文/Webikeスタッフ:アキヒト

【ヤマハ MT-03】
ディテール&試乗インプレッション

YZF-R3のマイナーチェンジの後を追うように登場した新型MT-03。元々のコンセプトが「大都会のチーター」というだけに、ストリートでの扱いやすさと俊敏な走りは保ちつつ、感のあるフォルムに生まれ変わったことによって存在感が増しています。
従来モデルと比較してみると車体の前半分が大きく変わっていて、フロントマスクはMT-09やMT-15のような精悍なスタイルとなり、フロントフォークは倒立式を採用するなど、ビッグバイク顔負けのスタイルへと生まれ変わりました。

今回は生まれ変わったMT-03のフォルムと走り、それぞれのインプレをお届けします!

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ボリューム感が増したフォルム

▲新型MT-03
▲新型MT-03
▲新型MT-03
▲新型MT-03
▲従来モデルのMT-03
▲従来モデルのMT-03
▲エアインテーク風カバー
▲アンダーカウルも標準装備

【全長/全幅/全高】

新:2,090mm/755mm/1,070mm
旧:2,090mm/745mm/1,035mm

【車両重量】

新:169kg
旧:166kg

前述の通りフロント周りを中心に大きくデザインの変わったMT-03。見た目のボリューム感に対し、実際のサイズは従来モデルからハンドル位置の変更により幅と高さが少し大きくなったくらいで、全長に関しては従来と変わりありません。重量もABSや倒立式フロントフォークの分だけ少し重くなっていますが、押し引きする中では全く気になりませんでした。

フロントマスクや倒立フォークなどの装備と併せて、エアインテーク風のカバーやアンダーカウルが車体のボリューム感アップに貢献しています。

足つき

【シート高】

780mm

【足つき】

▲シート高:780(スタッフ身長:173cm)
▲シート高:780(スタッフ身長:155cm)

シート高は従来モデルと変わらず780mmなので、足つきは比較的良好です。170cmもあれば両足の踵までベタ足になります。
足つきに不安のある155cnのスタッフが跨ったところ、つま先立ちになりますが両足とも着きました。足つきに余裕がある訳ではありませんが、ハンドルがほど良い高さにあるので安定して支えることができました。

すべてがLEDとなった灯火類

【ヘッドライト】

▲キーONでポジションライトが点灯
▲中央にハイロー切り替え式のプロジェクターを搭載

新しくなったフロントマスクは、鋭い眼光のようなデザインのLEDポジションライトとLEDの小型プロジェクターライトを装備しています。これまではハロゲンだったので、LEDに変わったことにより夜間の視認性も向上しています。

【テールライト】

▲ウィンカーにもLEDを採用
▲テールライトは引き続きLED

テールライトはデザインに大きな変更はありませんが、前後ウィンカーにはスリムなLEDウィンカーが採用されました。新型のYZF-R3ではLEDウィンカーが採用されていないので、ヤマハの同クラス帯の車両では初めてのLEDウィンカーとなります。

新採用のフル液晶メーター

▲新型フル液晶メーター
▲従来モデルのメーター

新型YZF-R3と同じく、これまでのアナログのタコメーターとデジタルメーターの組み合わせから、新たに採用されたフル液晶メーターになりました。タコメーターはバーが細かく設定されているので、スロットルワークにも細かく反応します。燃料系や水温計、時計にシフトインジケーターなどの重要な情報も引き続き表示されます。

44mmアップのハンドル

街中など日常的なシーンでの乗りやすさ向上のため、ハンドルは従来モデルから44mmアップしています。上体が起き上がったポジションとなるため、長距離のライディングや跨ったままでの取り回しも楽になっています。

ハンドルスイッチもセルとキルスイッチが一体型になるなど、コンパクトな設計となっています。

倒立フォークとラジアルタイヤ

フロントマスクやメーターと共に、新たにインナーチューブ径が37mmの倒立式フロントフォークを採用。倒立フォークにより、高剛性化とバネ下重量の軽減化を果たしています。倒立フォークへの変更はフロント周りの迫力アップなだけでなく、より軽快なハンドリングであったり、ブレーキング時の接地感の向上にも寄与しています。

ブレーキ周りに大きな変更はありませんが、前後に対応したABSが標準装備となりました。さらに、新型MT-03のタイヤにはラジアルタイヤが採用されています。ラジアルタイヤになったことで、タイヤのグリップ性とハンドリングの軽快さが増しています。

余裕を感じる320ccエンジン

総排気量:320cm3
最高出力:31kW(42PS)/10,750r/min
最大トルク:29N・m(3.0kgf・m)/9,000r/min

新型YZF-R3と共通となる320ccエンジンは、最高出力が42PSとなります。元々低中速域が扱いやすいエンジンなので、街乗りなど市街地での走行でもストレスを感じることなく走れます。もちろん高回転まで回せば歯切れのいいエキゾーストノートと共に気持ち良い加速を体感できます。

ホールド感とボリュームアップのタンク

タンク容量:14L
フロント周りの変更に併せて新デザインとなったタンク。ビッグバイクのようなボリューム感を出すために幅を51mm拡大しつつ、ライダーとのフィット感を損なわない形状となっています。

足つき性と自由度の高いシート

タンク周辺を絞り込んだシートデザインにより、足つきも良くなっています。
シート下の収納スペースは、ETC車載器や書類、車載工具が積める程度のスペースくらいしかありませんでした。

気になる販売価格は!?

メーカー希望小売価格(消費税10%込み)

654,500円
※2020年5月現在

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実際に走ってみた!

今回も街乗りと高速巡行をメインに試乗してみました。
まず感じたのが車体の軽さです。骨格はMT-25と共通ながら320ccのエンジンを搭載しているので、250ccクラスと変わらない取り回しの楽さとハンドリングの軽快さを体感できました。特にハンドリングでは従来モデルからハンドルが約40mm程高くなったことで上半身のポジションがより楽になりましたが、ワインディングになれば軽く伏せるだけで車体との一体感が増し、軽さと相まってストリートファイターらしいアグレッシブなライディングが楽しめます。

250ccよりも余裕のあるパワーとトルクは、ハイギア低回転でもストレスなく巡行できました。
6速の回転数は60km/hで約3,500回転ほどながら街中でもギクシャクすることなく巡行することができ、100km/hでは約6,000回転ほどと走りに余裕を感じました。もちろん適切なギアでしっかりと回転数を上げていけば苦も無く加速してくれるので、高速道路の合流など加速したい場面でもスムーズに走れました。

そして倒立式となったフロントフォークになったことで、バネ下重量の低減による寝かしこみの軽快さはもちろんのこと、特にブレーキングの安定感が増しているように感じました。従来からブレーキまわりに変更はないものの、ブレーキングでフロントに荷重が掛かったときのフォークの捻じれが少なく、タイヤに荷重がしっかりとかかっている感じがします。

街中から高速走行まで使い切れるパワーでマルチに楽しめること間違いなしのMT-03。250cc以上となるため維持の面では多少なりともコストは上がってしまいますが、それを補う楽しさと快適さを兼ね備えた1台でした。

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