
基本的な素性は、全世界での販売を行うグローバルモデル。とはいえ、Z900RS SEで約1000kmを走った筆者は、他のカワサキ並列4気筒車とは一線を画する、日本の道路事情と日本人の趣向に対するカワサキの配慮に、心を動かされることとなった。
REPORT●中村友彦(NAKAMURA Tomohiko)PHOTO●富樫秀明(TOGASHI Hideaki)
カワサキの作り分けの上手さ
Z900RS SEで撮影を兼ねた約500kmのツーリングをしている最中、僕は改めて、近年のカワサキの作り分けの上手さ、各車各様の存在意義の明確さに思いを巡らせることとなった。今現在の同社は日本市場に、大別すると8機種、派生機種を含めると19機種もの大排気量並列4気筒車を導入しているのだけれど、このバイクを走らせていると、他機種には及ばない面がいろいろあっても、やっぱりコレはコレで、唯一無二の存在なのだなあ……と思えてくる。
例えば、高速道路では抜群の防風効果を誇るH2 SXやニンジャ1000SXが恋しくなったし、悪路では極上の乗り心地を実現したヴェルシス1000SE、峠道ではシャープな運動性が満喫できるZX-10RやZ H2、Z1000、Z900が頭に浮かんだ。とはいえ、堂々としたライポジでビッグバイクを操っている感や、低中速域の楽しさ、乗車中に眼前に広がる視界が往年のZ1/2を思わせることは、SEを含めたZ900RSシリーズならではの魅力で、こういったわかりやすい特徴の作り方を、僕は上手いと感じたのである。
情報提供元 [ モーターファンバイクス ]
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