間もなく2022年が終了。日本では緩やかなバイクブームが継続し、部品調達の問題などから生産遅延という問題を抱えながらも、メーカーはニューモデルの発売や既存車種のモデルチェンジなどを今年も多数実施しました。そんな今年の新しいバイクの中から、筆者が意外性を感じたモデルを勝手に選択。皆さんはこれらのバイクに、どんな感想を抱きましたか?

2022年はラインアップ再構築の過渡期

日本における2022年のバイク新車市場では、さまざまな既存モデルの生産終了という悲しいニュースも駆け巡りました。これは、日本における平成32年(令和2年)国内排出ガス規制の完全施行により、この基準を満たしていない継続生産車は2022年10月までしかメーカーで生産することができなかったことが大きな理由。これにより、ホンダのCB400スーパーフォア&スーパーボルドール、ヤマハのSR400、スズキのGSX-R1000R、カワサキのヴェルシス-X250ツアラーなど、そのメーカーやカテゴリーを代表するような車種も、在庫限りで新車市場から姿を消そうとしています。

一方で当然ながら、モデルチェンジなどでこの排ガス規制に適合化したモデルも多数。また、新たな規制への対応を前提にブランニューモデルとして開発され、日本市場に導入された新型バイクもいくつかあります。つまり2022年は、各メーカーにとってラインアップ再構築を進めてきた年でもあると考えることもできます。

国内メーカーの意外性ある新型をピックアップ

前年に続いて、2022年は生産終了とモデルチェンジやマイナーチェンジが多めの年になり、加えて国内メーカーではホンダを中心にブランニューモデルもいくつかデビューしました。もちろんその中には、いわゆる正常進化と感じられるものや、小変更により規制に対応させたモデルも多いのですが、一方でベテランライダーたちに「まさかの……」や「そう来たか!」と思わせるバイクも少なくありません。

そこで今回は、2022年に完全な新型としてデビューしたモデルやフルモデルチェンジにより登場したバイクの中から、意外性が感じられた車種を、筆者の独断と偏見で5車種ピックアップしました。海外メーカーにもおもしろいバイクはたくさんあったのですが、今回は日本の4メーカーが国内で正規ラインアップするモデルに限定。意外性のワケは、各項で説明します。

ホンダ・HAWK11

国内専用モデル、アドベンチャーベース、FRPカウル

2022年9月に新発売されたホーク11は、二輪車生産のグローバル化が進んだ現代ではかなり珍しく、日本国内専用モデルとして開発。しかもホンダが打ち出した年間販売計画台数は1200台で、小規模生産を前提に設計されています。それでいて価格は139万7000円と、この時代のリッターバイクとしては標準的。日本国内向けにこのような販売戦略を選択するところに、意外性が感じられます。

車体とエンジンはCRF1100Lアフリカツインにルーツがあり(直接的なベースはアフツイをスポーツツアラー化したNT1100)、アドベンチャーモデルからカフェレーサーを製作してしまうのも驚き。ただしアフツイのエンジンは、クルーザーのレブル1100シリーズにも転用されているので、ユーザーも少し“慣れてきた”感じはあるでしょう。極めつけは、量産市販車では珍しいFRP製のロケットカウル。一体成型にこだわった結果とのことですが、ショーモデルとほぼ同じまま市販化してきたことにビックリ!

ホンダ・DAX125

たくさんあるのに、レトロ原付二種をさらに追加

ダックス125は、2022年9月に発売が開始された、かつてのレジャーモデルが持っていた雰囲気を125ccクラスでよみがえらせたモデル……なのですが、同様のコンセプトで開発されたモデルとして、すでにホンダにはモンキー125やCT125ハンターカブ、あるいはスーパーカブC125が存在しています。また、ホンダにはグロムやクロスカブ110、スーパーカブ110といった原付二種コミューターが他にもあり、ラインアップはかなり充実しています。

そのような状況で、確かに原付二種クラスは日本でも人気が高まっていて世界的な需要も大きいとはいえ、あのダックスまで復活させてくるとはちょっと意外。原付二種レジャーバイクのカテゴリーでは、ホンダの一人勝ちという状態がしばらく続きそうです。

ヤマハ・XSR900

まさかのレーサーイメージ注入

プラットフォームベース車としての役割も持つMT-09のエンジンと車体を使いながら、レトロな雰囲気のスポーツヘリテージモデルに仕立てたのがXSR900。初代は2016年にデビューし、ベースモデルの刷新から1年遅れとなる2022年型でフルモデルチェンジを果たしました(日本での発売は2022年6月)。

これまで、1970~80年代のネイキッドモデルを思わせるデザインでしたが、2022年型では“ヘリテージ”というテーマは同じながら1980年代初頭のレーサーをモチーフとした意匠に大きく路線変更。かなりのイメージチェンジに、好き嫌いは置いておいて驚きを隠せずにはいられません。

スズキ・アドレス125

直線基調サヨウナラ。丸くなったアドレス

スズキの原付二種スクーターで、中心的な存在となってきたのがアドレスシリーズ。1991年に2ストのアドレスV100がデビューし、その後に4ストのアドレスV125やアドレス125につながっていきました。また、前後14インチの大径ホイールを履いたアドレス110というモデルもあります(現在はカタログに残るも生産は終了)。そんなアドレスシリーズは、直線的でシャープなデザインも大きな特徴となってきたのですが……。

排ガス規制強化の影響などで先代アドレス125が生産終了となったことを受けて、2022年10月に発売が開始された新型アドレス125は、かなり丸みを帯びたルックスで登場。ちょっとレトロな雰囲気もあり、これまでのアドレスをよく知る者としては、かなり意外な展開です。

カワサキ・KLX230SM

この時代にモタード。しかも排ガス規制未対応

カワサキは、まだ「スーパーモタード」なんてレースカテゴリーが日本ではほとんど知られていなかった1998年に、オフ車のKLX250をベースに前後輪17インチ化などを施したD-トラッカーを発売。国内メーカー製スーパーモタードを、他社に先駆けて手がけたメーカーです。現在、一時的にブームとなったスーパーモタードの人気はかなり下火になっていて、国内メーカーのラインアップからスーパーモタード車が消えてから約5年が経過していたのですが……。

突如としてカワサキが、オフ車のKLX230SをベースとしたスーパーモタードモデルのKLX230SMを発表。2022年10月15日に発売を開始しました。この時代にモタード……というだけでも驚きですが、なんとこのモデルは最新排ガス規制に適合化されておらず、生産できるのは2022年10月いっぱいまで。つまり発売開始から約2週間で、もう生産できなくなることが決定していたのです。在庫車の販売はルール上問題ないとはいえ、発売日と生産終了のタイミングにもビックリです。

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