
バイクのエンジンは、排気量がデカければいいというわけでも、速いとかパワーがあるとか高性能というわけでもありません。それでもやっぱり、「大きなエンジンのバイクに乗りたい!」と心の隅で考えてしまうのも人情というもの。デカければ、旅先のパーキングで遭遇した「このバイク何ccなの?」オジサンにも、胸を張って排気量を答えられます。今回は、量産二輪車の最大排気量を調査しました。
目次
2022年モデルの量産二輪車に限定して比較
バイクのエンジンは厳格な取り決めがあるわけではないとはいえ、日本では400~900ccあたりがミドルクラス、それ以上がビッグバイク扱いとなることがほとんど。少なくともリッタークラスなら、「大きなバイク」と認識されることが一般的です。
でも世界には、もっと大排気量のバイクも多数あります。小規模生産メーカーには、米国ボスホスのように、クルマのエンジンを転用した水冷V型8気筒で6200ccなんてモンスターバイクも……。しかしボスホスは、1990年の創業からこれまで30年以上で、1万台に満たない程度の生産規模。生産はハンドメイドに近く、量産二輪車と呼ぶにはだいぶムリがあります。また、そもそもエンジンはクルマ用がベースです。
今回はバイクメーカーとして一般的に認知され、2022年8月の段階で新車が販売されている量産二輪車に限定して、「最大排気量を誇るバイク」を調べました。とはいえバイクの場合、同じエンジンが複数の車種に使用されることは多々あります。そこで、同型エンジンは1つとしてカウント。つまり、バイク専用に開発されたエンジンの中で、どれが最大排気量なのか……というわけです。
トライアンフ強し。クルーザー系が上位独占!
メーカー名 | エンジン | 排気量(㏄) |
---|---|---|
トライアンフ | ロケット3シリーズ | 2458 |
ハーレーダビッドソン | ミルウォーキーエイト117 | 1923 |
インディアン | サンダーストローク116 | 1890 |
ハーレーダビッドソン | ミルウォーキーエイト114 | 1868 |
ホンダ | ゴールドウイングシリーズ | 1833 |
BMW | R18シリーズ | 1801 |
インディアン | パワープラス | 1767 |
結論から言うと、量産二輪車の最大排気量に輝いたのはトライアンフのロケット3シリーズ。こちらは、排気量2458ccの水冷直列3気筒エンジン(=クランク縦置き)を搭載したクルーザーです。現行モデルは、フルモデルチェンジを受けつつ2019年に新登場。このときに排気量も拡大されたのですが、じつは2004年にデビューして2016年に生産終了となった初代も、2294ccで量産二輪車世界最大排気量を誇っていました。つまり、途中で3年ほどブランクがあるものの、この20年近くはずっとロケット3が1位だったわけです。
ちなみにランキングを見てみると、上位はクルーザーが独占しています。排気量が大きくなると、エンジンの重量が増加。つまり車体は重くなり、バイクの運動性能にはマイナスとして働きます。一方で馬力は、排気量が大きいほうが増やせる余地があるとはいえ、高回転化すれば馬力はある程度まで高められます。そこでスポーツバイクの多くは、やたらに排気量を増やさず、車重を抑えながら高回転化やフリクションロスの低減などを徹底することで、高性能化しています。
ですがエンジンのトルクは、基本的には排気量に比例して大きくなります。低回転域からモリモリと力が湧くような特性は、クルーザー系との相性が抜群。結果、排気量ランキングの上位はクルーザー系ばかりになったのでしょう。
ちなみに、ランキングではトップ7に唯一ホンダのゴールドウイングが入っただけで、残りはすべて外国車。かつてはヤマハやスズキやカワサキも、かなり大きな排気量のバイクを生産していました。国内4メーカーが量産したバイクで過去最大排気量を誇るのは、カワサキのVN200(バルカン2000)。すでに生産は終了されていますが、もしも現在まで生き残っていたらランキング2位となる、2053ccのVツインエンジンを搭載していました。さすが、漢カワサキ。デカさにこだわった時代もあったんですねえ!
<量産二輪車トップ>トライアンフ「ロケット3シリーズ」エンジン

