こんにちは! 今週の「WebikePlusスタッフが勧める意外とイイよ」のコーナーです。個人的に「まあ不人気だよね」と思っていたバイクが、最近のバイクブームでトンデモない値上がりをしていてびっくりってのは皆さん経験があると思います。そこはそれ、「カッコいいバイクが世の中に認めらたんだね!」とポジティブにとらえたい半面、ちょっと残念な気分になるのはなぜでしょうね。デビュー前の歌手を応援していたのに、メジャーデビュー後はすっかり距離を感じてしまう……というような。そんな一抹のさみしさ。

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安くてカッコいいバイクを買ったので、意気揚揚と仲間に見せたら「ああ……コレ買ったのか……」なんて言われ、その言葉どういう意味!? と思いつつネットで調べたら「壊れやすい」だの「不人気」だのひどい言われよう。

(人気ないってマジかよ……だから安かったのかっ!?バイク屋はいいバイクって言ったのに……)

そんな経験ありませんか? だからってさっさと買い替えるのはちょっと待った。キラキラした大人気車ではなくても、どんなバイクも個性の塊。メーカーが「これは売れるぞ!」と意気込んで開発したバイクたちは、それぞれ独特の魅力を持っているもの。

そこで、人気はどうあれイイものはイイぞ! とゴリ押ししていくのがこのコーナー。人気モデルに乗ってりゃエライ時代は過去のもの、現代こそマイナーバイクを全力でお勧めしたい! と「マイナーバイク好き(自称)」のWebike+スタッフ・西田が独断でピックアップしたモデルを紹介していきます!

前回記事はコチラ!

マルチな性能=大人気といかないのがバイクの世界なのか

ホンダ・CB400SF/SBの生産終了のニュースが発表され、ついに国内4メーカーから400ccクラスの4気筒モデルが消滅してしまう昨今ですが、かつて400ccといえば4気筒とでもいうべく、いくらでも選択肢があった時代もありました。そんな時代を懐かしむべく、現存する4気筒モデルは中古車市場でも相場はうなぎのぼり。「大型より小型軽量な400ccで、でも4気筒のサウンドとフィーリングは譲れない!」と、まだまだ400ccマルチに熱視線を向けるライダーも多い状況。

しかしそんな中でも、手に取りやすい400cc4気筒モデルも実はまだあるんです。どんどん4気筒モデルが登場していた時代には大人気となったモデルもあれば、即生産終了してしまったモデルもあり……今回紹介する、1997年発売のヤマハ「FZ400」はそんな短命モデルのひとつでした。その当時の人気を今でも引きずっているのか、そこまで中古車市場でも高騰していない様子。

じゃあ「他に比べてカッコ悪いんですか? 遅いんですか?」というとそんなことはぜんぜんありません! FZ400はヤマハのスポーツシリーズ「FZ」シリーズの名は伊達ではなく、マルチな性能を発揮できるポテンシャルを秘めたマシンだったのです。

1997年発売のヤマハ・FZ400。80年代に活躍していたレプリカスポーツ「FZ」シリーズの名を冠して、新時代のネイキッドとして登場した。大柄な車体だがパワフルな新設計の水冷並列4気筒エンジンを搭載、小型軽量で空力に優れたハーフカウル、ブレンボ製ブレーキキャリパーを装備し、軽快な運動性能と高速域での快適性を両立させた――が、1999年にモデルチェンジもなく生産終了。FZの名はリッタースポーツのみとなった。

「ミッドクラスの反撃がはじまる」新しいコンセプト

1997年ごろの国内400cc市場を、ヤマハはカウルレスの「ネイキッド」とゆったり走る「アメリカン」の時代だと見ていました。しかしネイキッドには偉大な人気モデル「XJR400」が1993年の登場からヒットを飛ばし、「アメリカン」には前1996年に「ドラッグスター400」を投入済み

しかし考えてみると、XJR400は空冷4気筒の丸目1灯ツインショック、というオーソドックスなスタイルで人気が出ていました(これはカワサキ・ゼファーの人気もあり、トライディショナルなマシンが流行した時代背景もあります)。そこでFZ400は、そんな市場の雰囲気をひっくり返す「新しいスーパースポーツ」を目指したマシンとして誕生したのです。

カタログには1986年の「AMA DAYTONA 200」にて優勝したエディ・ローソンのFZ750が1ページを占める。レーサーとして活躍したFZシリーズの名を冠するスポーツモデルとしての意気込みだ。ブルー、レッド、ホワイトのトリコロールカラーも登場し、耐久レーサーの雰囲気を盛り上げた。

確かに、そのスペックはクラシックネイキッドとは差別化されています。ボディは大柄なスチール製のダブルクレードルフレームで、ワンランク上のサイズ感。実際1998年に国内発売された「FZS600 FAZER」も同じボディを使用しており、同クラスのXJR400と並べてみると、サイズ重量ともにひとまわり大きいスケール。シート高にいたっては250mmも高い! 空冷エンジンに比べて大型になりやすい水冷エンジンであるため、同じ4気筒モデルであっても単純に比べてはいけないのですが、しかし同じ4気筒にもかかわらず車体幅は200mmのダイエットに成功しています。

