こんにちは! 今週の「WebikePlusスタッフが勧める意外とイイよ」のコーナーです。

安くてカッコいいバイクを買ったので、意気揚揚と仲間に見せたら「ああ……コレ買ったのか……」なんて言われ、その言葉どういう意味!? と思いつつネットで調べたら「壊れやすい」だの「不人気」だのひどい言われよう。

(人気ないってマジかよ……だから安かったのかっ!?バイク屋はいいバイクって言ったのに……)

そんな経験ありませんか? だからってさっさと買い替えるのはちょっと待った。キラキラした大人気車ではなくても、どんなバイクも個性の塊。メーカーが「これは売れるぞ!」と意気込んで開発したバイクたちは、それぞれ独特の魅力を持っているもの。

そこで、人気はどうあれイイものはイイぞ! とゴリ押ししていくのがこのコーナー。人気モデルに乗ってりゃエライ時代は過去のもの、現代こそマイナーバイクを全力でお勧めしたい! と「マイナーバイク好き(自称)」のWebike+スタッフ・西田が独断でピックアップしたモデルを紹介していきます!

ZX-25Rの先祖はカリカリのレーサーレプリカ

今回紹介するのはカワサキ「ZXR250」。1989年のレプリカブーム終盤に登場したこのモデルは、カワサキ発の250cc水冷4気筒エンジンといい、タンク上に飛び出したパイプといい、強烈な印象を残すレプリカマシンでした。
スポーツバイク好きな人にとっては有名なモデルなので、けして「マイナーバイク」というわけでもないのですが、20年以上前の1999年に販売を終了したため、最近バイクに興味を持ち始めた人にとっては見慣れないモデル。「20年前ってか、発売は30年前でしょ……レプリカって言っても、旧車だし大したことないんでは?」なんて思う人もいるかもしれません。

しかしZXR250はその名の示す通り、現在大人気を見せる新車市場唯一の250cc四気筒スーパースポーツ「ZX-25R」のご先祖にあたります。そして2020年に発売されたZX-25Rが、それまで市場になかった強烈なインパクトを引っ提げて登場したのと同じく、ZXR250も同様に当時のハイメカの粋を尽くした、すさまじいモデルだったのです。
ところが、ZXR250が発売された当時は、奇しくもレーサーレプリカブームの終焉にかぶっていました。どういうわけか同年に発売された「ゼファー」の爆発的人気により、二輪業界にはそれまでのスポーツ一辺倒の価値観から、ネイキッドやストリートモデルが主役の時代へ変貌していったのです。

今回はそんな市場のうねりの中でも10年近くの間健闘し、そして現代最新モデルにその名を継いだZXR250の魅力をチェックしていきます!

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1989年発売のZXR250は、250ccクラスではそれまで2気筒モデルを主力としていたカワサキが初めて投入した水冷4気筒モデル。さらにクラス初の倒立フォークや、「K-CAS」「K-RAS」といった独自システムを採用し、レーサーレプリカのライバルモデルと互角の戦闘力を誇った。

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そこまでやるか!? 全力のハイメカ

現代はカワサキ1社のみが販売中の250cc直列4気筒モデル。しかし1989年は、国内4大メーカーのすべてがこれをラインナップしているという非常に贅沢な時代でした。もちろんフルカウルのレーサーレプリカにも、各社ともに技術力を結集して協力なモデルを投入。
スズキからは「GSX-R250R」、ヤマハからは「FZR250R」、ホンダからは「CBR250R(MC19)」と、ことごとく当時の出力自主規制値、45PSギリギリに迫る超高回転エンジンを搭載。耐久レーサー的なデュアルヘッドライトを採用し、当時猛威を振るった2サイクル・レプリカと互角に張り合っていました。

そんな中、カワサキの250ccスポーツモデルのラインナップは2気筒のGPZ、GPXシリーズが主力。カワサキはこれ以前からずっと2気筒エンジンに独特のこだわりを追求しており、だからこそ2気筒モデルの製造をやめることはなかったのですが、さすがにライバルメーカーが全力で4気筒モデルを投入する中、ついに登場したのがZXR250でした。

こういった背景の中で生まれたZXR250。このモデルのために新設計されたエンジンはライバル機とタメを張る出力は45PS/15,000rpmを発揮し、ボディはアルミツインスパーの「e-BOXフレーム」、足回りにはクラス初搭載となる倒立フォークを採用。それでいて車体乾燥重量は141kgという軽量さ。現代から見るとすさまじいスペックです。

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カワサキ初の250cc水冷4気筒エンジンはサイドカムチェーンレイアウトで超高回転を誇った。出力は初期型で45PS/15,500rpmと、当時の自主規制値ギリギリを絞り出す。

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左からスピードメーター、タコメーター、テンプメーターが並ぶメーター回り。もっとも目立つ位置にタコメーターを配置するスタイルは、当時のレーサーレプリカに共通するレイアウトだ。タコメーターの上限は20,000rpmという超高回転を主張する。

