速いとか遅いとか、排気量がデカいと小さいとか、バイクの魅力ってそれだけじゃあない。
靴や服を着こなすのと同じ感覚で、老若男女がファッションとして気軽に乗れる。それがストリートバイクだ。
休日の昼下がり。お気に入りの服を着て、軽量コンパクトな愛車で心地よく街を流す。
いつものカフェに寄ってから、以前から気になっていたあの店まで行ってみようか・・・なんて、のんびりしていて楽しそうな休日が目に浮かぶ。
各車種ともにカスタムパーツは多く、チョッパー、ボバー、クラシック、ダートトラッカー、カフェレーサー、ビンテージモトクロス・・・など、自分のファッションや好みに合わせてカスタムの方向性を決め、思うがままにイジっていくのも非常に楽しい。
高い趣味性を持つストリートバイクだからこそ、気負わず、気ままに長く付き合っていける。
今回は普通二輪免許で乗れる、人気のストリートバイク4車種をご紹介!
目次
KAWASAKI 250TR 新車・中古車をさがす
ビンテージオフロード車のようなスタイルが、初代250TRバイソンを彷彿とさせる。その外観から「オフロードもガンガン走れるのかな?」と思う人もいるようだが、残念ながらバイソンと比べるとオフロードの適正は低い。
現行車には少ない各部の鉄パーツや、純正キャラメルブロックタイヤが味わい深い印象を与えてくれる。
純正タイヤは耐久性は良いがグリップ感は低めでロードノイズが大きめ。気になる方は別のタイヤへ履き替えてしまってもよいだろう。
取り回しに関しては、車高も重心も低く安定感があり、押し引きも安定している。
シートの真ん中あたりから後端にかけて前下りの傾斜がついているため、運転者の背中にくっつきやすい。できれば男同士のタンデムは避けたいところだろうか(笑)
エンジンのフィーリングは「穏やか」。トルクフルで扱いやすいのだが、悪く言えば「もっさりエンジン」。
2007年以降のインジェクションモデルではインジェクションに関わる悪評も聞くので、購入の際にはバイクショップ店員に様子を確認するか、2006年までのキャブ仕様車から選んでも良いだろう(エストレヤは2014モデルで構成部品を変更して解消された)。
SUZUKI GrassTracker 新車・中古車をさがす
前後ホイールを1インチ拡大したグラストラッカービッグ
ボーイとともに、スズキのトラッカー系バイクとして若者を中心に人気を誇った。
ユーザーからの声に耳を傾けるかのように度々行われたマイナーチェンジにより、薄くてお尻が痛くなりやすかったシートが厚くなったり、タンク容量が増されるなど改善が行われてきた。燃費も良くて(40km/L以上)車体もリーズナブル、シンプルな構造のエンジンはタフで壊れ難く本当に財布に優しいバイクだ。
バランサー付きで振動が少なく高速道路でも嫌な振動はしないが、最終モデルでもタンク容量が8Lと少なめ。長距離ツーリングは得意ではない。
2本サスということもあり、チョッパーやカフェレーサーのようなスタイルにしてみるなど、幅広い改造が楽しめるのも魅力だ。
中古車を探す際には、キャブとインジェクションの違いや、新・旧でエキパイの数が異なるなどの年式による変化も見ながら検討してみると面白い。
YAMAHA TW225 新車・中古車をさがす
車種名のTWは「Trail Way」が由来で「道なき道を走破する」をコンセプトにデビューした。
一応はオフロードバイクという位置づけではあるが、極太リアタイヤ&オフロードバイクにしては低めのシートが物語るように、モトクロッサーやエンデュランサーという定番ジャンルとは明らかに異なった路線のバイクになっている。どこかのジャンルに属するというよりも「TW」という確立したジャンルを持っていると言えるだろう。
人気TVドラマに登場したこともあり、一時は入荷待ちになるほど爆発的な人気を博したことでも知られている。
中古車の流通数は多く、ドレスアップされた車体も多く見られる。
旧オーナーの所有スタイルによっては完調ではないこともあるため、信頼のおけるショップで購入することをお勧めする。
ユーザーや市場のニーズに応えるように進化を続け、カスタムパーツも非常に豊富で比較的壊れにくいバイクである。
HONDA FTR 新車・中古車をさがす
平な土のオーバルコースで競うレース「ダートトラックレース(フラットトラック)」を走るためのマシン、ダートトラッカー。それを意識して1980年代に開発・販売されたのがFTR250であった。
FTR250がダートトラックレースで活躍してきたことは言うまでもないが、時代のニーズに合わず販売終了となる。
そしてストリートバイクブームに乗るようなかたちで2000年にホンダが投入したのが、FTR250を更にストリート向けに仕様変更した223ccのFTRである。
ストリート向けと言っても、幅の広いハンドルや吹け上がりの良いエンジンは軽快かつ操作性に優れ、ダートトラッカーとしての良さも上手に残している。その為、FTR(223)もダートトラックレースで活躍できる人気マシンとなった。ストリートとダートトラックでの扱いやすさを両立させてしまうあたりは「さすがホンダ」というところだろう。
FTR250を彷彿とさせるトリコロールカラーも受け継がれており、ライバルとは別路線の「ストリートトラッカー」として現在でも人気の1台である。