
海外シーンに感銘を受けた、威風堂々のカフェスタイル
直列6気筒という、長いバイク史にあってもごくわずかな採用例しかない希少なエンジン形式を採用するCBX(1000)。そのCBXカスタムで知られるリモーションが手がけたのがこのマシンだ。
イメージしたのは海外のカスタムシーンで見られるカフェレーサースタイル。シングルシート、倒立フロントフォーク、片持ちスイングアームで現代のスポーツテイストを盛り込みつつ、それでいてスポークホイールでレトロ感を演出するスタイルを重視している。こうした全体の構成はオーナーの意向を最大限反映させつつ、同社・横川代表が存分に腕を奮った内容だ。
前後足まわりは基本的にドゥカティ1098からの移植。フロントフォークを支えるブラケットは同社ワンオフ品になる。極太の片持ちスイングアーム装着に際してはリヤショック取り付け部の新造を含めて、シートレールもすべて作り直しとなった。合わせてシングルシートも新規製作されている。ホイールは前後ともキネオ(KINEO)製のドゥカティ対応品だが、CBXへの採用例はこれまで同社にもなく、細かな位置合わせなどは現物合わせでの対応になったとか。
特徴的な6-6エキゾーストシステムも同社ワンオフ品。合わせてキャブレターもオーバーホールを行なったうえでリセッティングし、適正な燃焼効率を生み出した。
流用パーツをどう車体に合わせるかはすべて現物合わせで、そのあたりは同社のノウハウを総動員。その結果、オーナーも大満足となる唯一無二の6発カフェが完成したのだ。
カスタムパーツギャラリー

[カスタムポイント]マフラーの角度はオーナーのこだわりでもあり、どうしても現状の角度にしたかった。しかし、そのためにはサイドスタンドのマウントが邪魔になる。そこでサイドスタンドマウント部やリヤショックのリンク受部を切除・スムーシング処理。サイドスタンドステーをワンオフしてエンジン側に移設し、ドゥカティ1098用サイドスタンドを取りつけている

セパレートタイプのハンドルはジータ(ZETA)で、デジタルメーターはコーソー製とし、シンプルなコックピットを構築。こういったパーツチョイスはオーナーの意向が大きく反映したパートだ

フロントフォークなどフロントまわりは基本的にドゥカティ1098。しかしブラケットは車体姿勢の適正化と長さを稼ぐために、同社でワンオフしたモノとなる

タンクは実は純正品。当初は塗装を除去して地金にクリアにしたいというオーナーの意向だったが、サビやすいことから地金に近い色でペイントし、金属の質感を演出している

リヤショックの取り付け部を新造する必要があったうえ、カフェレーサーイメージにするためシートはシートレールからワンオフされている。配線類もキレイに処理されている

CBXなど70年代車のバッテリーは鉛バッテリー。装着の自由度を得るために小型化できるリチウムバッテリーに交換し、レギュレーターも同社製対応品に交換した

同社は6-6ステンレスマフラーを市販しているが、このマフラーはこの車両専用にすべてチタンでワンオフ。オーナーの理想形を具現化すべく、形状や角度など各部分は徹底的にこだわり抜いた

キネオ製スポークホイールとドゥカティ1098スイングアームを組み合わせたリヤまわり。当然CBXのチェーンラインとボルトオンではないので、同社で細かな修正を行なっている
「CBX by リモーション」の主なカスタム内容
エンジン総排気量 | 1,047cm3 |
---|---|
エキゾーストシステム | ワンオフ |
電装系 | レギュレーター:リモーション |
ホイール | (F)キネオ 3.50-17 (R)キネオ 6.00-17 |
タイヤ |
(F)ピレリ ディアブロロッソコルサⅡ 120/70-17 (R)ピレリ ディアブロロッソコルサⅡ 190/55-17 |
Fブレーキ |
キャリパー:ブレンボ4ポット、ローター:ブレンボ マスター:ブレンボ ラジアルポンプ |
Fフォーク | ドゥカティ1098 |
ブラケット | ワンオフ |
Rショック | オーリンズ |
スイングアーム | ドゥカティ1098 |
ハンドル | ジータ |
シート | ワンオフ |
メーター | コーソー |
情報提供元 [ カスタムピープル ]
この記事にいいねする