押し歩き時から感じる確かな技術による違い

カスタムシーンで確固たる地位を築いてきたZRX1200ダエグ。16年にファイナルエディションとなったが、性能は現行車そのものだ。そのため、旧車のように性能面への不満からカスタムに着手、という人は少数派で、カスタム時のパーツチョイスにはドレスアップ効果の高さに注目が集まりがちのようだ。

「ただ、前後サスペンションまわりやホイール、スイングアームなどのパーツは機能パーツなのですが、性能にこだわりがないからと市販状態のままにしているケースが目立ちます。高年式車はもとが高性能だけに、そのような状態でも走れてしまいますが、もちろん性能をフルに引き出せているわけではありません。そのためカスタムしても、思ったほど変化がないように感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか」

KAWASAKI RX1200DAEG
KAWASAKI RX1200DAEG

バグース! モーターサイクルの土屋雅史代表は、高年式車カスタムではこのような状態のカスタムマシンができやすいと解説する。たとえばZRX1200ダエグ用として販売されているA社の社外ホイール、B社の社外スイングアーム、C社の社外リヤショックも、A社はB社やC社を想定していない。複数を組み合わせるなら、最終的に誰かがバランスを取らなければならないのだ。

では、どうやって各部のパーツを機能させるのか。詳細な説明は省略するが、要は適正な車体姿勢と、姿勢を維持・制御するためのサスペンション系のセッティングが不可欠となる。これをしっかり行なえるかが、走れるマシンを作れる・作れないの分かれ目でもあると土屋氏は語る。

今回は同社近郊を試乗させてもらったのだが、全体として非常にキビキビと走るが神経質なところがほとんどなく、小回りもものすごく楽で、とりわけ中速域といえる公道の制限速度内での扱いやすさが目を引いた。高性能なパーツの利点を余すところなく反映させている印象だ。

そしてもうひとつ感心したのが、撮影時にマシンを押して歩く際に、何の音もせず、妙な抵抗も感じないこと。同社はパーツ締結時にクリアランスとトルクには非常にこだわるというが、マシンを押し引きした段階で、同社の高い技術力はオーナーにもよく伝わるはずだ。

KAWASAKI RX1200DAEG
KAWASAKI RX1200DAEG


CUSTOM POINT

リヤショックはオーリンズ。このマシンのセッティングとしてはプリロードを強め、中高速域での安定性を高めるよう意図している。また、プリロードだけではなく圧・伸び側減衰力、ショック長、スイングアームの垂れ角などの相関関係にも気をつかい、乗りやすさを追求している。

KAWASAKI RX1200DAEG


カスタムパーツギャラリー

高速道路での巡航時、走行風による疲労を低減させるうえでもスクリーン変更は有効だ。このマシンではゼログラビティを採用した。ヘッドライトカバーはZRX系カスタムで人気のJPアカイ製



シートはライディングを重視するなら座面を高くしたいところだが、足着き改善を重視してアンコ抜きした。またタンデム側とライダー側の表皮を張り替えて差別化を図っている



ハンドルバーは上半身に余裕を持たせたいとの要望からエフェックスを採用する。また左にデジタル燃料計、右にアクティブのデジタルマルチメーターを配置し、情報を視認しやすくした



フェンダーレス化も純正フェンダーを切ったのではカッコ悪いし、シート下の収納力も改善できない。そこで見た目と収納力にこだわったのが同社フェンダーレスキットだ。アルマイト仕様もあり



旋回性を重視してフロントまわりの設定にも徹底的にこだわる。同社ブラケットの採用はもちろん、オーリンズ製正立フロントフォークのセッティングにより小気味いいハンドリングを得た



ヤマモトレーシングのビッグスロットルボディをネゴジエーター¡で制御。レーシングキャブレターのように直接的にパワーアップするというより、レスポンスアップに大きく寄与する



ステップはWR'S製をチョイス。シートが低いので試乗時には若干の窮屈さを感じたが、操作性は非常に良好だ。シンプルな造形なのでネイキッドにもフィットしやすいデザインとなる



エキゾーストシステムはアールズ・ギアのワイバンのエキゾーストパイプと同社オリジナルサイレンサーを組み合わせた。低回転時からのトルクも豊かで、とくに公道での扱いやすさを体感できた



ホイールはO・Zレーシング製に変更することでヒラヒラ感を楽しめる車体となった。ブレーキキャリパーは4ポット・4パッドのブレンボ製で、初期から制動力が立ち上がりやすい特性となる



高回転域も積極的に楽しめる仕様になったので、エンジンの発する熱量も季節を問わず増加傾向となった。その熱対策としてアクティブのビッグラジエターを装着している



オートシフターというとレーシングパーツというイメージも根強いが、クラッチ操作なくシフトチェンジ可能になるのは、ツーリングでの疲労低減にも有効だ。このマシンも装着する



スイングアームはオーヴァーレーシング製で、垂れ角の設定などは同社でも熟慮を重ねて決定した。またリヤブレーキも車体のコントロールしやすいようブレンボキャリパーを採用する


「ZRX1200DAEG by バグース! モーターサイクル」の主なカスタム内容

エンジン総排気量 1,164cm3
ピストン JEφ79mm
カムシャフト ZZR1200
バルブ スプリング:ZZR1200
インジェクション ヤマモトレーシング
エキゾーストシステム アールズ・ギア
サイレンサー:バグース! モーターサイクル
電装系 ネゴジエーターⅠ
ラジエター アクティブ
ホイール O・Zレーシング ピエガ
タイヤ ミシュラン パイロットパワー3
Fブレーキ キャリパー:ブレンボ4ポット
マスター:ブレンボ ラジアルポンプ
Fフォーク オーリンズ
ブラケット バグース! モーターサイクル
Rショック オーリンズ
スイングアーム オーヴァーレーシング
ハンドルバー エフェックス
ステップ ダブルアールズ


問い合わせ
バグース! モーターサイクル
住所 :神奈川県横浜市都筑区早渕1-25-28-B棟
電話番号 :045-534-9246


情報提供元 [ カスタムピープル ]

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