パシフィコ横浜で開催された「横浜ホットロッドカスタムショー2022」に、ロイヤルエンフィールドから出展された3台のスペシャルマシン。いずれもクラシックスポーツ「コンチネンタルGT650」をベースとした新しいスタイルのスポーツモデルを追求したもので、既にモダンボードトラックレーサー「KAMALA」、ストリートファイター「ミダス・ロイヤル」を紹介した。ところが最後に紹介する「ツインズFT」はこれらと全く違うスタンスから作られた1台。というのは、こちらは現在進行形でアメリカの大人気レース「アメリカンフラットトラック」にロイヤルエンフィールドから参戦する正真正銘のワークスマシンなのだ。

クラシックな空冷ツインで勝利を狙うフラットトラックレーサー

エンジンはベースとなったコンチネンタルGT650からほとんど外見の変化はないが、アメリカ・S&S製のキットにより750ccにボアアップされ、ワンオフのエキゾーストシステムを装備。ECUもレース専用にチューン済だ。もちろん車体も完全に別物で、フレームはイギリスでマン島TTレースやWSBKにフレームを供給していた「ハリス・パフォーマンス」製のフラットトラックスペシャル。前後サスペンションはオーリンズ製となっており、そのバランス調整もハリス・パフォーマンスによって最適化されている。フラットトラックレースではフロントブレーキを使用しないため、ブレンボ製キャリパーのブレーキはリアのみ。ハンドルにもクラッチレバー以外のレバーはない。タンクカバーと一体となったカーボン製のカバーの下には、小型化された燃料タンクとオイルタンクを装備している。

 

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ロイヤルエンフィールドが展示した3台のカスタムマシンの中で、まったく毛色が違うマシンが「ツインズFT」。アメリカン・フラットトラック参戦のために製作されたワークスマシンで、実際にレースシーンでライバルメーカーと覇を競い合っているのだ。

 

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エンジンは外見だけ見るとノーマルモデルと変わりがないが、内部は750ccにボアアップされ、ECUもフラットトラックレースに最適化。エキゾーストシステムもオリジナルだ。

 

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フレームと車体調整を手掛けたのは、イギリスのフレームメーカー「ハリス・パフォーマンス」だ。マン島TTレースや世界GPなどにフレームを供給し、コンプリートマシンも製作していたレース経験の深いメーカーだが、2015年からロイヤルエンフィールド傘下となっている。ノーマルのコンチネンタルGT650のフレーム設計もハリスによるものだ。

 

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サスペンションは前後ともにオーリンズ製で、ブレーキシステムはリアにブレンボ製キャリパーを装備し、フロントブレーキはない。カーボン製カバーの下に小型化された燃料タンクと、オイルタンクが収納されている。

 

そんなツインズFTが参戦中のアメリカンフラットトラック(AFT)は、未舗装のオーバルコースを専用マシンで周回するダートレース。日本ではあまりなじみのないスタイルながら、アメリカでは現在も大人気を誇るレースだ。その中のプロダクションツインクラスはメーカー製2気筒モデルクラスで、ハーレーやインディアンといった常連メーカーのマシンに加え、日本メーカー製からもカワサキ・ニンジャ650やヤマハ・MT07をベースとした専用マシンが鎬を削っている。近年はオンロードレースと同様に水冷エンジンの高出力モデルが主流となっているのだが、ロイヤルエンフィールドはその中にクラシックな空冷並列2気筒のツインズFTで参戦しているのだ。各メーカー製モデルに一歩も引かない活躍を見せており、2020年および2021年に各1勝/通算2勝を挙げた。

残念ながら現在のロイヤルエンフィールドのラインナップの中に、フラットトラッカーを意識したモデルはない。しかし、レースシーンで実績をあげたマシンをモデルとした市販車が販売されることもよくあるケースだ。実際にアメリカンフラットトラックで大活躍したインディアン「FTR750」はのちにストリートトラッカーとして市販化を実現している。ツインズFTの活躍が続くことで、クラシカルなトラッカーが市販化される未来にも期待していきたいところだ。

 

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ボードトラックレースから始まるトラックレースのひとつとして、アメリカでは大きな人気を誇るフラットトラックレース。今回のホットロッドカスタムショーでも多くの外国客が足を止めていた。

※写真:Royal Enfild

 

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ツインズFTが参戦するアメリカンフラットトラックの「プロダクションツイン」クラスでは、古豪ハーレーやインディアン、日本発のニンジャやMT-07が出場。コンチネンタルGTベースのOHC空冷ツインはもちろん少数派だが、それでも2020年、2021年には勝利を飾った。

※参考画像

 

「横浜ホットロッドカスタムショー2022」で注目を集めたロイヤルエンフィールドの3台のスペシャルマシンは、開催後も東京都杉並区の「ロイヤルエンフィールド東京ショールーム」にて限定展示が行われる。期間は2022年12月6日(火)〜23日(金)の間で、土日祝は休館。実物を見たい人は公式サイトをチェックしてほしい。

参考:コンチネンタルGT650主要諸元

・全長×全幅×全高:2119×745×1067mm
・シート高:820mm
・車重:212kg
・エンジン:空冷4ストローク並列2気筒SOHC4バルブ 648cc
・最高出力:34.9kW(47.5PS)/7,150rpm
・最大トルク:52.3Nm/5,150rpm
・燃料タンク容量:12.5L
・変速機:6速マニュアル
・ブレーキ:Front=φ320mmディスク/ABS Rear=φ240mmディスク/ABS
・タイヤ:Front=100/90-18 Rear=130/70-18

情報提供元 [ Royal Enfield ]

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