
ベース車の特徴であるレトロテイストをより強調したモデル
2018年の東京モーターショーのステージには、ドレミコレクションとビトーR&D、そしてモトコルセが手掛けたカスタムマシンが展示され、カワサキはカスタムベースとしてのZ900RSの魅力を存分にアピールしていた。その影響もあってか、Z900RSはカスタムシーンでも注目されており、上記3社以外にもZ900RSのカスタムマシンを製作、ここで紹介するKファクトリーのZ900RSもその一台だ。
Z900RSのデザインテーマの一つに“レトロなスタイルの提唱”が挙げられる。Kファクトリーは、そのレトロな雰囲気をより強調すべく手を加えた。最優先したのはスタイリングだ。同社代表の桑原裕志氏は、このZ900RSはネオクラシックのスタイルを意識したコンセプトモデルと言い切る。このコンセプトをもとに、採用するパーツを選択してきた。
ネオクラシックスタイルのイメージを強調させるために取り組んだポイントの一つが、前後サスペンションの変更だ。フロントフォークはノーマルの倒立タイプから正立タイプに変更し、リヤショックはノーマルがモノショックなのに対して、同社はツインショックを採用する。サスペンションは機能系パーツであるが、Z900RSは倒立フロントフォークとモノショックの組み合わせだけに、カスタムにてクラシックスタイルを追求する際、これらを変更することはスタイル面にも多大な影響を及ぼす。
ここまでスタイルについて触れたが、性能面を度外視しているわけではなく、当然のことながら考慮している。その一つが軽量化だ。ホイールにBSTのカーボンホイールを採用することで、バネ下重量を大幅に軽減し、軽快なコーナリング性能の向上をねらった。また、スイングアームをオリジナルのアルミ製としたり、ブラケットも同社オリジナルのアルミ製とし、車体の剛性UPおよび軽量化を実現している。
さて、このZ900RSには同社オリジナルパーツがふんだんに採用されているが、すでに市販されているパーツも多い。フェンダーレスキットやラジエターコアガードといった外装パーツだけでなく、ステップやスイングアーム、サイレンサーやエキゾーストパイプも市販されている。ここにきて、Z900RSのアフターパーツをラインナップするアフターパーツメーカーが増えてきたが、なかでも同社はZ900RS用アフターパーツのラインナップ数が多いのではなかろうか。
このように、多くの箇所が変更されているこのZ900RSだが、見た目に派手さはなく、シンプルに仕上がっている。これもまた、Z900RSのデザインコンセプトの一つである“シンプルで洗練されたデザイン”を活かした結果といえるだろう。
カスタムパーツギャラリー

非常に多くの箇所に手が加えられているこのZ900RSだが、丸型ヘッドライトやテールランプなど、レトロ感を演出するような箇所は純正のままとしている

正立フロントフォークとツインショックを採用することで、クラシカルな雰囲気を演出している。多くの箇所に手を加えながらも、派手さを抑えたスタイリングとなっている

ノーマルのモノショックをツインショックへ変更。採用したのはハイパープロのツインショックだ。スイングアームはサス受けを設けた同社オリジナルを採用した

リヤショックをモノショックからツインショックに変更するにあたり、ショックアブソーバーを受けるガセットをシートレールに設置。マフラーのステー受けも兼用

このZ900RSのカスタムポイントの一つがフロントフォークだ。採用したのはハイパープロの正立タイプで、Z900RSのクラシカルなイメージを大切にしている

同社オリジナルのトリプルツリー。変更された足まわりの剛性を確保。ハンドルにはマジカルレーシングのカーボン製を採用し、ホイールの軽量化と合わせて軽快なハンドリングを追求

一部にカーボンパーツを採用しており、フロントフェンダーもカーボンパーツに変更する。採用したのはマジカルレーシング製で、軽量化とドレスアップに貢献している

テールカウルを覆うように装着されている同社オリジナルのプレート。金属の質感を演出している。テールカウルを外部からの接触で傷付くのを防ぐ効果もある

レバーガードとレバー、そしてリザーバータンクキャップは同社オリジナル。いずれもすでに市販されているパーツだ。カラーリングも数種類がラインナップされている

同社オリジナルのアルミ削り出しパーツを多数採用。エンジンハンガーやスプロケットカバーもその一つだ。ともにすでにラインナップしていて、シルバーとブラックを用意

同社オリジナルのラジエターコアガード。ステンレス製で、タイヤからの巻き上げ物が多い中央部は網目を細かくして、ラジエターコアを異物から保護する

マフラーは同社オリジナルのエキゾーストパイプと、同じく同社オリジナルのカーボンサイレンサーを組み合わせている。すでにラインナップしているパーツだ

ステップも同社オリジナルのモノ。デザインはZ900RSのシンプルなスタイルを損なわないように、落ち着いたものとなっている。こちらもすでにラインナップしている

スイングアームは同社オリジナルの目の字断面スイングアームとし、リヤショックマウントを設置した。アクスルホルダーはモノブロックから削り出して製作している

ノーマルでも制動力が十分なフロントブレーキだが、同社はキャリパーとローターを変更。フロントフォークなどを交換した都合上、ラジアルマウントからサイドマウントに変更

ホイールは前後ともに、マジカルレーシングがラインナップしているBSTのカーボン製を採用。ホイールをかなり軽量化することで、コーナリングに軽快感を持たせた
「Z900RS by Kファクトリー」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 948㎤ |
---|---|
エキゾーストシステム | Kファクトリー |
ハンドルバー | マジカルレーシング |
ステップ | Kファクトリー |
ホイール | BST |
Fブレーキ | キャリパー:ニッシン4ポット |
ローター:サンスター | |
Rブレーキ | キャリパー:ブレンボ2ポット |
Fフォーク | ハイパープロ |
ブラケット | Kファクトリー |
Rショック | ハイパープロ |
スイングアーム | Kファクトリー |
ミラー | ドレミコレクション |
エンジンハンガー | Kファクトリー |
ドレンボルト | Kファクトリー |
ハンドルクランプ | Kファクトリー |
フロントフェンダー | マジカルレーシング |
マフラーステー | Kファクトリー |
リザーバータンクキャップ | Kファクトリー |
テールカバー | Kファクトリー |
情報提供元 [ カスタムピープル ]
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