文/Webikeスタッフ:アキヒト

【ホンダ CBR250RR】
ディテール&試乗インプレッション

激化する250ccスーパースポーツクラスにおいて、2017年にホンダより満を持して登場した新型CBR250RR。
発売当初は「RR」というと、1万9000回転からレッドゾーンという超高回転の直列4気筒エンジンを積んだ「MC22」を思い浮かべる人も多かったと思いますが、今ではこの「MC51」も広く浸透してきたと思います。登場後はモデルチェンジも無いままですが、250ccスーパースポーツクラスの中では今なおトップクラスの性能と人気を誇ります。中でも特徴の1つでもある電子制御スロットルによる3つのライディングモードは、「3つの顔」をもつと言えるほどにキャラクターが異なります。

今年はその「MC51」がさらにパワーアップするとの噂なので、今回はあらためてCBR250RRの詳細についてインプレしていきたいと思います!

「速さ」が溢れ出るスタイリング

【全長/全幅/全高】

2,065mm725mm/1,095mm

【車両重量】

165kg
※ABS:167kg

エッジの効いたフロントマスクにシャープなヘッドライト、高く跳ね上がったシートカウルのデザインは、見るからに「速そう」と思わせます。全くの別のバイクとはわかっていても、ついつい「MC22」と比較してみたくなってしまいますが、「これが新しいCBR250RR」と言わんばかりに全体的にエッジの効いたカウルデザインは良い意味で原型を留めていません。カウルは攻撃的なデザインだけでなく、走行風を使って効果的にエンジンを冷却できるように考えられています。

フレームにも新設計のトラスフレームを採用しており、剛性としなやかさを両立しています。さらにスイングアームもアルミ製の左右非対称のガルアーム形状を採用することで、マスの集中化による運動性の向上に寄与しています。満を持して登場しただけに、走りへの追及に一切の妥協がないことが見てとれます。

足つき

【シート高】

790mm

【足つき】

シート高は250ccスポーツモデルでは標準的な高さとなります。それでもタンク後端からシート先端部が絞り込まれているので、ニーグリップがしやすいだけでなく足つきも良くなっています。実際に身長155cmのスタッフが跨ってみても、踵は浮くものの両足で余裕をもって支えられました。

▲シート高:795mm(スタッフ身長:173cm)
▲シート高:795mm(スタッフ身長:155cm)

すべてがLEDの灯火類

ここ数年で250ccクラスにもLEDヘッドライトが標準装備として採用されるようになりましたが、CBR250RRが登場した当時はLEDヘッドライトはメーカーの上位モデルにしか採用されていませんでした。
MC22の丸目2灯のヘッドライトから大きくデザインが変わり、フロント上部のシャープなポジションライトと、下部のハイロー切り替え式のヘッドライトは、よりアグレッシブな走りをイメージさせます。

同じくMC22の丸目2灯のテールライトから、鋭く跳ね上がったテールのデザインを崩さない上下2段タイプのLEDテールライトに変わりました。

【ヘッドライト】

▲ロービーム
▲ハイビームで外側のライトが点灯

【テールライト】

▲ブレーキ握ってない
▲ブレーキを握って下のライトが点灯

サーキット走行も考えられた新設計メーター

新設計のフルデジタルメーターを搭載。中央にスピードメーターを表示し、バータイプのタコメーターがメーター上部に沿って上がっていきます。ギアポジションインジケーター、時計、水温計、燃料計、ライディングモード、切り替え式のトリップメーターと多彩な情報が見やすく配置されています。

任意のシフトタイミングをLEDの点灯で知らせるREVインジケーターや、手元のボタンで計測できるLAPタイマーなど、サーキット走行も考えられた機能も搭載しています。

初採用のライド・バイ・ワイヤ

CBR250RRの特徴の1つでもあるスロットルには、発売当初250ccクラスへの採用が初となり話題となった「スロットル・バイ・ワイヤ」システムを搭載しています。これによりスロットル操作がこれまでの機械式ワイヤー構造から電気信号での制御となったことで、電子制御によるライディングモードの変更が可能となりました。

ライディングモードの切り替えは、左ハンドルについているスイッチで操作します。ライディングモードは走行中でもスロットルを全閉にすることでモードを切り替えることができます。

モードの切り替えは以下の3モード
〈Sport〉   オールラウンドにリニアな加速を楽しめる標準モード
〈Sport +〉 より力強い加速が楽しめる、レスポンスを強調したモード
〈Comfort〉 タンデム時など、よりリラックスした走行が楽しめる快適性を重視したモード

▲ラップタイマーの計測スイッチが付いている
▲電子制御のスロットル

▲モードの切り替えは左人差し指で走行中も可能

バネ下の軽量化を徹底した足回り

【ホイール】

新設計の7本スポークデザインのホイールは、剛性だけでなくバネ下重量の低減にも貢献しています。また、CBR250RRの走りに合わせて、純正タイヤにもよりグリップ感のあるラジアルタイヤを採用しています。

▲タイヤサイズ:110/70R17M/C 54H
▲タイヤサイズ:140/70R17M/C 66H

【ブレーキ】

ブレーキには前後ウェーブ形状のディスクを採用し、ディスクサイズはフロント310mm、リアは240mmとなります。ABSは2チャンネルとなりますが、ABSありとなしの2タイプの設定があるので、使用用途に合わせて購入時に選べます。

