
カワサキがZX-4RRをアメリカで発表した。また、欧州ではZX-4RとZX-4R SEもラインナップし、4気筒400ccがグローバル展開されることが明らかになった。日本では3月17日からの大阪モーターサイクルショーで初公開されると予想されており、秋に発売が予定されている。
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かつてのレーサーレプリカを余裕で上回る最高出力に仰天
新たに発表になったZX-4RRはアメリカでは最高出力は公表されないのが通例だが、欧州ではZX-4R/SE、ZX-4RRとも77PS(57kW)、ラムエア過給時は80PS(59kW)と発表された。ただし、発生回転や最大トルクは未発表。それでも「15000rpmを超える超高回転」とされるので、レーシーなエンジンであるのは間違いない。
エンジンのボア×ストロークは57.0mm×39.1mmでZXR400と同じ。もしかするとZXR400ベース? とも思えるが、エンジン外観はZX-25Rと同一の写真を利用しているのでZX-25Rのサイズ違いとなるはずだ。なお、寸法はZX-25Rから7mmボアアップ×7.3mmストロークアップとなる。
ZX-25Rと同様に30段のラジエターを装備し、裏側にある特許取得済みのファンカバーは熱を側面に逃がしてライダーに当たらないようにしている。一方、サイレンサーは大型化されるとともに、ZX-25Rにあったチャンバー室がなくなっているので、スリップオンマフラーの装着が容易となった。
ZX-4Rシリーズの最高出力は欧州で発表された数値なので、ユーロ5の排ガス規制をクリアした上でのもの。ユーロ5と日本の排ガス規制は基準調和しているので、日本でも同じ出力を発揮すると思われる。かつてない77PSの400ccマルチは、国内ZX-25R SE+4kgのわずか188kg。日本では2023年秋に発売予定となるがどんな走りをするのか今から楽しみだ。

Ninja ZX-4RR北米仕様 [KAWASAKI] 外観や装備はインドネシアで発表された2023年型ZX-25RRとほぼ同じだが最高出力はプラス32PSと大躍進。9699ドル(約125万円)で春に発売される。

エンジンは水冷並列4気筒DOHC4バルブでボア×ストロークは57.0mm×39.1mmの399cc。ギアは6段リターンでギア比はZX-25Rと共通だが1次減速比がロングになっている。
ZX-4RRはZX-25RRと同じ上級版の前後サスを装備する
外観やフレームはZX-25RとZX-4RRは基本的に同一で高張力鋼で構成されたトレリスフレームを採用する。ZX-4RR独自の装備はフロントブレーキで、ディクス径は310→290mmと小径化されているもののダブルディクスで制動力を高めている。
タイヤは前後ともZX-4RR専用サイズでフロントが120/70ZR17、リヤ160/60ZR17とそれぞれZX-25Rより10mmワイドになっている。タイヤはダンロップのラジアルタイヤ・GPR-300を装着している。
フロントフォークはSHOWAのSFF-BP(セパレート ファンクション フロントフォーク-ビッグピストン)で径37mmはZX-25Rと同じだが、ZX-4RRはプリロード調整機構を追加している。リアはBFRC-lite(バランスフリーリアクッション-ライト)を新採用した。

ZX-4RRはフロントがWディクスブレーキとなっているのが見分けるポイントだ。タンク容量は15LでZX-25Rと共通だ。

径37mmのSFF-BPを採用。ZX-4RRはプリロード調整付きとなる。ちなみにインドネシアで発表されたZX-25RRも同じ装備を採用する。

リアはフルアジャスタブルのBFRC-liteを採用。減衰力を外部のダンピングフォースチャンバーで生み出すことで、快適性やトラクション性能の向上を実現。同ZX-25RRも採用。

ZX-4RRのスチールトレリスフレームやガルアーム状のスイングアームはZX-25Rを踏襲。剛性を強化しているかは現時点では不明だ。

こちらはZX-25Rのフレームとエンジン。共通プラットフォームで250ccと400ccを製品化したことが分かる。
4.3インチカラーTFTメーターはスマホアプリにも対応
ZX-4RRは、4.3インチTFT カラー液晶スクリーンを採用。このメーターはブルートゥースでスマートフォンと連携することが可能で、スマホアプリ「RIDEOLOGY THE APP」を介して車両情報やライディングログなどの確認もできるようになった。
電子制御はトラクションコントロールが3段階(およびオフ)、パワーモードは2段階で調整可能。また、パワーモードとトラコンを統合したスポーツ、ロード、レイン(およびマニュアル)のライディングモードを装備している。なお、ZX-4RRとZX-4R SEはアップ&ダウンのクイックシフターが標準装備だ。
灯火類はZX-25Rでは電球だった前後ウインカーがLED化されている。欧州で用意されるSEはスモークスクリーンやUSB電源、フレームスライダーを装備した仕様でストリートの上級版という位置づけだ。欧州ではZX-4Rシリーズは秋の発売とアナウンスされている。

スイッチ類はZX-25Rでは左側にあったセレクトボタンが右に移動し、左側にLAPボタンが追加された。メーターはZX-25Rのアナログタコメーターからフル液晶に変更されている。

4.3インチのTFTメーターは画面の明るさは5段階に自動で切り替わる。ETCのインジケーターもあるので、日本仕様では車載器が標準装備かオプション設定されるだろう。

サーキットモードは中央に大きな数字でラップタイムを表示してくれる。 タコメーターは10000rpm以上の回転域がより見やすくなっている。

ZX-25Rと形状が同じだがウインカーの光源がLEDになっており、カバーに模様がつけられたことでイメージが少し変化した。
カワサキZX-4R/ZX-4RR欧州仕様主要諸元
・全長×全幅×全高:1990×765×1110mm
・ホイールベース:1380mm
・シート高:800mm
・車重:188kg【189kg】
・エンジン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 399cc
・最高出力:77PS(ラムエア過給時80PS)
・最大トルク:未発表
・燃料タンク容量:15L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=Wディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70ZR17、R=160/60ZR17
・価格:9699ドル(約125万円、北米価格)
※【】はSE
2022年型カワサキ ZX-25R/SE国内仕様主要諸元(参考)
・全長×全幅×全高:1980×750×1110mm
・ホイールベース:1380mm
・シート高:785mm
・車重:183/184kg
・エジンン:水冷4ストローク並列4気筒DOHC4バルブ 249cc
・最高出力:45PS/15500rpm(ラムエア過給時46PS)
・最大トルク:2.1㎏-m/13000rpm
・燃料タンク容量:15L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70R17、R=150/60R17
・価格:84万7000円/93万5000円
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ふむふむ、250cc以上の普通二輪クラスは「カワサキひとり勝ち」の様相になりつつあるなぁ。
ホ〇ダは普通二輪免許クラスには「ハイエンドモデル不用」の姿勢だから、カワサキは台数じゃない観点で事実上「てっぺん」取ったと言っても言い過ぎじゃないと思う。
「Z&NinjaEV」といい、普通二輪クラスに力を入れてくれるのにはとても好感が持てるね。d(^-^)!