
ホンダの新世代ネイキッドとして2018年にリリースされたCB1000Rが2023年限りで終了し、2024年にはフルモデルチェンジするという。だが、後継と目されていたCB-Fコンセプトではなく、欧州で人気のストリートファイターに生まれ変わるだろう。
文/ベストカーWeb編集部、CG/SRD※当記事は2022年12月24日に「ベストカーWeb」に掲載されたものです。
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CB1000Rはカフェレーサーからストリートファイターに変貌か
CB1000Rは、元々欧州ローカルで販売されていたものを2018年にグローバル展開し、日本でも発売が開始されたモデル。その際に、ストリートファイターからカフェレーサーに方向性を変えており、人気のネオクラシックスタイルにすることでターゲットを広げたのだ。
同時にCB1000Rを筆頭にCB650RやCB250R、CB125Rなどでシリーズ化して新しい時代のホンダ「CB」を打ち出していったが、旗艦CB1000Rの販売が不振。2021年にはデザインを改良するも状況は変わらず、現行CB1000Rは2023年型が最終と言われている。
そして、新型CB1000Rはストリートファイターに原点回帰すると予想され、2017年型CBR1000RR(SC77型)をベースにした大幅なポテンシャルアップが期待される。ストリートファイターは性能が重視されるので、ベースモデルの更新は歓迎されるだろう。
SC77型CBR1000RRは192PSの最高出力を発揮しており、欧州の並みいるライバルに対しても性能は十分。さらに、スライドコントロールやセミアクティブサスなどSC77型で大幅にアップデートされた電子制御が導入されると、より魅力が高まるだろう。

新型CB1000R [HONDA] 画像は編集部の予想CG。2017年型CBR1000RRをベースに生まれ変わり、コンセプトもストリートファイターとした新型CB1000R。ウイングも付くようだ

CB1000R(2008年) [HONDA] 初代CB1000Rは2007年のCB600Fホーネットの上位機種として登場。ともにストリートファイターとして欧州で販売されていた。写真は2012年型

CB1000R(2018年) [HONDA] ネオクラシックがブームになる中でホンダはCB1000Rをカフェレーサースタイルにして日本でも販売。2021年にはデザインを小変更し、2023年に終了と言われる

CB1000RR SP [HONDA] 新型CB1000Rのベースになると予想される。2017年に192PSのエンジンに16kg軽量化した195kgの車体と電子制御を導入してヤマハのYZF-R1などのライバルに対抗した
CB1000Rの次はCB-Fコンセプトになるはずだった
新型CB1000Rの模索は、実は2020年から表面化していた。コロナ禍で中止された東京モーターサイクルショーに代わって、オンラインでCB-Fコンセプトが公開されたのだ。CB1000Rのエンジンや車体を使って、1979年のCB750F/CB900Fを再現していた。
CB-Fコンセプトは、遡ると2019年のCB誕生60周年に提案されるべく2018年末から企画が進められていたもの。CB1000Rが不振なこと、CB1300シリーズがカワサキのZ900RSに対抗できなかったこと、スズキが新型カタナを発表したことが重なったのが要因だ。
反響が大きければCB-Fコンセプトは今頃発売されていてもおかしくないタイミング。ところが、これが市販されないことが改めて判明した。11月に開催されたイベントで、CB-Fコンセプトを手がけた伴哲夫氏自ら「出ませんよ」と発言したのだ。
3年ぶりにリアル開催された2022年3月のモーターサイクルショーではCBが一台も展示されず、CB1000Rの販売終了とCB-Fコンセプトのプロジェクト終了を示唆していたと考えられる。そして、2024年新型CB1000Rはストリートファイターに回帰するだろう。

CB-Fコンセプト(2020年) [HONDA] 前年のCB誕生60周年の節目を機に新しいジャパニーズCBを検討し導き出した提案。CB1000RをベースにCB750/900Fのシルエットを再現した

