2022年10月31日をもって、1992年から30年に渡り日本のネイキッドスポーツを牽引してきたCB400スーパーフォア(SF)が生産終了になる。一時代が終わる節目にCB400SFの源流を探ってみたい。特に注目したいのは、CB400SFの前身となったCB-1のさらに前のCR-1だ。

CR-1はHRCよりも早くアルミツインチューブフレームを採用

ネイキッドブームを生み出したのは1989年発売のカワサキ・ゼファーと言われているが、それ以前からネイキッドモデルを開発する試みがあったのはご存じだろうか。ゼファーの一か月前にホンダはCB-1を発売しており、これをネイキッドの元祖という声もある。

社会現象になる程のブームを巻き起こしたゼファーに対してCB-1は不発に終わり、ネイキッドブームの立役者は「ゼファー」の功績となったことは説明するまでもないだろう。一旦、ホンダ流ネイキッドに"No"が突きつけられた形だが、1992年発売のCB400スーパーフォアで見事逆転を果たしている。

カワサキとホンダのネイキッドに対するアプローチは正反対と言えるものだったが、その発端は1984年のCR-1にあると筆者は見ている。なんとこれが、HRCが実戦投入する前にアルミツインチューブフレームを取り込み、2スト500ccエンジンを搭載したNSR500ネイキッドとも言える過激なコンセプトだったのだ。

この流れからアルミフレームを採用した1987年のブロス、1988年のVT250スパーダが発売されたと考えられる。カウルレス(ネイキッドの前はこう呼ばれた)モデルにしては過剰な装備と言えるが、"技術勝ち"なホンダらしいアプローチだろう。

CR-1(1984年) [HONDA] 1989年にウェルカムプラザ青山の「MOVE」展に出品されたデザインスタディモデルで実際に市販には至っていない。エンジンはCR500Rの2スト単気筒500ccを搭載する。

BROSプロダクト2(1987年) [HONDA] CR-1のイメージにかなり近いカウルレスはアフリカツインなどで採用された狭角52度Vツインエンジンを搭載して発売された。ヤマハのSRXに近いコンセプトだ。

VT250スパーダ(1988年) [HONDA] 世界初のアルミ鋳造中空一体構造の二輪車用フルキャストフレーム「CASTEC(キャステック)」フレームに90度Vツインエンジンを搭載していた。

ネイキッドに求められていたのは「ありふれたバイク」だった

超最先端だったアルミツインチューブフレームを採用していたCR-1に対し、CB-1はスチール製ダイヤモンドフレームを採用した。ブロスとスパーダのセールス状況から、「アルミは過剰」と判断したと思われる。それでもダイヤモンドフレームやセパレートハンドル、モノサスといったスポーツバイクの基本を踏襲した。

スポーツバイクのカウルレスモデルとして生み出されたCB-1が、ネイキッドの元祖であるゼファーに勝てなかったのは何故か? その答えはCB400SFとの違いで全て説明できるだろう。CB400SFはCB-1より全面的に先祖返りしているのがポイントになる。

CB-1のツインチューブフレーム的な構造のダイヤモンドフレームはCB400SFではダブルクレードルフレームに、セパハンはパイプハンドルに、モノサスはツインショックになっており、昔ながらの普通のバイクのスタイルを再現している。そして、これこそがゼファーが大ヒットした要因なのだ。

ただし、ゼファーは「最後まで営業側から"何かセールスポイントはないのか"と言われる始末だった」(開発者)という惨めな船出だったという。レプリカブーム下で普通のバイクを出すことを貫くのは、たくさんの新技術を盛り込むことよりも困難な仕事だったはずだ。

CB-1(1989年) [HONDA] CBR400RR譲りの並列4気筒エンジンを搭載したこれまでにないカウルレスモデルとして開発された。ゼファーを意識してか、1991年にはセミアップハンドルのタイプ2も追加した。