トライアンフのロケット3シリーズのエンジンは水冷直列3気筒で排気量は2458㏄。写真はロケット3R
元々世界トップだったのに、さらに記録更新
以前から量産二輪車の世界最大排気量を誇ってきた英国生まれのクルーザーがロケット3シリーズ。2019年にフルモデルチェンジを受けつつ約3年ぶりの復活を果たし、この際に縦置きクランクの水冷直列3気筒エンジンが、2458ccにまで排気量拡大されました。
排気量に比例して増える傾向にある最大トルクは221Nmと、こちらも2位以下を圧倒。ちなみに最高出力は167馬力と、トルクだけでなくパワーも強烈です。これを受け止めるリヤタイヤは240幅。スポーティクルーザーとしてミッドコントロールフットレストのR、快適なツアラー系としてよりローシートなGTが用意されています。
<量産二輪車2位>ハーレーダビッドソン「ミルウォーキーエイト117」エンジン

ハーレーダビッドソンの「ミルウォーキーエイト117」エンジンは空油冷V型2気筒で排気量は1923㏄。写真はストリートグライドST
通常生産モデルもついに2000ccが目前!
米国……いや世界を代表するクルーザーメーカーでもある米国のハーレーダビッドソンは、これまでも空冷の大排気量Vツインを多用してきました。2022年のラインアップで、その最大排気量かつ歴代ハーレー量産車の最大排気量を誇るのが、ミルウォーキーエイト117と呼ばれるエンジン。こちらは2018年にデビューしましたが、2021年まではCVO(カスタム・ヴィークル・オペレーション)というメーカーメイドのカスタム車のみに使われていました。
しかし2022年には、通常モデルとなるローライダーS、ローライダーST、ストリートグライドST、ロードグライドSTにこのエンジンを採用。2021年まで、ローライダーSなどに採用されていた1868ccのミルウォーキーエイト114が通常モデルの最大排気量でしたが、ついに1900ccを超え、2000ccに迫ってきました。
<量産二輪車3位>インディアン「サンダーストローク116」エンジン

インディアンの「サンダーストローク116」エンジンは空冷V型2気筒で排気量は1890㏄。写真はスーパーチーフリミテッド
四捨五入だと115キュービックインチ
米国最古のモーターサイクルメーカーであるインディアン。その最大排気量となるのが、サンダーストローク116と呼ばれる挟角49度の空冷Vツインエンジンです。ハーレーのミルウォーキーエイトと同じく、エンジン名の末尾にある数字は排気量をキュービックインチ(ci)で表したもの。ちなみに1ciは16.378ccなので、1890ccのサンダーストローク116は約115.398ciということになります。
さて、1810ccだった以前のサンダーストローク111から、さらに排気量が拡大されたこのエンジンは、2020年からロードマスター系やチーフ系に採用されています。このエンジンがデビューした段階では、CVO以外のハーレーよりもインディアンのほうが大排気量を誇っていましたが、ライバルのハーレーが2022年にミルウォーキーエイト117を通常モデルにも採用したことで、再び抜かれることになりました。とはいえ、その差はわずか33cc。ハーレーとインディアンの最大排気量バトルはまだまだ続く……かも!?
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いい感じに2人ともキモくて好き
きしょくって草
ロケット3Rは安定感あるし見た目と違ってヒラヒラ曲がってくれる良いバイク!
だが夏場がマジで熱い手放そうかと考える程熱かった
ボスホスの話をするなら8000ccもあったはずやが。
へたくそほど大きさを信仰する
8200CCコルベットエンジンかな?
ガスタービンエンジンのバイクがあったな
排気量とは言わないのだろうが さぞかしパワーがありそうやな
日本では認可がおりず 走れないようやが
激しく同意。
そっちにばっかり血液がイくから頭はスッカスカかな?
バイク記事ってネタがないもんだから、誰も乗らないような外車よいしょばっかり(笑)
平和やな
カワサキのVN2000は、20世紀、「Vツインは排気量が2000ccを越えたらアイドリングしない」と言われていた事に対するアンチテーゼとして作られた。
「そんなの技術の問題じゃね~?」の形がVN2000。カワサキ、マジリスペクトだわ!!
HONDAのワルキューレも今はないのか、ゴールドウイングのエンジンやったかな?
ワルキューレもカッコよかったですよねぇ!
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アマゾネスも、最早中排気量かー
VMAXも乗ったけどカブ50でも充分楽しいのである。見栄で乗って大ケガするよ。
デカイとか重いとか扱いにくい買えないの前に普通の人が冷感時からのエンジン始動が難しいと言うのは知られていないんですね。
日本の道なら高速含め750cc前後がベストだろうね。
かつて「トナリの車が小さく見えま〜す」というコマーシャルがあったように、「俺の方がデカい」と言ってみたいのが人の性(さが)なのかな。
オイオイ、あっちの話じゃないよ!