クルマの広告に数々の有名コピーがあるように、バイクにも数多の名作&迷作コピーが存在する。これを厳選して国産4メーカー別にお届けしよう。まず第1弾はスズキ。数々の個性的なバイクをリリースするだけに、独特なコピーも多い!

文/沼尾宏明
※当記事は2023年1月11日に「ベストカーWeb」に掲載されたものです。

「Space Invader」(GSX1100Sカタナ)

 まずはスズキを代表する一作、GSX1100Sカタナから。1981年に海外で発売されたカタナは、日本刀をイメージした鮮烈なデザインと優れた走りで大ヒット。その人気は根強く、2019年に新型のKATANAが登場するに至った。

 さぞ名コピーが採用されているに違いないと思いきや、当時の欧州向けカタログには「Space Invader」の文字が!

 1977年に映画『スターウォーズ』が公開され、1980年には第2作も上映されるなど、当時は宇宙系SFが大流行。日本ではビデオゲーム「スペースインベーダー」がブームだったのはオジサンならご存じのとおりだ(入手できなかったが、欧州ではゲームのインベーダーらしき背景を使った広告もある)。

 こうした世相に加え、現代の目から見ても革新的なデザインのカタナだけに「宇宙からの侵略者」が相応しかったのかも?

 ちなみに1982年、日本ではスケールダウンした750版が登場するわけだが、こちらのカタログには「”KATANA” in Japan」のコピーが踊る。750は日本の法規制のため、スクリーンレスとなり、セパハンではなく、俗に言う「耕耘機ハンドル」に変更。オリジナルのデザインがスポイルされた形となっており、750のコピーは個人的には少々“皮肉”に聞こえてしまう……。

「日本刀」というシブいモチーフのカタナなのに、ちょっとユニーク路線の「スペースインベーダー」(宇宙から侵略者)のキャッチが。車体色が銀色で宇宙船チックだからなのか?

1981年型GSX1100Sカタナ。1980年秋のケルンショーで初公開され、「ケルンの衝撃」と言われるほど独創的なデザインだった。■空冷4スト並列4気筒1074cc 111ps 乾燥重量232kg

1982年に国内発売されたGSX750Sのカタログ。ハンドルを1100用に変更する人が続出したが、当時は違法のため、取り締まりの対象に。俗に言う「カタナ狩り」である

「地球にのるならバンバン」(バンバンシリーズ)

 四輪バギーのような極太タイヤとミニマムな車体がカワイイ「バンバン」シリーズは1971年8月に初登場。ホンダのモンキーらと同様に人気を博したレジャーバイクだ。90ccを皮切りに、72年に50ccと125cc、73年に75cc版がリリースされた。これまた2002年に現代版のバンバン200がデビューしている(現在は絶版)。

 キャッチコピーは「地球にのるならバンバン」。正直、意味不明だが(笑)、壮大! 車名の由来が「どこでもバンバン走れる」だけに、地球のどこにでも行けそうな雰囲気だ。

 初代90は前後タイヤとも幅170mmで、他モデルも後輪は170サイズとボリューム満点。路面に応じて空気圧を調整できるようフレーム内にエアポンプを備え、ゴルフ場や建設現場、農村など業務用としても重宝されたのだ。

新しいレジャーバイクとして開発されたバンバン。レクタングルタイヤという小径&極太タイヤを新設計。シリーズ全車ともマニュアルの空冷2ストローク単気筒を搭載し、パワフルだった

「愛はメッセージ。」(ラブ)

 なんとスーパースターのマイケル・ジャクソンがカタログやCMに登場したバイクがあった……。1982年に発売されたスクーターのラブだ。

 ラブは、爆発的なブームとなったスクーター市場に本格派のジェンマに続いて送り込まれた。女性や若者層を狙ったライト感覚の50ccで、スリムなフルカバードの軽量ボディとオートマ2段変速で運転がイージーだった。

 キャッチコピーは「愛はメッセージ。」。車名とマイケルのキャラクターに掛けたストレートなコピーだ。

 当時のマイケルは23歳で「スリラー」がメガヒットする直前。米国では大人気だったが、まだ日本ではさほど知名度が高くなく、日本のCMにはラブが初登場だった。とはいえ、当時の景気のよさが伝わってくる……!

 テレビCMは2種類。「オフ・ザ・ウォール」をBGMに豪邸の屋上でマイケルが踊るバージョンと、「今夜はドント・ストップ」をバックに美女と踊るバージョンがあった。どちらも最後にマイケルが「Love is my message」とキメてくれる!

カタログ表紙に若いマイケルが登場。この画像が日本版「今夜はドント・ストップ」(原題Don’t Stop ‘Til You Get Enough)のシングル盤にも使われた。ラブは空冷2スト単気筒搭載

「BORN IN CIRCUIT」(GSX-R)

 2眼ヘッドライトにハーフカウル、ヨシムラ譲りの集合マフラーという憧れの装備をまとい、1984年にデビューした4スト400ccレーサーレプリカこそ「GSX-R」だ。

 当時、世界耐久や鈴鹿8耐でスズキのGS1000Rが旋風を巻き起こしており、GSX-Rの姿はまさに耐久レーサーそのもの。ライダーは騒然となったのだ。

 カタログに採用されたコピーは「BORN IN CIRCUIT」。巷に溢れていたバイク小僧がこぞってサーキットに通い始めていた時代とあって、“レース直系”であることは何より魅力的だった。GSX-Rのキャラクターをダイレクトにアピールした名コピーと言えるだろう。

 GSX-Rは、クラス初のアルミフレームをはじめ、いち早く採用した水冷4気筒エンジンを採用。クラス最強の59psと軽量な車重152kgを実現し、コピーのとおり、市販車ベースで争うTT-F3などレースでも強かった。

初代GSX-Rのカタログ。表紙には「POWER ENDURANCER」のコピーが。オジサンにとっては、『バリバリ伝説』(講談社刊)でグンとヒデヨシが鈴鹿4耐に参戦した車両としてもおなじみ

1984年登場の初代GSX-R。排気量を超えた性能を表現するべく、「400」の表記はない。現代まで続くGSX-Rシリーズの初代でもある。■水冷4スト並列4気筒398cc 59ps 乾燥重量152kg

「BACK TO CIRCUIT」(GSX-R750)

 「サーキットで生まれた」400ccのGSX-Rに対し、その翌年にデビューした上級モデルのGSX-R750では「BACK TO CIRCUIT」(サーキットに戻る)のコピーを採用。生まれた所に戻るというワケだ(笑)。

 実際、その実力は圧倒的だった。ナナハンは車重210kg超がフツーだった時代に、市販車初の油冷エンジンなどで驚異の179kgを達成。全日本TT-F1で3連覇したほか、ルマン24時間耐久も制覇した。

 現代に通じる軽量ハイパワーなビッグバイク=スーパースポーツの元祖的存在でもあるのだ。

初代GSX-R750国内版のカタログ。そのコピーのとおり、当時ボルドール24時間耐久や世界GPを開催していたフランスのポールリカールサーキットで撮影された

1985年登場の初代GSX-R750(国内仕様)カタログ。戦闘機からヒントを得た油冷エンジンをアルミフレームに搭載した。フルパワー仕様は100ps。■油冷4スト並列4気筒749cc 77ps 車重179kg

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