イタルジェット・ドラッグスター200のインプレッションはすでにお伝えしているが、新たにライトチューンカスタム仕様に試乗した。外観はほとんど変化なしだが、こんなに痛快なスクーターは他にないほどに走りが激変!

https://news.webike.net/motorcycle/241725/

ノーマルは一体何だったのか…と思うほど加速と最高速がアップ

2022年に発売され瞬く間に大人気となった新型ドラッグスター。1995年に登場した旧ドラッグスター180/125のインパクトが大きかっただけに、2ストロークから4ストロークエンジンになって復活した現代版のドラッグスターにもスパルタンなイメージを抱く人は多いはず。

実際、新型ドラッグスターはスクーターでは珍しいDOHC4バルブエンジンを採用しており、「相当速いはず」と思うだろう。確かに125ccスクーターよりも圧倒的に速いが、150ccクラスと比べると排気量は25cc程度しか変わらないのでそれほど差はない感じだ。

ここにアグレッシブなスタイリングとのギャップを感じてしまうのも事実。だが、今回のライトチューン仕様はこのギャップを埋めて余りあるパワーとフィーリングをもたらしていたのだ。同時にノーマルはそのポテンシャルの一部しか発揮できていないことが分かった。

装着したパーツは、アクラポビッチのスリップオンマフラーとマロッシのマルチバリエーターが主。他にも「ベアー世田谷」の独自ノウハウで組まれたパーツもあり、加速力と最高速がともに向上したことで、超痛快なランナバウトに生まれ変わっている。

ドラッグスター200改とショップ「ベアー世田谷」の武藤桂さん。CVT変速のベスパ以来、マロッシ製パーツのスクーターチューンに精通している。そのノウハウがドラッグスターで発揮された。

イタルジェットのオプションパーツ「KIT CVT/CLUTCH 200」は4万2350円。内容はマロッシ製のプーリー、ウエイトローラー、センタースプリングによるCVTキットと遠心クラッチのセットだ。

常にパワーバンドでレスポンス良く加速させる駆動系チューン

今回のドラッグスター200のチューニングは、エンジンのパワーアップがキモではない。アクラポビッチのスリップオンマフラーはストリート用で、1馬力アップに留まっている。約2kg軽量化によるバネ下重量の軽減がユニットスイング式のスクーターでは効果が期待できる。

では、なぜ劇的に走りが変化したかというと、CVTキット=マルチバリエーターと遠心クラッチのパッケージによる駆動系チューンの効果が大きい。スクーターの駆動系は一般のバイクとは全く異なる仕組みなので、デイトナによる図解を参考に解説したい。

ポイントは2つあり、まず遠心クラッチを交換することで後輪に駆動力を伝達する際のエンジン回転数が高められている。ノーマルより約1000rpm高い回転で繋がるため、ゼロ発進では少し遅れを取るが、25km/h以降はパワーバンドで走れるので力強さは比較にならない。

2つめはプーリー径が数ミリ大きくなっており、最高速が10km/hほど伸びている。多段式の自転車で例えると、ペダル側のギアを大きくした状態になるので、同じ回転数なら速度が高くなるのだ。これが、加速力と最高速を両方アップさせる仕組みとなる。

【1】エンジン始動からクラッチインまでは低速ギアの状態。ドラッグスター200改では4500→5500rpmでクラッチシューが広がりクラッチアウターと接触するようにしている。

【2】クラッチインから変速点の始めまでは低速ギアで加速する。ドラッグスター200改ではウエイトローラーは軽くなっており変速を早めて回転を高めて加速させている。

【3】変速点の始めから終わりまではウエイトローラーが遠心力で外側に移動しプーリーがドライブフェイスに近づく。ドラッグスター200改では7500rpmが変速点で8000rpmまでのわずか500rpmの回転上昇で30→80km/hに加速する。

【4】変速点の終わりから最高速にいたるまでは高速ギアのままエンジン回転上限に達する。ドラッグスター200改ではプーリーを大径化することで最高速が120→125km/hに伸びている。

青がノーマル、赤がドラッグスター200改のグラフ。30km/hで7500rpm、80km/hで8000rpmとなり、多用する速度域(赤太線)で最大トルクと最高出力発生回転数をキープする。これで痛快な走りに変貌する。

125並みのコンパクトさに250のパワーフィーリング!

イタリアンスクーターチューンのスペシャリスト「ベアー世田谷」チューンのドラッグスター200改は、ここまで説明したように街中で多用する速度域では常にエンジンのパワーバンドで走れるので、250ccクラスのスクーターに乗っているようなフィーリングが得られる。

それでいてドラッグスター200の車重はわずか124kgしかないので、PCX160やマジェスティSが250ccになったような走りに変貌するのだ。さらに、ホイールベースも125ccクラス程度のコンパクトさなので、250ccのビッグスクーターが苦手とするすり抜けも自在だ。

高速道路ではノーマルでは全開にする場面が多かったが、80%くらいのアクセル開度で余裕を持って巡行できるのがメリット。そして、ドラッグスターシリーズ独自のインディペンデントステアリングシステム(ISS)の安定した制動力は高速での安心感を高めてくれた。

装着したアクラポビッチのマフラーは欧州規格のストリート仕様でレース用ほど過激ではないが、ノリのいいサウンドを響かせており、痛快な加速感と相まってまるで2ストロークのスクーターに乗っている気分にさせてくれる。

今回のドラッグスター200改の試乗でライトチューンでも本来のドラッグスターの走りに生まれ変わるのが分かった。オーナーには強くおススメしたい。

パワーアップはわずか1hpに留まるが、アクラポビッチのスリップオンライン(チタンブラック/品番:S-IT125SO1-HRTBL/15万700円)は2kg軽量。ロゴ入りの純正オプションも用意されている。

アクラポビッチ オプショナル カーボンヒートシールド (品番:P-HSIT125SO1/1万6500円)は別売り。

取材協力のベアー世田谷はイタルジェット・ドラッグスター200/125の正規取扱店。店番のクッキー君が出迎えてくれるアットホームなお店だ。ホームページはこちらへ。

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