
文/Webikeスタッフ:アキヒト
目次
【ヤマハ YZF-R25】
ディテール&試乗インプレッション
性能や装備のグレードアップが激化する250ccスポーツモデルの中で、マイナーながら初めてモデルチェンジが行われたYZF-R25。生まれ変わった車体はガラッと雰囲気が変わり、当然注目度も高いものでした。
ヤマハのMotoGPマシン「YZR-M1」やフラッグシップモデル「YZF-R1」のようなフロントマスク、新たに採用された倒立フォークなど、目を惹くところが満載です!
今回、YZF-R25とYZF-R3の試乗機会がありましたので、それぞれ乗り比べてみました。
まずは、YZF-R25からインプレをお届けいたします!
その姿はMotoGPマシンのよう
【全長/全幅/全高】
2,090mm/730mm/1,140mm
【車両重量】
167kg(ABS:170kg)
新旧比較してみると、まず目を引くのはフロントマスク。MotoGPに参戦しているヤマハのマシン「YZR-M1」や、フラッグシップモデル「YZF-R1」を彷彿させるデザインへと変わりました。従来モデルよりも鋭くなった眼光がカッコイイですね!
新設計のスクリーンやカウル中央部にはM字型のダクトを採用するなど、フロントマスクは一新されました。
新型カウルには「クロスレイヤード・ウイング」を採用しており、空気抵抗を低減するだけでなく効果的にエンジンを冷却します。さらに、サイドカウル後方についたウイングはダウンフォースをもたらしてくれます。
ハンドルやタンクも従来モデルよりも位置が下がり、よりスポーティーなポジションへと変わっています。
車体後方にかけて大きな変更点は見当たりませんが、これだけフロントの印象が変わると別のバイクのようですね。
足つき
【シート高】
780mm
【足つき】
シート高は従来モデルと変わらず780mmなので、足つきは比較的良好です。
足つきに不安のある155cnのスタッフが跨ったところ、つま先立ちになりますが両足とも着きました。
ハンドル位置が下がったことでポジションもキツくなるかと思いましたが、窮屈になることも無く、楽なポジションで走れました。
アグレッシブなLEDヘッドライト
【ヘッドライト】
新たに採用されたLED2眼ヘッドライトは、睨みを利かせたようなデザインとなり、よりアグレッシブさを表現しています。
中央のM字型ダクトは、一見するとラムエアの吸気口かと思いきや、ラジエーターに走行風を送り込む役割をしていました。
テールライトは従来通りのLEDとなります。
【テールライト】
フル液晶でよりレーシーに
モデルチェンジにより新たに採用されたフル液晶メーターは、タコメーターもバーグラフタイプに。バーが細かく設定されているので細かいスロットルワークにも対応しています。燃料系や水温計、シフトインジケーターも引き続き表示されています。視認性だけでなくよりレーシーになったメーターは、いつまでも見ていたくなりますね。
肉抜きされたトップブリッジが美しい
ハンドル周りはアクスルブラケット、アンダーブラケット、トップブリッジを新設計としています。特に目を惹くのが、YZR-M1を彷彿させる肉抜き加工されたトップブリッジ。フル液晶メーターと相まって、コクピットをよりレーシーに演出しています。
ハンドル位置も従来のトップブリッジ上からトップブリッジ下にマウントされたことにより、22mmのダウンとなりました。
併せてハンドルスイッチも改良・コンパクト化され、キル・セルスイッチ一体式、ハザードランプスイッチを新たに装備しました。
倒立フォークは伊達じゃない
フロントマスクと共に変更された足回りには、37mm径インナーチューブの倒立式フロントフォークを新採用。倒立フォークによる高剛性化と、バネ下重量の軽減化を果たしています。フォークの形状変更に併せて、減衰力とバネレートも適切な物に見直しされています。
一見すると「正立フォークと倒立フォークを入れ替えただけでしょ?」と思われるかもしれませんが、高剛性化、軽減化は、旋回時やブレーキング時のハンドリングやフロントタイヤの接地感を良好にしてくれています。
ホイールやブレーキに大きな変更点はありません。
今回の試乗車は、ブレーキ時に車輪のロックを抑制するABS搭載車となります。
高回転でさらに気持ちいいエンジン
最高出力:26kW(35PS)/12,000r/min
最大トルク:23N・m(2.3kgf・m)/10,000r/min
水冷DOHC直列2気筒4バルブ249cm³エンジンは、従来モデルと同じく最高出力35PSとなります。今でこそライバルのCBR250RRやNinja250にパワーは劣るものの、後発なだけあり、燃料マップの熟成により高回転エンジンの加速やレスポンスをより楽しめるようになっています。もちろん、ストリート走行を考えて低・中回域も扱いやすくなっています。純正のショートマフラーも歯切れの良い排気音が、高回転で気持ちよく響きます。
よりスポーティになったタンク
タンク容量:14L
タンク容量は従来モデルと同じく14Lとなりますが、タンクカバーのデザインが見直されたことで、よりスポーティなルックスとなりました。
機能面でもタンクキャップ位置を従来比で20mmダウンしたことで、体の伏せやすさとホールド性が向上しています。
自由度の高いシート
シートデザインに大きな変更はありませんが、自由度の高さは変わりません。
シート下の収納スペースも、ETC車載器や書類が積める程度のスペースとなります。
車載工具はシートの裏側に備え付けられていました。
気になる販売価格は!?