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フロントホイールにはダブルディスクブレーキを採用。また、エンジンに続きこちらもクラス初の採用となる倒立フォークを採用。現在こそスポーツモデルに一般的な装備だが、当時はハイメカの筆頭だ。

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タンクは大型で15Lの容量をもち、ツーリングにも苦労はしない。アッパーカウルから延びるパイプが貫通しているのがZXRならではの大きな特徴だ。

当時のバイクブームの中では、人気モデルとはいえすごいペースでモデルチェンジをするのが一般的でした。ZXR250もその例外とはならず、1991年には大きなモデルチェンジを果たしています。外見上の変化は大きく印象を変えた1眼式のツインヘッドライトを採用している点ですが、エンジンも各所が改良を加えられ、出力のピークは16000rpmとさらに高回転化を果たしました。

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1991年にモデルチェンジし、エンジンが改良されスタイルも一新した。写真のモデルは1994年のもので、1眼式のツインヘッドライトが外見の大きな特徴だ。

気になるその「パイプ」はなんですか?

こんなハイスペックを誇るZXR250ですが、現代視点から見ると奇妙なポイントも存在しています。それはタンクの上に飛び出した2本のホース。2眼式の初期型ではアルミ製、後期型では樹脂製のパーツであるこのパイプは、ヘッドライトの上に空いたカウルの穴につながっており、そこからタンクを貫通。シリンダーヘッドの上に開放されています。異様なスタイルなので、「ザクパイプ」とか「洗濯ホース」などと呼ばれることも――。

これは「K-CAS」というZXRシリーズに独特の装備で、クリーンで冷たい空気をカウルの前から吸い込み、高温になるシリンダーヘッドに当てて冷却を行う――という機能のためのパーツ。ちなみに「K-CAS」とは「カワサキ・クール・エアシステム」の略称。ちょっとネーミングに時代を感じますが……実際のところ中空のパイプである、という以上のものではないので、ライダーのなかにはこれを撤去してしまう人もいたとか。しかし、デザイン上の大きなアイデンティティであることは間違いありません。

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ZXR250の外見を決定づける「K-CAS」のホース。アッパーカウルからタンクを貫通し、シリンダーヘッドを冷却する。ちなみに、このパイプはまだカワサキ純正部品として購入が可能だ!(2022/09現在)

また、このパーツはよく「ラムエアシステム」と勘違いされる部分でもあります。ラムエアシステムとは、キャブレターにつながる吸気系統に新鮮な空気を導くシステムであり、これにもカワサキは「K-RAS」と名付けていましたが(カワサキ・ラム・エアシステム……)ZXR250の場合はサイドカウルの下部にその吸気口があり、パイプとは別の経路となっています。

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勘違いされやすいラムエアシステムの吸気口は、アンダーカウルの真ん中に存在する。走行風を圧力を活かしてエアクリーナーにダイレクトに送り込むシステムだ。

つまり意外といいぞ「ZXR250」

こんなハイメカ・ハイポテンシャルを発揮したZXR250は、冒頭にも伝えたとおりけっして不人気モデルなどではありませんでした。ところが活躍した時代が、不運にもレプリカブームの終焉と重なってしまったがために、現代ではその派生モデルのほうが有名になってしまっている、という残念さは間違いありません……その派生モデルとは、現在でも250cc直列4気筒ネイキッドの筆頭として人気を誇る「バリオス」でした。なんとバリオスのエンジンは、このZXR250のものをベースとしているのです。このためクラシカルな外見に似合わない、超高回転のエンジン性能を持っているモデルとなったのでした。しかし、そのハイメカに裏付けされた高性能に魅了されたライダーは今なお沢山います

つまりZXR250とは、

・最終世代のレーサーレプリカであり、ライバルと互角の戦闘能力

 

・当時の技術の粋を尽くした、豪華で全力なメカニズムを装備

 

・謎のパイプがお茶目だが、これもまたカワサキの技術の一端だった

という、「意外といい」バイクなのでした。そして1999年に生産を終了したZXR250なのですが、2000年に登場したZX-25Rの型式を見て、かつてのZXR250を知る人々は驚いたと思います。「ZX250D」という型式を最後にしていたZXRシリーズですが、ZX-25Rの型式は「ZX250E」……メカニズムは大きく異なりますが、11年の時を経て復活したZXR250こそが、ZX-25Rなのでした。

ZXR250諸元(1991)

全長 (mm) 2000
全幅 (mm) 685
全高 (mm) 1090
重量 (kg) 141
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC並列4気筒
総排気量 (cm3) 249
最高出力 (PS/rpm) 45/16,000
最大トルク (k-gm/rpm) 2.5/11,500
燃料タンク容量 (L) 15.0
変速機形式 6速/リターン式
タイヤ 110/70R17
140/60R18
ブレーキ 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
写真協力:レッドバロン

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