
こんにちは! 「WebikePlusスタッフが勧める意外とイイよ」のコーナーを書いてます、スタッフの西田です。今週はイタリアでミラノショー(EICMA)2022の真っ最中ということで、各社の輝く最新モデルが続々登場! いやあ、すごい熱気! さすが世界最大の二輪車イベントだ!
……という熱気を遠く感じる日本のオフィスでミラノに行けなかった私は、ただただ現地最新ニュースを眺めているのでした。

ところが、新車情報を見ているとコレがまた、すっごいモデルがどんどん出てくるのでいつの間にか涙は引っ込みました。もちろん発売予定不明なものや、コンセプトモデルも多く、スペックも謎ばかりではありますが、とにかく「未来を感じさせる」見た目がいいバイクが多い! そこで今回は、そんな「見た目がいいぞ!」なバイクをピックアップしてみたいと思います。
しかし断っておきますが、私のバイクの趣味は『現代こそマイナーバイクを全力でお勧めしたい!という「マイナーバイク好き(自称)」』。大手メーカーのビッグネームは私が紹介するまでもなくWebike+では速報中ですので、有名メーカーのモデルが見たいんだい! という人はこちらをどうぞ!
では、スタートです!
目次
MVアグスタ:アンペリオ
ありそうでなかったレトロスタイルEV
アグスタが販売するスクーターといえば、2020年に登場した「イタルジェット・ドラッグスター」が話題を集めましたが、なんと今回はアグスタとキムコが共同開発した電動スクーターが登場しました。今年は脱炭素の流れがいっそう高まった年で、各社ともに力作のEVモデルを投入しているのですが……アグスタの「アンペリオ」はその中でもひときわ異質なガチレトロスタイル! ローダウンヘッドライトとか、シンプルなバーハンドルとか、モノコックフレームのクラシックスクーターそのもの!
EVというとまだまだ「未来の乗り物」感があり、全体的にトガリ気味のサイバーパンクな世界観のデザインが多い中。ひときわレトロスタイルは目立つ! これからEVスクーターが普及してくるなかでは、やっぱりこういうカワイイ系スクーターはアリだと思うんですね。

こんなところにアグスタエンブレム。シティコミューターのハズなのに高級感がすごいぞ

発表メーカー:MVアグスタ
Horwin「SENMENTI O」「SENMENTI X」
「IM統合知能シャーシ」で周囲の情報を自己判断
中国発、オーストリア設計の電動EVメーカー「Horwin(ホーウィン)」が発表した「SENMENTI(センメンティ)」は、「IM統合知能シャーシ」という名前からして士〇正宗の世界観丸出しの未来的EVモデル。それだけ聞くと、まるでしゃべりだすんじゃあるまいな……と思うんですが、実際30種類以上の領域センサーを搭載し、高速演算と状況判断、意思決定を行うインテリジェント・プラットフォームを搭載しているとのこと。このためにバッテリー・モーター・コントローラーという従来のEVモデルにあったユニット要素は全部刷新されている(!)というもの。実際、どんな機能なのか非常に気になるんですが、コンセプトモデルらしく詳細不明。今のところは新情報を楽しみにしておきましょう。

メーカー発表資料を見ると、このように前方へセンサーが機能している様子。メーターがあるべき位置にはスマホサイズのスタンドがあるので、スマホ連携は大前提なのかも。

発表メーカー:Horwin
URBET:ローラS
見たことあるフロントマスクながら、実用性能発揮
アーベットってメーカー、皆さんご存じですか? 私はすいません、知りませんでした……スペインのメーカーだそうですね。今回のミラノショーにはEVモデル「ローラS」を発表しています。しかーし! これなんか……こう……どっかで見たことあるような顔な気が……

画像はホンダ・レブル250S。スポーティなショートカウル、4眼LEDってこれ……
マンマやんけ! びっくりしましたが、足回りやシートなどはハイグレードな装備を採用している感じ。フロントはダブルディスクですし、これで異様にキビキビ走るようなモーター特性だったとしたら、「顔はレブルの謎EVが無音で追いかけてくる」というハードなシチュエーションを実現してくれるかもしれません。既に市販化はされており、最高速度は120km、航続距離は180km。現地価格は11500ユーロ(164万円)とのこと。

発表メーカー:URBET
URBET:EGO
レトロを通り越してクラシックバイクの風格ながら、珍しいサス構造に注目
こちらは同じくURBETの「EGO」。コンセプトモデルのようなとんでもないデザインをしていますが、実は最新モデルではありません。2016年から発売しているEVモデルで、海外では普通に購入可能(!)。メーカーは「スクーター」だと断言していますが、なんだろう……私の知っているスクーターって乗り物とは全然違うように見えます。
一見すると円盤のような謎のボディデザインにやられてしまいますが、注目ポイントはBMWがかつて採用していた「アールズフォーク」的フロント懸架。クラシカルなデザインだけではなく、構造までクラシックにしてしまうとは! 2023年モデル(写真上)ではベージュの新カラーが登場したようです。まるでキャンバス貼りのよう。出力は不明ながら最高速度90km、航続距離120kmで、本国では3,900ユーロ(約56万円)で発売中です。

2016年モデルの「EGO」。横から見ると独特のステアリングがよくわかります。しかもダブルピストンのディスクブレーキだったり、意外と走行性能もあるんでしょうか。

発表メーカー:URBET
VmotoSoco×Pininfarina:次世代電動コンセプト
ホバークラフトのような未来のスタイルは空力最適解をねらう
「何だこれは!」って爆発系芸術家のような声が出てしまったこのバイク(?)は、中国のEVメーカー「VmotoSoco(ブイモトソコ)」と、フェラーリやマセラーティのデザインで有名なイタリア・トレノの「Pininfarina(ピニンファリーナ)」が共同で手掛けた次世代の電動モビリティの姿です。巨大アイロンのような形をしていますが、これはとにかく空力性能に優れた形状をとれば、バッテリーやモーターが発展途中のEVバイクの性能向上につながる……というコンセプトモデル。ホバークラフトのように見えますが、れっきとした二輪車のようです(未確定)。
1930に設立されたピニンファリーナは、フェラーリと共に60年近くの間、自動車の空力性能の最適なデザインを追求してきました。現在は小型モビリティが中心のEVバイクは、遠くない将来こんなスーパーカー由来のデザインをまとったハイポテンシャルマシンになっていくのかもしれません。が、私は某ロボアニメのメカを思い出して興奮してしまいました。未来感最高です。

発表メーカー:pininfarina
つまり意外といいぞ未来のバイク
というわけで色々ピックアップしてみましたが、自分でも驚くべきことに全部EVモデルでした。今年は脱炭素の動きがますます高まってきたこともあり、国内外のメーカーも本腰を入れてEVバイクを投入してきているんですね。個人的には内燃機関の雰囲気も性能も大好きなのですが、こういった世の中の流れは避けがたい状況です。
しかし、こうしてみるとEVバイクも非常に面白いモデルが盛りだくさん。今回紹介できなかったモデルの中にも魅力的なモデルがいくつも発表されています。惜しむらくはデザインやメカニズムの面白いバイクには海外メーカーが多いこと。国産メーカーも全力で新時代のモデルを開発中ではありますが、「何だこれ面白い!」と声が出てしまうような見た目の、遊びのきいたモデルもどんどん発表してほしいところです!
この記事にいいねする