まだレーサーレプリカなどが登場する前の時代に、オーナーたちが愛車をレースマシンのようにカスタムしてカフェに集っていたのが始まりと言われるカフェレーサー。懐かしくてバイクらしいスタイルのネオクラシック人気が高まるなか、その1カテゴリーとしてこのカフェレーサーにも熱い視線が集まっています。
そこで今回は新車で買えるカフェレーサーモデルからWebikeの人気ランキングに入った上位5台を調査。ひと口にカフェレーサーと言っても、当時の雰囲気や空気感を楽しむものから、スーパースポーツばりの本格的な走りが楽しめるものまで、そのキャラクターは様々でした!
【人気総合ランキングとは?】
各車種が過去1年間にウェビック バイク選びで閲覧された数をもとにランキングを作成しています。今回は絞り込み条件に「カフェレーサー」「発売から3年以内のバイク」を加えて抽出しています。
ランキングは毎週金曜日に更新されます。
カフェレーサーの「人気総合ランキング」ページはコチラ
https://moto.webike.net/c-caferacer/ranking/?period=3
※当ランキング記事は2023月2月10日に制作したものになります
目次
5位 トライアンフ・スピードトリプル1200RR
5位はトライアンフ。このマシンは、ストリートファイター系スポーツネイキッドであるスピードトリプル1200RSにハーフカウルとセパレートハンドル、バックステップなどを装備したカフェレーサー。
そのハーフカウルはロケットカウル調のモダンなデザインとして、1~4位までの雰囲気とは趣の異なる今ドキ要素が強いのが特徴。性能や装備の方も最も進んでおり、スーパースポーツ並みの6軸IMU(慣性測定装置)を搭載してコーナリング状態に応じて利きが変化するトラクションコントロールやABS、5つのライディングモード、双方向クイックシフターにウイリーコントロール、極めつけは路面状況に合わせて減衰力を自動調整するセミアクティブサス(しかもオーリンズ製)など、至れり尽くせりとなっています。
1160ccの並列3気筒エンジンは最大でなんと180psを発揮。ライディングモードにはサーキットモードもあり、スーパースポーツばりの走りをカフェレーサーデザインで楽しみたいという欲張りな人にぴったりなのは、ずばりコレでしょう。価格は上位5台中で最も高価となります。
4位 トライアンフ・スラクストンRS
4位は再びカフェーレーサーの本場である英国車。スラクストンは1200ccの水冷バーチカルツインを心臓に持つトライアンフのモデルです。
エンジンなど基本設計部分はスタンダードスタイルなネオクラシックであるボンネビルシリーズから受け継ぎつつ、セパハンやシートなど外装はもとより、足まわりに倒立フォーク&ブレンボキャリパー、オーリンズ製リヤサス、メッツラー製ラジアルタイヤといったハイスペックなパーツを使用していることで、本気で峠を攻めたいライダーに十分応えられるのが大きな特徴。最大出力も105psとなかなかにパワフルです。
また、電子装備がROAD,RAIN,SPORTの3段階ライディングモードやトラクションコントロール、ABS、USB電源ソケットに盗難防止のイモビライザーなど1~3位で紹介したモデルより充実しているのもポイント。ただ、装備や性能が充実しているために価格的には200万円オーバーと少々お高めとなっています。
3位 カワサキ・W800 CAFE
空冷並列2気筒のWは'66年のW1から続くカワサキの伝統ブランドのひとつ。
3位のW800CAFEは、そんなW800にビキニカウルとM字型のローハンドル、シングル風のシートが専用パーツとなっているカフェレーサーバージョンです。馬力・トルクといったエンジンスペックはシリーズ共通の52ps&6.3kg-m。適度な前傾姿勢なので、あまり疲れずに峠を軽く流したいといったライダーにもオススメです。
カラバリは毎年変更されており、'23モデルはエンジンやホイールリムなど細部も黒でまとめたエボニーを設定。オーナーレポートによると平均燃費は一般道で約25km/Lとビッグバイクとしては比較的経済的な部類で、最近の物価高の中では財布に優しいかも。
またグリップヒーターやETC2.0車載器が標準装備となっているのも後々の出費を抑えられるので嬉しいポイントと言えるでしょう。
2位 ロイヤルエンフィールド・コンチネンタルGT650
2位はインドのロイヤルエンフィールド。同社はもともと英国の老舗でしたが'70年代に本社が倒産した後、ノックダウン生産していたインドで'90年代に復活したという経緯を持っています。
このコンチネンタルGT650は、往年の英国車の雰囲気をまんま再現した空冷並列2気筒エンジンのカフェレーサー。国産車にはない雰囲気が魅力です。
しかし、スタイルはクラシカルながら実は'18年に生まれ変わった最新設計のもので、エンジンは当初からインジェクション使用を前提とし、欧州最新排出ガス規制のユーロ5もクリア。オールドスクールなダブルクレードルフレームもWGP500で名をはせたハリス社の手によるもので、走りを極めた通好みのものとなっています。
ブレーキには前後ABSを装備し、リヤサスにはプリロード調整機構付き。日本ではピーシーアイが正規輸入代理店となって5色のカラバリでラインナップ中。スタンダードグレードは100万円以下で買えるのも魅力です。
1位 カワサキ・Z900RS CAFE
大人気Z900RSにビキニカウルとローハンドル、段付きシートといった専用装備が与えられたバリエーションモデル。
オーナーインプレを見てみると、前傾ポジションはスーパースポーツほどきつくなく、ツーリングでも疲れずにスポーティな気分を楽しめると好評です。シートはSTDよりも2cm肉厚となり、乗り心地もいいと評判です。ただ、そのぶん足着きはちょっと厳しいといった指摘も。
エンジンやサスペンション、ブレーキなどのスペックはSTDと共通ですので、走りやサウンド面では同じ満足感が得られるとのことでした。なお、Z900RSシリーズは人気車種なのでカスタムパーツが非常に多いのがライバルたちに対して大きな強み。マフラーはもちろんのことCAFEではその個性を高めるセパレートハンドルやバックステップを欲しがっているオーナーが多い様子でした。
ちなみにシートはベースがSTDと共通ですので、互いに交換して取り付けることも可能。足着きが心配な人はローダウンリンクやアンコ抜きといった方法に加えてSTD用シート流用というのも選択肢として覚えておくといいでしょう。
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