開催中のミラノショー2022にて、MVアグスタが新コンセプトモデル「921S」を発表した。トリコロールカラーのボディデザインは往年の名車「750S」をモデルとしたスタイルながら、新設計の直列4気筒エンジンを搭載し性能面は最新スペック。あくまでもコンセプトモデルのため市販化予定は発表されていないが、細部まで作りこまれた設計からは発売も十分現実的なラインに思えるほど。続報に期待だ。

70年代の「750S」の直線的シルエット、コンセプトを忠実に再現

イタリアのMVアグスタは、戦後から1976年の撤退までの間、レースシーンで高い評価を受けるスポーツモデルを多く手がけてきた。今回登場した「921S」は、そんなアグスタの黄金期にあたる1973年式「750S」をモデルとして、現代水準のネオレトロスポーツとして発表された。

デザイン、カラーリングはモデルである「750S」に忠実で、水平基調のシート、タンクを備える。「ディスコ・ボランテ(空飛ぶ円盤)」と呼ばれた特徴的に張り出したタンクのシルエットも再現。フロントブレーキディスクにさえ、アルミ製ドラムブレーキ風のカバーを備えるなど、そのこだわりは徹底。エキゾーストもショートスタイルながら、エンジン直下からの4本出しというクラシックスタイルへのオマージュとなっている。

しかし、採用するメカニズムは最新水準だ。エンジンは新設計の水冷DOHC直列4気筒、出力115.5HP/10000rpmを発揮。フレームは鋼管トレリスとアルミニウム合金のサイドプレートをそなえ、MVアグスタの最新機に準拠している。メーターはタッチパネル式のラウンドスタイルフル液晶で、LEDのヘッドライトは金属製ステーで支持されている。また、シングルシートとダブルシートへの切り替えを用意にする構造も用意されているようだ。

見れば見るほど高い完成度を見せる「921S」。コンセプトモデルとはいえ、この作りこみからは市販化の可能性を感じさせる。メーカーからの続報に期待しよう!

 

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カラーリングとデザインは「750S」を踏襲しつつ、細部はMVアグスタの最新技術によって構成された「921S」。アグスタファンでなくとも注目は必至だ。

 

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カーボンと鍛造による複合ホイールや、オーリンズ製前後サスペンションを装備。サイレンサーはクラシックスタイルをオマージュした4本出しとなる。

 

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ハンドルはバーハンドルながら、カフェレーサースタイルを志向したという低めの姿勢。灯火類はフルLEDで、ヘッドライトには金属リムと冷却フィンを装備している。

 

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新設計直列4気筒エンジンは115.5HP/7000rpmを発揮。吸気ダクトの改良、高度なレスポンスを実現する新規カムシャフトプロファイル、オリジナルロッド、ピストンなどによりポテンシャルはスポーツモデルとして最先端だ。

 

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1970年の「750S」は、当時最先端の空冷DOHC直列4気筒を採用。レースでも高い実績を残した。「ディスコ・ボランテ(空飛ぶ円盤)」と呼ばれた美しいスタイリングのタンクは、「921S」でもシルエットで再現されている。

 

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イメージビジュアル。その設計は2021年春に開始された。目指したのは単なるレプリカではなく、今後数年のうちに発表されるモデルの前触れだという。

 

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こちらはメーターレイアウトのスケッチ。タンクマウントされた独特の配置となっている。

 

情報提供元 [ MV AGUSTA ]

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