
オーナーに合わせて追求したストリートでの乗りやすさ
カスタムのキッカケについては人によってさまざまだが、今回紹介するゼファー750は転倒してクランクケースが破損したエンジンを直すことからスタート。そこから徐々にオーナーが気になる部分に手を入れていったという。
長く乗っているうえで定期的にプロの目でチェックされていなかったのか、全体的に状態が悪かったことから、まずは全バラ状態にしてフレームを塗装。エンジンはオーバーホールされることになるのだが、オーナーは昔からあこがれていたバグース! モーターサイクルで愛車をいじってもらうことがよほどうれしかったのか、その後は同社からピストンキットがリリースされるやいなや即購入。ボアアップに合わせて各部のパーツを見直し、さらなるレベルアップを図ったのである。
さて、こうして現在はノーマルとは比較にならないようなパフォーマンスを発揮するマシンへと進化。ロッズデザインによる秀逸なカスタムペイントにより、誰もがひと目見ただけでカスタム車とわかる仕様になっているが、製作を担当した同社の土屋代表いわく〝あくまでストリートメインで走るオーナーに合わせたため、実際はそこまで過激な仕様にはしていない〞とのこと。排気量を843ccまで上げているにも関わらず、ハイカムシャフトを導入していないのも、あえてフレームに補強を入れていないのもそのためだという。
足まわりはオリジナルの30mmオフセットブラケットで装着したオーリンズのフロントフォークや、フレームに加工をほどこしレイダウンさせたナイトロンのリヤショックにより路面追従性を向上。バネ下重量の低減が期待できるゲイルスピードのアルミ鍛造ホイールの恩恵もあり、ゼファー750の軽快なハンドリングがさらに高まっている。しかし、あくまで追求したのはストリートでの乗りやすさで、サーキットではなくワインディングレベルでのスポーツ性を持たせたという。
もちろん〝もっと速く走りたい!サーキットも走りたい!!〞ということになれば、さらなるカスタムメニューも考えてあるという土屋氏。そのときはまったく違うマシンとなった姿を見せてくれるだろう。
CUSTOM POINT
くたびれたエンジンはオーバーホール後にボアアップされているが、カムシャフトはノーマルのまま組み上げられている。その理由は常用域での扱いやすさを重視したためだという。もちろんサーキットを走るなら話は別だが、ストリート中心ならノーマルの方が扱いやすいそうだ。
カスタムパーツギャラリー

クラッチホルダーは軽い操作感を求めてアコサットのレーシングタイプに交換。ワイヤーケーブルも純正に比べて摩擦の少ないテフロンチューブタイプを採用することでスムーズな動きを追求している

正確さと視認性の高さを求めて採用されたタコメーターはスタック製。油温管理にはアクティブのデジタルモニターを活用。シフトアップポイントやレブリミットの設定も可能となっている

ロッズデザインの手で仕上げられた秀逸なタンクはメーカー不明のZ2タイプ。ちなみにサイドカバーやテールカウルもメーカー不明であるが、アンダーカウルはKDC製を採用している

路面追従性の向上をねらってオーリンズのφ43mmフロントフォークはオリジナルのショートオフセットブラケットを用いて装着。剛性を確保しつつ軽快なハンドリングを獲得できたという

スッキリとしたリヤビューはオリジナルの一体式フェンダーレスキットによるもの。定番のZ2風テールランプにLEDタイプを採用することで、さり気なく他車との差別化を図っている

オールドテイスト漂うタックロールシートは純正ベースの加工品。完全にルックス重視のパーツかと思いきや、サイドを滑らかにすることで体重移動しやすくするなど、機能面もしっかり考慮されている

パワフルなフィーリングを求めて採用したFCRφ35mmキャブレターは、ショートスピゴットのZ2用を流用。スピゴットを短くまっすぐにすることで吸入効率を高めることをねらっている

ボアアップにともない増加するエンジンの発熱量にはラウンドタイプのオイルクーラーで対応。同じ前面投影面積でもストレートタイプに比べてコアの幅が広いため、より高い放熱効果が期待できる

リヤショックは 〝誰かとかぶりたくない〞 というオーナーの希望により、ナイトロンのフルアジャスタブルを採用。よりストローク時の動きをよくするためにレイダウンさせて装着している

排気系はストライカーのエキゾーストパイプにオリジナルサイレンサーを組み合わせることで、スムーズに吹け上がる特性を獲得。高回転域ではレーシーなサウンドが楽しめるようになっている

ドレスアップと軽量化もかねて交換されたフロントのスプロケットカバーはウィリー製。セルモーターサイドカバーも同社製に交換されているが、こちらはあえて目立たないよう黒に塗装している

ブレーキは前後ともブレンボのキャリパー&サンスターのローターという組み合わせだ。フロントはマスターシリンダーもアコサットのラジアルポンプに交換してコントロール性を高めている
「ZEPHYR750 by バグース! モーターサイクル」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 843cc |
---|---|
ピストン | ヴォスナーφ70.5mm |
キャブレター | ケーヒンFCRφ35mm |
エキゾーストシステム | ストライカー サイレンサー:バグース! モーターサイクル |
オイルクーラー | アクティブ |
ホイール | (F)ゲイルスピード タイプC 3.50-17 (R)ゲイルスピード タイプC 5.50-17 |
Fブレーキ | キャリパー:ブレンボ4ポット ローター:サンスター マスター:アコサット ラジアルポンプ |
Rブレーキ | キャリパー:ブレンボ2ポット ローター:サンスター マスター:ヤマハ純正ブレンボ |
Fフォーク | オーリンズ |
ブラケット | バグース! モーターサイクル |
Rショック | ナイトロン |
ステップ | ビート |
クラッチ | ホルダー:アコサット |
フェンダーレス | バグース! モーターサイクル |
外装 | メーカー不明 |
バグース! モーターサイクル
住所 : 神奈川県横浜市都筑区早渕1-25-28-B棟
電話番号 :045-534-9246
情報提供元 [ カスタムピープル ]
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