
日本にはホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキという世界に誇れるバイクメーカーが4社もあるけど、やっぱり欧州メーカーが築いてきた高級感やブランド力も大好き。でもやっぱり輸入車だから、どうしても価格はお高めだし……。なんて考えているライダーに、バリュープライスな欧州メーカー製バイクを紹介。普通二輪免許で乗れる車種もたくさんありますよ!
目次
2023年モデルでの大幅な価格上昇は間違いなし!?
2022年春頃から急激な円安傾向になっている、米ドル/日本円やユーロ/日本円の為替相場。円安は海外からの輸入品が高くなることを意味し、日本では食料品などの相次ぐ値上げによる急激な物価高も問題視されています。しかしバイクの場合、ガソリンなどのように為替相場の変化に対応して年に何度も値上げ……というのはしづらい販売環境。そのため多くの海外ブランドインポーターが(為替の影響を受けているのは日本のメーカーも同じですが)、春以前に設定した価格のまま2022年モデルを販売しています(すでに価格変更されつつ2023年モデルが発表された機種もあり)。
これは何を意味するかというと、為替相場をベースに考えた場合、海外メーカー製の2022年モデルは、その多くがお買い得価格であるということ。その一方で、2023年モデルは確実に価格が上がり、しかもその上昇幅は1~2割程度でもおかしくないということです。そう考えると、2022年秋の段階で新車在庫が残っている海外メーカー製モデルを新車で購入するのは、かなり賢い選択ということになります。
なんて「海外メーカー製モデルをお得に……」ということを考えていると、気になってくるのは「そもそも為替相場を抜きにして、お買い得感のあるモデルは?」ということ。アジア圏のメーカーには、リーズナブルな価格設定のバイクが多いですが、これがヨーロピアンブランドになると、そもそもなかなかお高くて、バリュープライスを探すのは難しい状況にあります。そこで今回は、「憧れの欧州ブランドに安く乗る!」をテーマに、いま買っておくべき新車を考えてみました。
リーズナブルな欧州車をピックアップ
メーカー | 車名 | 価格(円) | 排気量(㏄) |
---|---|---|---|
トライアンフ | スピードツイン900(2023年型) | 1138000 | 900 |
BMW | F900R(2023年型ベース仕様) | 1156000~ | 894 |
ドゥカティ | スクランブラー アイコンダーク | 1089000 | 803 |
ドゥカティ | スクランブラー アイコン | 1166000 | 803 |
トライアンフ | トライデント660 | 993000 | 660 |
トライアンフ | タイガースポーツ660 | 1125000~ | 660 |
KTM | 390DUKE | 735000 | 373 |
ハスクバーナ | スヴァルトピレン401 | 787000 | 373 |
BMW | G310R(2023年型) | 704000~ | 312 |
BMW | G310GS(2023年型) | 774000~ | 312 |
KTM | 250DUKE | 650000 | 249 |
アプリリア | SR GT | 550000~ | 174 |
ランブレッタ | V200スペシャル | 510000 | 169 |
KTM | 125DUKE | 599000 | 124.7 |
アプリリア | RX125 | 440000 | 124.2 |
アプリリア | SX125 | 451000 | 124.2 |
近年はヨーロッパのメーカーも、生産コストを下げられるアジア圏などに工場を構えて、リーズナブルな世界戦略車を開発・生産することが増えてきました。これにより、欧州メーカーのブランド力をある程度維持しつつも低価格化を実現した車種が増加。とくにミドルクラスには、バリュープライス感のあるモデルが多数あります。
日本国内で2022年9月の段階で新車が販売されている欧州メーカー製のバイクは、そのほとんどが2022年モデルですが、一部車種はすでに2023年型が発表され、これに伴ってすでに価格も改定。例えばBMWは、9月9日に多数の2023年を発表していて、デイタイムランニングライトやタイヤ空気圧センサーの標準装備化が図られた車種も多いとはいえ、その車両価格はかなり上がっています。
そんな状況ではありますが、2022年9月段階でのメーカー発表価格をベースにまずは価格が安めの欧州メーカー製バイクを排気量帯別にピックアップ。その中で大型二輪免許クラスから2台、250cc超400cc以下から1台、軽二輪クラスから1台、原付二種クラスから1台を、価格が低いほうから選んでみました。
ドゥカティ・スクランブラー アイコンダーク
憧れのドゥカティが100万円ちょいで狙える
かつてはモンスターシリーズのうち排気量が小さいタイプも、ドゥカティのエントリーモデルとして機能していましたが、現在のドゥカティでその役割を担うのは、空冷Vツインエンジンを搭載したヘリテージ系のスクランブラーシリーズ。バリエーション豊富なスクランブラーですが、そのベーシックモデルとなるのは803ccエンジンのアイコンで、このうちダークはマットな車体色に加えてシンプルな丸型ミラーやメッキ装飾のないヘッドライトリムの採用などで、さらなる車両価格低減も図っています。
欧州バイクメーカーの中でも、プレミアム感が高めのドゥカティ。シンプルな装備の空冷モデルとはいえ、そんなブランドの大型二輪免許クラス新車が100万円ちょっとで購入できるとなれば、お買い得と感じるライダーは多いはずです。
トライアンフ・トライデント660
伝統ある英国メーカーのミドルが100万円以下!