▲310mmシングルディスクブレーキ
▲240mmディスクブレーキ

【サスペンション】

フロントには新たにインナーチューブのサイズが37mmの倒立式フロントフォークを装備しています。フォークには調整機構は無いものの、重たいアウターチューブがハンドルに近づいたことでバネ下重量の低減によりハンドリングも向上しています。
リアサスペンションは5段階のプリロード調整が可能とともに、サスペンションのマウントにはプロリンクを採用しています。

▲SHOWA製倒立フロントフォーク
▲プリロード調整機構付きリアサスペンション

クラストップのハイパワーエンジン

最高出力:28kW(38PS)/12,500rpm
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/11,000rpm

新設計の250cc水冷4ストロークDOHC4バルブ直列2気筒エンジンは、登場してから現在に至るまで、クラストップの最高出力を誇ります。14,000rpmからレッドゾーンとなる高回転エンジンは、適切なボア×ストローク比だけでなくアルミシリンダースリーブをはじめピストンのモリブデンコーティングなど、軽量化とフリクションロスの低減を突き詰めたエンジンとなります。

新設計エンジンと併せてクラストップクラスの最高出力に寄与しているのが、吸気の流れを垂直に近づけることで吸気効率を上げるダウンドラフト式の吸気レイアウトです。今でこそ250ccモデルにも普及してきた吸気レイアウトになりますが、それまでは大排気量スポーツモデルで主に採用されていました。出力を上げるためにもこのような技術を惜しみなく投入しています。

独特なデザインの右側2本出しマフラーは、音量や排ガスなど様々な基準をクリアしつつも、中・高回転域ではスロットルをより開けたくなるようなレーシングなサウンドを響かせます。アグレッシブな外観デザインと独特な2本出しマフラーが、遠くからでもCBR250RRとわかるように印象付けられます。

ホールド感とシャープなデザインを両立したタンク

タンク容量:14L

タンク容量は250ccクラスとしては一般的な14Lとなります。タンクは樹脂のカバーに覆われており、ニーグリップしやすいだけでなく、よりシャープなイメージを与えるデザインになっています。

足つき性と荷重移動に寄与したシート

シートのデザインは、タンク周辺がスリムなデザインになっていて足つきの良さにも寄与しています。逆にシート後方は腰をずらして荷重移動しやすいように広くなっています。タンデムシートは長時間のタンデムには向かなそうです。シート下の荷物スペースは書類や車載工具、ETCを入れたら他に物は入らなそうでした。

気になる販売価格は!?

メーカー希望小売価格(消費税10%込み)

ABSなし:803,000円
ABSあり:821,700円/グランプリレッド(ストライプ)のみ:854,700円

※2020年4月現在

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実際に走ってみた!

登場してから3年目となるCBR250RRですが、他社の現行250ccスポーツモデルも乗ってみたことで、あらためて「よくまとめられたバイク」だと感じさせられました。他社に先だって投入された倒立フォークやフルデジタルメーター、ライドバイワイヤシステムによるライディングモードの設定など、これ以降に登場した250ccスポーツモデルのベンチマーク的な存在として確立しています。

ポジションは正直、170cm以上の人がしっかり伏せて走ろうと思うと足や腕が体に近くて少し窮屈なポジションですが、用途に合わせて好みのポジションに変更することで改善されそうです。肝心の走りは、低・中回転域も力強く、5,000rpmでシフトを上げていくと街乗りでも気持ちよく走れました。高速走行時は6速7,000rpmで100km/hとなりますが、そこまでの加速も無理なくスムーズに吹けていく感じです。パワーと併せて軽い車体とバネ下重量の低減によるハンドリングは軽快そのもの。人によってはハンドリングの軽さが逆に不安定に感じるかもと思うくらいにヒラヒラと切り返しできるイメージです。

ライディングモードについてもそれぞれ試してみたのでちょっとインプレです。3つのモードの中で街中を走るなら〈Sport〉モードが最適と言えます。スロットル開度のレスポンスは〈Comfort〉以上〈Sport +〉という位置づけで、スロットルの開閉に対してレスポンスが過敏すぎないので多少ラフなスロットルワークでも少し余裕ができて街中でもストレスなく走れました。〈Sport +〉は3つのモードの中で最もスロットルワークに対して過敏に反応するので、ワインディングやサーキットでの加速時にスロットルの開度に合わせてそのまま加速していくので気持ちよく走れます。逆に街中では過敏すぎるので気を遣ってちょっと疲れる印象です。最後に〈Comfort〉ですが、3つの中で1番スロットル開度に対して遅れて回転数が上がってくるので、マイルドに走りたい状況に最適です。特に雨など路面のコンディションがあまり良くない時などに使うのが良さそうです。逆にスロットルを全開にしても中々回転数が上がってこないので、加速したい場面には不向きです。これら3つのモードの差は素人の私でも街中で体感できるレベルなので、乗ってみた際は是非それぞれ試してみてください。

撮影協力:株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

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ホンダ CBR250RR (MC51)の価格情報

ホンダ CBR250RR (MC51)

ホンダ CBR250RR (MC51)

新車 231

価格種別

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価格帯 69.9~109.9万円

86.01万円

諸費用

価格帯 3.4~7.3万円

4.35万円

本体価格

諸費用

本体

65.47万円

価格帯 39.8~129.8万円

諸費用

5.64万円

価格帯 5.11~7万円


乗り出し価格

価格帯 77.2~113.3万円

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