
1月10日にホンダが中国で発表した電動バイク3車の詳細が判明したので、車種ごとに続報をお届けしたい。2回目はDax e:(ダックスe:)をご紹介。日本国内導入予定はないが、見所満載だ。
電車の改札のように近距離無線通信(NFC)で施錠と開錠ができる
2022年に125ccのエンジンを搭載して復活したダックス125に続いて、今度はEB(Electric Bicycle=電動自転車)で中国向けにダックスが復活した。その名もダックスe:で、e:は「electric(電気エネルギー)」と「:」はコミュニケーションを意味した新シリーズだ。
ダックスe:の特徴は、ズーマーe:の0.35kWよりも高い0.4kWの定格出力のモーターを採用していること。ただし、バッテリーのスペックは48V/24Ahで変わらないため航続距離は、ズーマーe:の90→80kmに短くなっている。車重はそれぞれ54kg台で変わらない。
また、使い勝手ではズーマーe:と同様にキーレスを採用するもその方式が異なり、ICチップを内臓したNFCカード利用するところが新しい。NFC=Near Field Communicationの略で、SuicaやPASMOなどで使われる近距離無線通信と同じ技術となる。
バイクに乗る際は、ダックスe:のメインフレーム部分に仕込まれたNFCセンシングエリアにカードをタッチするだけ。スイッチをオフにする時は、停車した後にカードをタッチするか、30秒以上の停車で自動的に電源が切れるようになっている。
他にも、スマホの4G通信やBluetooth機能、スマホ内臓のNFC機能などでも施錠と開錠が可能。さらにGPSを内臓しており、駐車位置もマップで確認できるなどスマホとの連携がかなり進んだモデルだ。

Dax e:(ダックス・イー) [HONDA] 1969年に初代モデルが発売されたダックスは2022年にダックス125が復活したばかり。今度は中国で電動バイクになって発売される。価格は5999元(約11万7000円)だ。

ダックスe:のカラーバリエーションは白、緑、黒、赤の4色。ダックス125は赤と灰のみなので、電動ダックスの方が色数が多いのだ。

やはりダックスフントでイメージを訴求。ファッション性をアピールしていたズーマーe:に対してペットと同様にライフスタイルに溶け込むような存在だ。

テールランプとリアウインカーはテールカウル部分にセットし、ナンバープレートはフェンダーとともにスイングアームにマウントされている。

ダックスe:の丸形ヘッドライトは長方形のメインライトと外周を囲むポジション灯をセット。ウインカーも丸型にしており、ズーマーe:との差別化を図っている。

フロントにはディスクブレーキを装備している。ズーマーe:はペタル形状にしていたが、ダックスは一般的なラウンド形でホイールのデザインも異なる。

電動自転車でもバイク並みの装備でテレスコピック式のフロントフォークを採用している。ホイール径は前後10インチでズーマーe:と同じだ。

シート高は700mmで足着き性はかなりよさそう。ちなみにダックス125は775mmだ。

リアサスペンションはダックス125と異なるモノサスとしている。プリロード調整も可能になっている。

インホイールモーターはBOSCH製で定格出力0.4kW、定格トルク11.5Nmを発揮する。ズーマーe:よりも定格出力が0.05kW、定格トルクが2.5Nm上回っている。

リチウムイオンバッテリーは48V/24Ah。重量は8.9kgで取り外すこともできる。16km/hで走行した際の航続距離は80kmと公表されている。

タコメーターのような電池残量計とスピード表示というシンプルな表示。写真では非表示だがBluetoothやクルーズコントロールのインジケーターも設置されている。

ダックスのメインフレーム右側にNFCのセンシングエリアがあり、写真のカードを近づけてオン・オフするのが基本だ。カードはほぼ切手大という小ささだ。

右側の「〇」は電源のオン・オフ、その下はクルーズコントロールのスイッチだ。

上からNFCで開錠、スマホのBluetoothで開錠、4G通信で開錠など同じキーレスでもスマートキーにはない自由度がの高さが新しい。

車両盗難抑止、バッテリー盗難抑止のための監視や車両本体のアラームでの警告も行う。これをスマホアプリで管理できる。
ダックスe:中国仕様主要諸元
・全長×全幅×全高:1582×730×996mm
・ホイールベース:1130mm
・車重:54.2kg
・モーター:永久磁石
・定格出力:0.40kW
・定格トルク:11.5Nm
・バッテリー種類:リチウムイオン
・バッテリー電圧/容量:48V/24Ah
・1充電走行距離:80㎞
・ブレーキ:F=ディスク、R=ドラム
・タイヤ:F=80/100-10、R=80/100-10
・価格:5999元(約11万7000円)※日本国内導入予定なし
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