CB400SF(1992年) [HONDA] 1991年の東京モーターショーに出品された「プロジェクトBIG-1(後のCB1000SF)」コンセプトに基づいて開発された。CB1000SFの400cc版だが、1000より先に発売された。

ゼファー(1989年) [KAWASAKI] Z2を再販する企画から発展し「空冷400ccプライスバイク計画」として製品化された。求めやすい価格も重要な要素だった。ZEPHYRは西風を意味する英語だ。

Z400FX(1979年) [KAWASAKI] ゼファーはZ400FXによく似ており、Z2の代わりにFXが再販されたとも言える。開発者はゼファーを「ただのありふれたバイク」と評したが、全てが新しくなっていく当時では逆に新鮮だった。

【30年後】最後まで生き残ったのはホンダのCB400SF

1989年のゼファーをきっかけに巻き起こったネイキッドブームでは、スズキのバンディット400やヤマハのXJR400など国内4メーカーが次々を新作を投入するほど加熱していったが、後にライダーの高年齢化によるバイク市場の変化や年々厳しくなる排出ガス規制で次々と姿を消していった。

その逆風下でもトップセールスを記録していたCB400スーパーフォアは進化を重ね、初代のNC31や1999年にハイパーVTECが搭載されたNC39、燃料供給がフューエルインジェクションに変更されたNC42の3世代に大きく分けられる。また、NC39/NC42には、スペックI~IIIおよびレボ(REVO)があり、さらにレボにも3種類が存在するなど地道に改良が繰り返され、稀代の名車と言われるに至ったのである。

一方、先駆者のゼファーを苦しめたのは、「空冷400ccプライスバイク計画」の"空冷"の2文字だ。当時は若者だった筆者からすると46PSの最高出力は明らかに物足りなく、その後の排ガス規制への対応でも足かせになった。

そして、最後まで生き延びたCB400SFも2022年10月末で生産を終える。

CB400SF(1992年) [HONDA] 生産終了直前の10月後半に、ホンダ本社に初代CB400SFが展示され、終了を惜しんでいた。次なるモデルはあるのだろうか?

初代CB400SFのカタログには開発者のインタビューがあり、カムギアトレーンをチェーン式にしたことに対して「プロスペックモデルではないってことです」とあっさり。これこそネイキッドの本質を芯で捉えた回答だろう。

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コメント一覧
  1. 匿名 より:

    FX以外は全部リアルタイムなんだな~ゼファー初年度に買いました。すぐに2眼メーターに変わって悲しい思いをしましたw。まだ当時はレプリカの方が断然多くて、ゼファーなんてとろくてやってらんねえ、て感じが普通だったかなと。実際遅かったけどw。スパーダ、CB-1も(いいバイクと思うけど)当時はビミョーな立ち位置だったと思うw
    CB400はホンダだからね。自分の感想言うと平凡でフツー、教習車に興味なし、だったけど。やめずに地道に熟成したホンダが素晴らしいんだと思う。ほかは全部やめちゃったわけだから。

  2. 匿名 より:

    日本独自の規格、400ccを500ccまで引き上げれば、開発·生産コストを抑えられ、業界が活気づくのではないかと思ってる。
    何とかなりませんかね?

  3. 名無し より:

    普通二輪免許(旧中型免許)の上限を500ccに引き上げ、メーカーの開発·生産コストを下げることができれば、業界も活気づくのではないかと思ってる。

  4. 今はヤマハ派 より:

    初めて買って乗っていたバイクはCB400SF(NC31)でした。教習車がCBだったから、というのもあって買いました。まさに記事に載っている黄色いCBでした。
    私にとっては今でもザ.バイク!といえばCBですね。
    大型にステップアップするため、いろんな練習をして、よく転がしたけど、全然壊れない頑丈さはさすがでした。今でもいろんな余裕が有れば一台持っていたいバイクですね~

  5. 匿名 より:

    うわべの話ばかり。型式変わらず触媒搭載するためにエンジン搭載位置まで変わっている車種他にあるのか?他社種知らないだけなのか?
    ただの独り善がりなのか?

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