ハイパワーと扱いやすさを両立させることを重視

このZ750FXは過去にパワービルダーで860cc仕様として作られたが、よりパワーを上げたいとのオーナーの要望により、Z1000MkIIのクランクシャフトを用いることで1166cc化。同時にツインプラグ化で燃焼効率も高め、カムシャフトもヨシムラST-2を導入するなど、随所に手が加えられたことで130psを発揮。同時に足まわりもハイグレード化することでハイパワー化に対応させたという。

KAWASAKI Z750FXKAWASAKI Z750FX

このような説明をすると〝パワーがありすぎて一般ユーザーには手に負えないのではないか〞という不安がよぎる人も少なくないだろう。そこで今回試乗してみたのだが、これが驚くほど扱いやすい。高回転向きとされるCRキャブレターを採用していたことから2000rpm付近の低回転域を意地悪く多用してみても、ごく普通にスルスルと車体を押し出していく。6000rpm付近までアクセルをじわりと開けていくと、適度なトルク感を感じさせつつ加速。これなら一般ユーザーにも扱いやすいだろうと感じられた。

KAWASAKI Z750FXKAWASAKI Z750FX

その一方、CRキャブレターの真骨頂でもある中回転域からのアクセル急開時はというと非常にパワフル。しかも水冷車なみにレッドゾーンまでスムーズに吹け上がっていくうえ、グイグイと車体を加速させていく。とても35年以上前のマシンとは思えないレスポンスのよさを示していた。「圧縮を無理に上げず、扱いやすさを意識してセットアップしました。ハイリフトタイプのカムシャフトやCRキャブレターを採用すると〝高回転を維持しないと乗りづらい〞とイメージされるかもしれませんが、セッティングによってパワーも出しつつ、低回転域でも扱いやすいマシンに仕上げることはできます」

このようにねらいを語る同社・針替代表。パワーと扱いやすさは相反しやすいが、排気量アップに合わせて車体全体も構築し直したことで、全体のバランスがうまく取れていると実感できる仕様となったのだ。


CUSTOM POINT

ヘッドはツインプラグ用に加工し、コイルもツインプラグ用に変更している。ツインプラグの利点は確実な点火と燃焼効率の向上が挙げられるが、点火タイミングを再設定し直したり内部加工も多岐にわたるなど、難易度が高い作業でもある。ただし、メリットもそれだけに大きい。

KAWASAKI Z750FX


カスタムパーツギャラリー

ハンドルバーはパワービルダー製を採用する。横幅を抑えつつ市販されているハンドルバーとしてはかなり低いポジションに設定しているのが特徴で、同社への問い合わせも多いアイテムだ。操縦安定性も高い



ブレーキマスターはキャリパーに合わせてAPレーシング製を用いた。ラジアルポンプではないが、それだけに気兼ねなくブレーキ操作が可能で、かつコントロール性も高いマスターだ



テクニカルワークスでワンオフされたブラケットを用いてJBパワーKYBのフロントフォークを装着。オフセット量は38mmとすることで軽快なハンドリングを獲得している



リヤショックはクァンタム。空冷Z系にフィットするシンプルなデザインと配色が人気でもある。試乗時はプリロードがやや高めに感じたが、高速域では安定性や安心感となっていた



JBパワーKYBのフロントフォークに同社オリジナルスプリングを組み込むことで高い路面追従性を獲得。低荷重でも素直に動き、かつ高荷重では動きすぎない仕様に仕上げた



コイルはASウオタニのツインプラグ用を流用し、点火タイミングを最適化している。もちろん、ただ流用するだけで点火が最適化されるわけではない。熟練の調整も必要となる



キャブレターは車体イメージに合わせてケーヒンCRをチョイス。口径はφ33mmにすることで低回転域から扱いやすく、かつ高回転域は鋭い加速を見せる絶妙な出力特性にセットアップされた



スイングアームはテクニカルワークス製をチョイス。空冷Z系によく似合う角型断面で、見た目だけではなく高い剛性感を確保しており、高速域での安心感にもつながるパーツだ



APレーシング製4ポットキャリパーとサンスター製φ320mmローターを組み合わせて十分以上の制動力と高いコントロール性を得た。ホイールはモーリスをリペイントしたモノとなる



Z1000MkIIのクランクシャフトを流用することで1,166ccに排気量を拡大。またヨシムラST-2カムシャフトなどを組み合わせ、レッドゾーンまでよどみなく一気に吹け上がる特性を得た



エキゾーストシステムは同社オリジナルをチョイス。エキゾーストパイプには一体成型のコニカルヘッダーを採用。集合部スパイラルコレクターにするなど、見た目だけでなく、性能も追求した1本だ



リヤブレーキのキャリパーにはAPレーシングの新作CP3696をチョイス。JBパワー製ローターとの組み合わせとなる。ストッピングというより車体姿勢の制御を重視した効き味だった


「Z750FX by パワービルダー」の主なカスタム内容

エンジン総排気量 1,166cc
ピストン コスワースφ75mm
カムシャフト ヨシムラST-2
キャブレター ケーヒンCRφ33mm
エキゾーストシステム パワービルダー
電装系 ASウオタニ SPII
オイルクーラー プロト
ホイール (F)モーリス 2.75-18
(R)モーリス 4.00-18
タイヤ (F)ダンロップ α13 110/80-18
(R)ダンロップ α13 150/70-18
Fブレーキ キャリパー:APレーシング4ポット
ローター:サンスター
マスター:APレーシング
Rブレーキ キャリパー:APレーシング2ポット
Fフォーク JBパワーKYB
スプリング:パワービルダー
ブラケット ワンオフ
Rショック クァンタム
スイングアーム テクニカルワークス


問い合わせ
パワービルダー
住 所 : 茨城県坂東市神田山1380-4
電話番号 :0297-21-5580
Webサイト : https://power-builder.biz/


情報提供元 [ カスタムピープル ]

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