2022年11月に初代CB1000スーパーフォア(SF)から30周年を迎えたプロジェクトBIG-1。BIG-1はボルドールを含むスーパーフォアシリーズの基になったコンセプトで、これを機に開発ストーリーを改めて紹介したい。さらに、新たに公開されたデザインスケッチも公開!

取材協力/ホンダ

全ての始まりはCB1100Rの燃料タンクだった

プロジェクトBIG-1のそもそものきっかけは、1989年に発売された400ccネイキッドのCB-1がゼファーに対して劣勢だったことだ。CB-1はすぐにモデルチェンジすることになり、デザイナーの岸敏秋氏が最初に描いたスケッチが全ての始まりになった。

そのスケッチはCB-1にCB1100Rのタンクを載せただけのものだったが、周囲も“いいね!”という反応で、これが1992年のCB400SFに発展。同時に「こんな感じの大型バイクがあったらいいねということでCB1000SFが始まりました」(岸氏)という経緯だ。

岸氏は、CB1100Rのタンクに「もうちょっと色っぽさが欲しい」とスケッチを重ね、プロジェクトBIG-1コンセプトの一つ、“体躯はあくまでもセクシー&ワイルド”を路線化。CB1000SFの開発責任者の原国隆氏も「とにかく、岸がデザインしたタンクの形と色が良かった」と絶賛した。

CBスーパーフォアシリーズ誕生のきっかけとなったCB-1にCB1100Rのタンクを載せたスケッチを再現したCG。画面の横でマイクを握るのがデザイナーの岸敏秋氏で11月のトークショーで公開された。

CB-1(1989年) [HONDA] CBR400RR譲りの並列4気筒エンジンを極太パイプフレームに搭載したネイキッドの草分け。市場に受け入れられたのは昔ながらの2本サススタイルのゼファーだった。

CB1100R(1980年) [HONDA] レースベース車として小数が発売された空冷4気筒CBシリーズの頂点モデル。後のCB1000SFのカラーリングもこれをお手本としている。

タンクのデザインは、平面デザインを立体化する際にそのイメージが伝わりやすいように様々な角度から丹念に描写された。ポルシェのリアビューもヒントとして描かれている。

市販化が決まらないままスケッチから立体のクレイモデルに展開

CB-1にCB1100Rのタンクを載せたスケッチから、こんな感じの直4の大型バイクができたら…と話が膨らみ、通常業務の合間にCBR1000Fのエンジンをベースにした非公式のアイデアスケッチを展開する機会に恵まれた。

非公式のプロジェクトにも関わらず、多くの開発者の目に触れやすいようデザイン室の一等地でクレイモデルの検討を始め、社内の機運を盛り上げようと意図されていた。

岸氏は、フルカウルの中に隠されていたCBR1000Fのエンジンのほぼ直立した無骨なシリンダーに造形の美しさを見出し、これを少し手直しすればネイキッドモデルのエンジンとして立派に通用するはずだと感じていた。

そして、“相手にするのは750ccではなく、中古の大型モデルと逆輸入車だ”という考えの下で造形されたクレイモデルは、前後18インチタイヤを履いた大柄な車体が特徴だった。

CB-1ベースのスケッチから試行錯誤を経てたどり着いたファイナルスケッチがこちら。レースホモロゲ車だったCB1100RがCB1000SFに見事生まれ変わった。

当時は大型車用の18インチタイヤはイギリスのエイボンしかなく、クレイモデルはこれを装着。この時点でホイールベースは1520mmという当時ではあり得ないほどの大きなサイズだった。

完成したCB1000SFのクレイモックアップは「新技術のない2本ショックは欧米で売れない」と却下されたが、CB400SFのイメージ作りとして1991年の東京モーターショーに参考出品された。

CB1000SFのクレイは営業から却下されるも、ライダーの反響から販売へ

完成したCB1000SFのクレイモックアップに対して、営業部門から反対意見があるのならライダーに直接問うてみようと、すでに開発が進んでいたCB400SFのイメージ訴求という位置づけで、1991年の東京モーターショーに参考出品されることになった。

「そうしたら、誰もが食い入るようにBIG-1に見入っていて──1968年にCB750FOURが登場した時と同じ反応でした。もうお客様の目の色が違うんです」(原氏)。「来場者の熱量を感じましたね。自分たちとお客様は共感できている、と感慨深い光景でした」(岸氏)。

文字通りBIG-1と言うべき堂々とした車格は、“大きい、迫力がある”というインパクトによって受け入れられた。「実は、クレイモデルの最初の頃は『ディアブロ(悪魔)』というネーミングでしたが、開発が進んでいくうちに “でかいな!これは。それならビッグワンだな”ということになったのです」と、原氏は振り返った。

カラーフィルムが貼られる前のクレイモックアップのタンクには「Diablo」のロゴがあった。CB1000SFの立体で表現したかった“凄み”や“おどろおどろしさ”をイメージしたサブネームだった。

非公式プロジェクトから製品化却下を経て1992年11月に発売されたCB1000スーパーフォアとデザイナー 岸敏秋氏(左)、開発責任者の原国隆氏(右)。それから30年の時が経過した。

CB1000スーパーフォアのイメージが固まった後も、代案を検討した

プロジェクトBIG-1は “こういうバイクを世に出したい”と、岸氏が考えたデザインスタディが発端だ。きっかけは、CB-1の車体にCB1100Rの燃料タンクを載せたラフスケッチだった。造り手に迷いはなく様々な障壁を乗り越え突き進んでいった。

だが、その過程でも自ら進むべき道を確かめるために、あえて脇道に入り込んでみた形跡が残されている。30周年を機に公開された岸氏らが描いたアイデアスケッチにあるCB-7、CBR1000ホライゾン、CBX1000、ファントムなど路線の異なるアイデアが興味深い。

岸氏によると「違った角度からCBの表現をトライしたもので、CB1000SF最終デザイン確定に向けた周辺固めのスケッチ群」だということだ。無数に描かれたスケッチから一部を最後に紹介したい。

プロジェクトの発端、CB-1をリスペクトしたというCB-7。倒立フォークやガルアーム&モノサスなどベストハンドリングを目指したCB-1の発展版で、エンジンはCBR750スーパーエアロのものだ。

並列6気筒エンジンを搭載したCBX(1000)をイメージしたスケッチ。特徴的なテールカウルやカラーリングを再現。角パイプフレームも検討したようだ。エンジンは並列4気筒が前提だった。

中には元ネタがないものも存在。PHANTOM(ファントム)という車名でかなりスポーティなスタイルとしつつ、リアサスは2本ショックとしていた。

こちらは、後に世に出るホーネット風? タンクにはBull Rという車名が置かれていて「R」は突進する雄牛をモチーフにデフォルメされている。どちらかというと後のX4か。

こちらは1998年CB1300SFのデザインを手がけた伴哲夫氏のスケッチ。モチーフは第3世代直4を搭載したCBX750ホライゾンだろう。車名はCBRなのでCBR1000ホライゾンと言える作品。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    この開発陣達の熱い気持ちを引き継いでもらいたいですね。…昨今くだらないリコール出したり変なデザインにしたりせず日本で生産して 物作り日本 と胸を張りたいですね。

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