、モダンなスタイルに印象を変えた。

 

高剛性トレリスフレームはニンジャH2ルーツ

シリンダーヘッドの回りにチラっと見えるフレームは高剛性トレリスフレーム。カワサキの発表によれば「ニンジャ400にインスパイアされた」設計で、そのニンジャ400は「ニンジャH2にインスパイアされた」としている、近年のカワサキ発スポーツモデルで熟成されてきた設計だ。軽量化にもかなり注意が払われており、車体重量は176kg(SEは178kg)。さすがにニンジャよりは重いのだが、低重心のバイクは取り回しがスペック以上に軽快なハズだ。

 

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高剛性トレリスフレームを採用。エンジンマウント周りはニンジャ400にも似るが、低シート高と運動性能を発揮するための新設計だ。そのルーツはニンジャH2にあるという。

 

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クルーザーと言えば、足を投げ出すフォワードコントロールが一つのスタイル。しかしエリミネーターでは、ほぼ車体の中央にあたるミッドコントロールを採用している。ステップの踏み込みや体重移動が容易な位置であり、スポーティーな走行にはかなり役立つ!

 

シート高735mm。レブルより45mm高いが足つきは充分か

今回のエリミネーターのキャッチコピーのひとつが、「低シート高がもたらす安定感と安心感」というもの。実際、カタログ写真では両足をべったりつけたモデルが写っている。このシート高は735mmと、現行の低シート高マシンの代表「レブル250」からは45mm高い数値。小柄な人にとっては微妙な数字かもしれないが、オプションとしてローダウンシートが設定されており、20mmも下げることができる。車体重量が軽いことや重心が低いことも有利に働くから、ほとんど不安はないといえる。

 

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イメージ写真でも両足べったり。よく「つま先がつけばバイクに乗れるよ!」などという話を聞くが、やっぱり足がつかないバイクは怖い。気軽に楽しく乗るためには大事なファクターだろう。

 

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体形に合わせた3種類のシートがオプション設定。ローダウンシートは-20mm、アップシートは+30mmの調整が可能だ。

 

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コメント一覧
  1. ミーコ より:

    スペックはすごい魅力ですが、期待していた往年のエリミネーターを思い起こすドラッグスターのスタイルではなくこれではバルカン400では・・・。

    「レブルのライバル」と期待されてただけに250じゃないのも残念。

    レブル予約しますw

  2. 孤高のリターンライダー より:

    ほぼ日本市場向け(400cc)なのにこのデザインですか・・・
    これなら旧エリミネーターとバルカンSを折衷させたヤングマシン予想CGの方が遥かにマシだと思います。

    メーカーはサイトで「Low&Longボディ」と謳ってますが、私にはそうは見えません。
    250cc化してアップマフラーにすればレブル派生のCL250のライバルになれるかな?といった感じで中途半端感が否めないような。。
    ハーレーダビッドソンがインド市場向けに作った水冷350ccバイクって言われた方がしっくりきます。

    逆張りとかないものねだりの批判ではなく、期待していた一バイクファンとしてただただ悲しいです。

  3. あーあ より:

    昔250SEに乗ってました。
    エリミネーターシリーズはドラッグレース車をイメージした「アメリカン最速!」がモットーのバイクだったんですけどね。
    昔の想い出が蘇ってくるような、問答無用で欲しくなるバイクであってほしいと願っていましたが、やはりコレジャナイ感満載ですね。
    メグロといい、エリミネーターといい、昔の遺産を簡単に食い潰しすぎです。

  4. ノースケ より:

    カワサキ残念。レブルに勝てないな。

  5. キタキツネ。 より:

    「エリミネーター」という名前を継ぐ以上は、もっと速そうな感じにして欲しかったです。
    レブルの二番煎じは、要らん。

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