11月26日にホンダのウェルカムプラザ青山で開催された「プロジェクトBIG-1・30周年記念 デザイナーズトークショー」にて、伴哲夫氏が自身の作品でもあるCB-Fコンセプトについても語った
新型CB1000Rにはウイングレットも装着される!?
欧州だけでなく日本などグローバルに販売するために生まれ変わったCB1000Rは、結果的にどっち付かずになってしまったようだ。これを振り払うべく、2024年新型CB1000Rは最新鋭のSC77型CBR1000RRをベースにネイキッド化するだろう。
さらに徹底的にパフォーマンスアップアップを追求するためか、スーパースポーツに準じるウイングレットの特許も出願されている。その書類には新型CB1000Rと思しき姿の並列4気筒エンジン搭載のストリートファイターが図面化されているのだ。
ウイングレットはハイパワーバイクがウイリーを抑制するために装着するもので、この特許は新型CB1000Rの方向性を示唆するものだろう。ライバルのドゥカティやBMWも大きなウイングレットでパフォーマンスをアピールしており、性能を誇示する上でも効果的だ。
「ストリートファイターでやる。性能でも見た目でも負けない!」というホンダの気合が感じられるパーツをヒントに新型CB1000RをCGイラストにしたが、これぞ本来のCB1000Rという姿になった。次の課題はCB1300に代わるモデルをどうするかだろう。

図面は並列4気筒エンジンを搭載したかなり尖ったネイキッドモデルで、ウイングレット「30」の特許を申請。フレームはプロアーム化に伴ってCBR1000RRとは異なる新作になっているようだ

ウイングレットは空気の流れを利用してダウンフォースを生み出し、車体をウイリーさせにくくする効果が得られる。ハイパワーモデルをより速く走らせるための装備だ

ストリートファイターV4S [DUCATI] 車名がジャンルを表すストリートファイター代表格。カウルのないスーパースポーツと言えるものでV4Sは208PSをマーク。ウイングを4枚もセットする

M1000R [BWM] 新型CB1000Rのライバルの一台。Mの名を冠したストリートファイターで2023年にデビュー。M1000RR譲りの210PSエンジンにウイングレットを装備している
かつての旗艦・CB1300シリーズは、2025年には生産終了か
2024年新型CB1000Rは、ストリートファイタースタイルになっても日本で発売されるという情報だ。だが、日本市場で支持されるのはCB1300スーパーフォアやカワサキZ900RSのような丸いヘッドライトのネイキッドとなり、ラインナップから外せないはず。
よって、新型CB1000Rとは別に新たなジャパニーズCBが用意されてもおかしくないだろう。理由は、現行CB1300スーパーフォアは2026年11月までに車載式診断機・OBD2のバージョンアップが必要で、そのタイミングで生産終了という情報があるからだ。
当Webの予想では2025年が最終になると思われるので、それまでにZ900RSに対抗できるモデルを用意しておきたいところだ。2018年から国内大型バイクの販売トップに君臨し続けるライバルを、ホンダが黙ってこのまま放っておくことはないと考えられる。
一方で、2022年11月に生産終了したCB400スーパーフォアに代わる新型CB400が、中国市場もターゲットに開発中との噂があるので、中型と大型の兄弟モデルとして共通イメージのジャパニーズCBが再構築される可能性もあるだろう。

CB1300スーパーフォアSP 30thアニバーサリー [HONDA] 前後オーリンズサスやブレンボ製ラジアルマウントキャリパーを装備したSPに設定された30周年記念車。1月9日まで注文を受付中

新型CB400 [HONDA] 編集部で制作したCG。中国向けに並列4気筒500ccエンジンを開発し、日本向けに400cc化して発売されると予想される新型CB400。丸目のヘッドライトになる?
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なんだろう。このモヤモヤ感。
ネオクラッシック?
クラッシック要らねぇよ。
CBから丸目取ったらもうCBじゃねぇよ。
どこのメーカーも同じような見た目。
過去の名車におけるデザイン力の高さを改めて尊敬する。
ネオとはつまらなさの代名詞になるのか?
欲しいのはコレじゃ無い