
すでに試作車が公開されている2023年型CBR250RRの価格や発売時期を改めて予想したい。さらにエンジンやサスペンションの詳細情報も予想解説する。
写真:南孝幸エンジン内部の改良やバルブタイミング変更などでピークが500rpmの伸び!?
これまで、カラーバリエーションや外装の変更などを中心に2023年新型CBR250RRのモデルチェンジ内容を予想してきたが、今回はエンジンやシャーシの細部に迫りたい。新型は最高出力は従来型の41PS/13000rpmから42PS/13500rpmに500rpm高めてパワーアップを果たすだろう。
一方、最大トルクは従来の2.5kg-m/11000rpmから2.5kg-m/10750rpmに250rpm落として従来同等の数値を実現していると思われ、より幅広い回転域でポテンシャルを発揮するようだ。これらを実現するために、燃焼室を小型化して圧縮比を従来の12.1から12.5に高めているだろう。
さらにインテークポートの拡大や排気カムのタイミング及びリフト量の変更、ピストン/オイルリングの改良、電子制御スロットルの熟成などエンジンは全面的に見直されていると思われる。マフラーは、エキパイの管長変更やキャタライザーの配置などを変更して、浄化性能を向上させると予想される。
CBR250RRは、2020年にピストンの変更などで従来の38PSから41PSにパワーアップを図っているが、2023年型は令和2年排出ガス規制クリアとカワサキZX-25RRに対抗するために、並列2気筒エンジンの限界に迫る意地の全面改良を見せてくるか!?

2023年型CBR250RR日本仕様 [HONDA] 写真はパールグレアホワイトの試作車。他にもマットバリスティックブラックメタリックやグランプリレッドの3色展開になる模様だ。

写真はインドネシア仕様のエンジンで、こちらも2023年型で圧縮比を12.1→12.5に高めて最高出力は42PS/13000rpmに1PSアップした。ピーク回転は日本と500rpmの差があるようだ。
サスペンションは乗り心地も向上している!?
2023年型CBR250RRは、フロントにショーワ製SFF-BP(セパレート ファンクション フロントフォーク ビッグピストン)を採用している。これは左側にダンパー機構とスプリング、右側にスプリングのみの構造となり、大径化したビッグピストンで安定したダンパーを発生させるもの。同時にスプリングレートを落とすことで、乗り心地が向上しているだろう。
電子制御では新たにトラクションコントロールを採用しているが、これは前後輪の回転センサーでスリップ率を検知するベーシックなタイプ。スリップが発生した際は、燃料噴射を制御することで、トラクションを回復させる仕組みと思われる。トラコンは左ハンドルのスイッチでオン/オフと1~3段階の調整が可能になっている。
外装は、既報の通りインナーカウルにウイング形状の構造を設置することで、エアーマネージメントを追求した二重構造のカウルを新たに採用するなど、徹底的に磨きも込まれている。予想価格は、白と黒が4万7300円アップの86万9000円、グランプリレッドは5万2800円アップの90万7500円、予想発売時期は2月下旬だ。

シートカウルは従来より薄くコンパクトになり両脇のダクト内には、ウイングを内臓。サイドカウル内にもウイング状の構造があり、空力面での性能アップも期待できる。

SFF-BPを採用したフロントフォーク。ダンパーピストンが大型化されることで減衰力が安定して発生し、その分バネを柔らかくして乗り心地を向上させていると思われる。

2023年型CBR250RRは、メーター画面右隅に「T」の表示窓が新設され、トラクションコントロールのセッティング状況を表示する。3段階のライディングモードは継続。

「T」がトラクションコントロールの調整スイッチ。三角マークは新設されたハザードランプのスイッチだ。
2023年型CBR250RR主要諸元(予想)
・全長×全幅×全高:2065×725×1110mm
・ホイールベース:1390mm
・シート高:790mm
・車重:168kg
・エンジン:水冷4ストローク並列2気筒DOHC4バルブ 249cc
・最高出力:42PS/13500rpm
・最大トルク:2.5kg-m/10750rpm
・燃料タンク容量:14L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70R17、R=140/70R17
・予想価格:86万9000円/90万7500円(グランプリレッド)
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