2眼のステレオカメラによる前方検知システム「ADAS for Motorcycle」を日立アステモが発表した。ミラノショーでヤマハがレーダーによる前方検知の自動ブレーキ制御を導入したばかりだが、カメラによる前方検知も将来的にバイクへの導入が期待できそうだ。

写真:日立アステモ/河野正士

4輪で培ったカメラ技術をバイクに応用

2021年のムルティストラーダV4Sを皮切りにバイクにARAS(アドバンスト・ライダー・アシスタンス・システム)の搭載が広がっている。これは、レーダーセンサーを核とするシステムで、主に前方検知によるアダプティブクルーズコントロール(ACC)が機能上のメリットだ。

2023年にはヤマハのトレーサー9GT+が、他のモデル同様にレーダーセンサーを利用するシステムを採用し、ACCに加えて自動ブレーキ制御の機能を追加している。これは、ブレーキコントロール(BC)と呼ばれ、前方の物体が迫っている際に不足分のブレーキを自動で追加してくれるのだ。

これらはいずれもドイツのボッシュ(BOSCH)のレーダーセンサーやブレーキモジュールを使った機能となるが、日本の日立アステモが自動車で培った技術を応用したステレオカメラによるADAS(アドバンスト・ドライバー・アシスタンス・システム)for Motorcycleを開発した。

ADASはシステムが危険を検知すると、まず衝突予知警報 (Forward Collision Warning=FCW) が作動しライダーに危険を知らせ、減速または回避を促す。その後、ライダーのブレーキが不十分で衝突が予想される場合、緊急ブレーキ補助(Emergency Brake Assist=EBA) が作動しブレーキ圧を高めるのだ。

また、ブレーキ操作がない場合は自動緊急ブレーキ(Emergency Brake Assist=EBA)を作動させ、ライダーに危険を知らせた後、ブレーキ圧をさらに高めて制動力を高めてくれる。

日立アステモによると、死亡事故の約7割が直進中の前方障害物への衝突によるものであり、その約6割が回避行動をとっていないという。そこで、速度を落として衝突被害を軽減するシステムが開発されたのだ。今後の市販車への導入を期待!

ステレオカメラは人間の目と同じように左右の画像の立体視処理により、立体物の大きさ、位置、速度を瞬時に検出できる。レーダーでは識別できない白線や黄線の違いも検出できる。

ADAS for Motorcycle [日立Astemo] ステレオカメラによる「見る」に加え、パワートレイン、サスペンション、ブレーキを連携させることによる、「走る」「曲がる」「止まる」を一括制御する。

ADAS for Commuter [日立Astemo] コミューター用のシステムも開発。ステレオカメラで「見る」ことによる前方認識と、減速アシストシステムを連動したADAS技術となる。

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