
11月8日開幕のイタリア・ミラノショーに向けて情報公開が本格化してきた。地元イタリアを本拠地に中国で生産体制を築くヴェロシフェロ(VELOCIFERO)」がジャンプを初公開! ミラノショーで価格を発表し、中国、欧州、米国で発売予定だ。日本での発売は予定されていないが、こんなEVなら欲しい!?
まるでグロムをEVにしたようなコンセプト
ヴェロシフェロは、イタルジェット創業者の一族が創設したモビリティカンパニーで、電動キックボートやEバイクなどをラインナップ。2022年は12万台の生産台数を計画している新興ブランドだ。社名のヴェロシフェロは、1994年に発売されたイタルジェット社のスクーターの名称で、創業のルーツを掲げている。
同車が11月8日のミラショーに向けて開発したのがこの「ジャンプ」で、日本国内では原付2種(51~125cc)に相当しそうなモデル。前後12インチホイールのネイキッドスタイルに縦2眼のヘッドライトはまるでホンダのグロムと言えるスタイルだ。
だが、そのインパクトはグロム以上に強烈。ダイヤモンドフレームやシートレールの独特な構成がそのまま車両外観になるなど、EVならではのシンプルさと未来感に満ち溢れている。ひと昔前であれば、コンセプトモデルで終わりそうなデザインだが、ジャンプは間もなく発売される市販予定車なのだ。

ジャンプ(JUMP) [VELOCIFERO] イタリアンブランドの中国生産モデル。定格出力は3kW(約4PS)、最高出力5kW(6.8PS)なので、日本では軽二輪(126~250cc)に区分けされる。

グロム(GROM) [HONDA] グロムは初代から一貫して縦型ヘッドライトを採用している。タイでデザインされ、ホンダ車の中でも若々しいアグレッシブなスタイルが特徴だ。
最高速は90km/h、5時間の充電で85kmの航続距離
ジャンプのモーターの定格出力は3kW(約4PS)、最高出力5kW(6.8PS)と決して高くないが、最大トルクは172Nm(17.5kg-m)を発揮。ちなみに原付2種規格のヤマハE01は、定格出力0.98kW(約1.3PS)、最高出力8.1kW(11PS)、最大トルク30Nm(3.1kg-m)というスペックだ。
EVとしての性能は、45km/h走行で航続距離は85kmと公表されている。充電時間は4~5時間で、バッテリーは100~240Vの家庭用電源から充電可能となっている。最高速は90km/h、最大登坂斜度は25度以上の走行性能となっている。
サイズは、車重90kg、全長1830mmでグロムより12kg軽く70mm長い。タイヤサイズはグロムと同じ12インチだが、フロントが30mm、リアが20mm細いタイヤサイズとしている。一方で、フロント倒立フォークのインナーチューブ径は33mmとグロムの31mmより太い。
変速機は存在せず、リアのインホイールモーターが駆動する構造なので駆動用のチェーンやベルトもなし。究極にシンプルな車体構成から、ライディングの楽しみがかなり高そう。日本への導入も期待したい一台だ。

バッテリーが着脱式か内蔵タイプかは不明だが、車体構成から内蔵式と思われる。

リアサスペンションはモノサスでリンクなしと思われる。シート下の車名表示が斬新。

フロントビューは超スリム。いかにもヒラヒラ走れそうな印象だ。
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