1902年に初めてバイクを製造。第二次世界大戦後、日本車が台頭しはじめる1960年代にかけて大活躍するも1980年代に倒産し、1990年に復活された歴史ある英国ブランドがトライアンフです。近年は、並列または直列の3気筒エンジンと、シリンダーが垂直に立ったバーチカルツインエンジンにこだわりながらラインアップを拡充しています。
そんなトライアンフは以前からあったミドルクラスの水冷並列3気筒シリーズとは別に、タイ生産で価格低減も図ったネイキッドスポーツのトライデント660と、アドベンチャーモデルのタイガースポーツ660を、2021年から展開しています。このうちトライデント660は初期型より価格は上昇したとはいえ、まだ“100万円切り”を実現中。トラクションコントロールやカラー液晶メーターも採用しています。
BMW・G310R
2023年型で約2万円アップもまだ安め
BMWにはベースグレードなら100万円ちょいに設定されている、894cc水冷並列2気筒エンジンを搭載したスポーツネイキッドのF900Rもあるのですが、こちらは2023年型で前年比約8万円の価格上昇。それでも115万6000円~と、排気量やBMWというブランドを考慮したらお買い得感はあるのですが、それならむしろBMWの最安値を……ということでG310Rをピックアップしました。
インド生産のスポーツネイキッドで、エンジンは前方吸気・後方排気を特徴とする313cc水冷単気筒。2021年型でビッグマイナーチェンジが施されましたが、そこからわずか2年で7万円近くも価格が上昇。以前の価格を知っている人には、バリュープライス感が薄いかもしれませんが……。
ランブレッタ・V200スペシャル
イタリアのオシャレスクーターはお手頃価格
第二次世界大戦直後の1947年に最初のスクーターを発表。1970年代に工場が閉鎖され、2017年に復活されたのが、イタリア発祥のスクーターブランドとなるランブレッタです。現在、同じ車体を使った200、125、50の3機種を展開。伝統のスチールモノコックボディを採用しながら、液晶メーターやフルLEDの灯火類など現代的なアイテムも装備してあります。
車体が共通化されているため、排気量が小さくなってもそれほど価格が下がらない代わりに、フラッグシップとなるV200スペシャルでも51万円と、2022年としては比較的リーズナブルな価格設定。ベスパの150系と比較しても安めです。
アプリリア・RX125
原付二種としては高価だけどアプリリア最安値
排気量が小さくても、海外からの輸送コストやインポーターの手間などに変わりはないため、基本的には小排気量帯ほど輸入車の“お買い得感”は薄れますが、その中でも比較的リーズナブルな印象があるのが、イタリア・アプリリア社のRX125です。こちらは、前後21/18インチのフルサイズホイールを採用したオフロードモデル。エンジンは124.2cc水冷単気筒です。
スチール製のツインチューブフレームを骨格とし、倒立式フロントフォークやペタル形状の前後ディスク式ブレーキなどで武装しつつ、中国生産により車両価格を低減。車体の基本部が共通化されたスーパーモタード系のSX125もあり、こちらは45万1000円です。
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