メーカー希望小売価格(消費税10%込み)
・YZF-R25 ABS:654,500円
・YZF-R25:610,500円
※2019年10月現在
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まとめ
フロント周りが劇的に変化したYZF-R25。もちろん、走りの面でも違いを感じることができました。
まずはポジション。従来モデルよりもハンドル位置が下がったことで、ストリートで乗りにくくなるかなと思いましたが、むしろ良くなったと感じます。元々従来モデルのポジションが窮屈に感じていたので、程よく下がった新型のポジションの方が個人的にはしっくりときました。タンクの高さも下がり伏せやすくなったことで、よりスポーツライディングを楽しめそうです。
ハンドリングもさらに向上。倒立フォークによるバネ下重量の軽減と、ハンドル位置の変更により、切り返しや旋回面がよりスムーズに感じられました。ただ、元々ハンドリングは申し分なかっただけに、ストリートでは違いを感じる機会が少ないかもしれませんね・・・
メンテナンス面でも構造上倒立フォークは正立フォークよりも手間がかかるため、オーバーホールの費用は上がってしまいそうです。
エンジンについては据え置きとなるため特に変化はありませんが、改めて高回転まで気持ちよく回る良いエンジンだなと感じました。レッドゾーンが14,000からの高回転なので、上まで引っ張った時の加速は250ccながら「キモチイイ!」の一言です!
ただ、従来モデルから気になっている部分として、6速100km/hの高速巡航時に回転数が7,000前後と高めなところです。メーター上ではレッドゾーンから半分くらいの回転数なので余力があるように見えますが、思った以上にエンジン音が感じられて、エンジンが頑張っているような印象を受けました。高速道路を使ったロングツーリングなどでは、気になる方も多そうですね。
走りもルックスもより洗礼された新型YZF-R25。気になる方は、是非ショップでチェックしてみてくださいね!
YZF-R25 主要諸元
*〈 〉内は「YZF-R25 ABS」
認定型式/原動機打刻型式 | 2BK-RG43J/G402E | |
---|---|---|
全長×全幅×全高 | 2,090mm×730mm×1,140mm | |
シート高 | 780mm | |
軸間距離 | 1,380mm | |
最低地上高 | 160mm | |
車両重量 | 167kg〈170kg〉 | |
燃料消費率*1 | 国土交通省届出値 定地燃費値*2 |
37.7km/L(60km/h) 2名乗車時 |
WMTCモード値(クラス)*3 | 27.2km/L(クラス3、サブクラス3-2) 1名乗車時 | |
原動機種類 | 水冷・4ストローク・DOHC・4バルブ | |
気筒数配列 | 直列2気筒 | |
総排気量 | 249cm3 | |
内径×行程 | 60.0mm×44.1mm | |
圧縮比 | 11.6:1 | |
最高出力 | 26kW(35PS)/12,000r/min | |
最大トルク | 23N・m(2.3kgf・m)/10,000r/min | |
始動方式 | セルフ式 | |
潤滑方式 | ウェットサンプ | |
エンジンオイル容量 | 2.40L | |
燃料タンク容量 | 14L(「無鉛レギュラーガソリン」指定) | |
燃料供給方式 | フューエルインジェクション | |
点火方式 | TCI(トランジスタ式) | |
バッテリー容量/型式 | 12V,7.0Ah(10HR)/GTZ8V | |
1次減速比/2次減速比 | 3.043(70/23)/3.071(43/14) | |
クラッチ形式 | 湿式、多板 | |
変速装置/変速方式 | 常時噛合式6速/リターン式 | |
変速比 | 1速 2.666/2速 1.882/3速 1.454/4速 1.200/5速 1.037/6速 0.920 | |
フレーム形式 | ダイヤモンド | |
キャスター/トレール | 25°00´/95mm | |
タイヤサイズ(前/後) | 110/70-17M/C 54S / 140/70-17M/C 66S (前後チューブレス) | |
制動装置形式(前/後) | 油圧式シングルディスクブレーキ/油圧式シングルディスクブレーキ | |
懸架方式(前/後) | テレスコピック/スイングアーム | |
ヘッドランプバルブ種類/ヘッドランプ | LED/LED |
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