鉄製ダブルクレードルフレームは最大直径42.7mmという極太さ。高負荷に耐える剛性を確保し、スポーツ走行をはっきり意識した構造だ。スイングアームも上位クラス並みのサイズを持つアルミ製。ねじり剛性も強化。 

大きさの理由のひとつでもあるハーフカウルは、カウル自体はオーソドックスな上半身のエアプロテクションを狙ったデザインながら、すっごく個性的なラウンドスクエアのデュアルヘッドライトを採用。この顔つきのバイクはちょっと思い当たりません。ロボットっぽい見た目は好きな人には刺さるはず。そしてエンジンは水冷DOHC4バルブ、53PS/11,500rpmの出力を発揮する新設計エンジンで、TPS(スロットルポジションセンサー)も装備したスポーツ志向でした。リアショックもシングルを採用し運動性を重視。

FZ400はスポーツ性能にかなり焦点をあて、クラシックモデル好みのユーザー向けXJR400に対し、スポーツ志向のユーザーを取り込もうとした意欲的設計だったのです。

細身なボディを隠すハーフカウルは「優れたライダープロテクション効果と余裕の居住性」(※ヤマハ公式サイトより)を発揮する機能性の高いもの。高速道路の巡行も苦にならない……というのはさておき、ヘッドまわりは個性的。当時のドゥカティ996シリーズを彷彿とさせレーシー!と喜ぶ人と、電人ザ〇ーガーとかアンド〇モンなどとロボット的な印象を持つ人にはっきりわかれた。

エンジンは気合の新設計。TPS付き4連CVKキャブレターで吸気し、水冷4バルブDOHC4気筒399cc、出力は53PS/11,500rpmと当時の400ccクラス上限のスペックを発揮。カムカバーもついてエンジンの見た目も個性的に。中低回転域は加速重視、高回転域ではマルチらしい高回転の伸びを追求した。トルクカーブは「2段ロケット」的なメリハリを意識。

フロントブレーキにはブレンボ製キャリパー採用。いわゆる"ヤマンボ"。同年代のヤマハスポーツモデルにはこぞって採用されていた。

スピードメーター・タコメーター・燃料計が横並びする視認性のよいスタイルの3連メーター。しかしなんというか……こんなデザイン見たことはない。タコメーターを後からつけたようなスタイル。メーターまで個性的だ。

これはむしろ「格安ツアラー」ですよね!?

そんな新機軸400ccスポーツを目指したFZ400ですが、デザインが個性的すぎたのかわずか2年後、1999年には生産を終了。現代にいたっても再評価の流れは来ていない様子。残念ながら見かける機会の少ないマイナー車となってしまいました。しかしFZ400には、現代でも戦える武器があります。それは「ツアラー」としてのメリットが多いこと!

そもそもハーフカウルのモデルってあんまり選択肢がありません。しかしハーフカウルというのは、ネイキッドのクラシカルさ、フルカウルのスポーティさはなくとも、使い勝手の良さが光ります。高速道路の巡航ではライダーへの空気抵抗が最もきつい上半身を完璧にガードし、万が一の立ちごけでも「カウル全交換」なんて憂き目はまずなし。そんなハーフカウルの特性は、長距離をさまざまな環境で走り抜けるツアラーにはピッタリの装備といえます。

直列4気筒エンジンであることもツアラーとしての魅力のひとつ。高回転までスムーズにふけ上がり、振動が少ないエンジン特性は長距離移動でも疲れ知らず。スポーティな車体は運動性も担保してくれ、山道から高速道路までオールラウンドに取り回せるマシンといえます。

タンデムシート下に大容量の収納スペースも装備。雨具程度なら楽々収納可能だ。

18Lの大容量タンクはCB400SBと同じで、航続距離に不安はない。

……それってホンダ「CB400スーパーボルドール」じゃねえか? と思った方。私もそう思いました。400cc定番のツーリングマシンとしてド定番のCB400SBも、奇しくもFZ400と同じキャラクターを持っているモデル。2005年の登場以来愛され続けてきたモデルです。しかしそんなCB400SBも、生産終了のアナウンスから価格は急上昇。FZ400の流通価格の倍以上(2022年07月)で取引される状態となりました。そこであらためてFZ400をみてみると、直列4気筒のハイパワー水冷マシンで、ハーフカウルは機能的。

マイナーだからこそ価値を発揮するFZ400、今こそ探してみる価値はあるのでは!?

荷物満載のツーリングスタイルはよく似合う。ネガティブなポイントはヘッドライトの暗さで、追加フォグランプを装備するオーナーもWebikeコミュニティに。

泣く子も黙るホンダの定番ツーリングマシンは今も大人気。個性的なカウルやヘッド周りも人気のタネのひとつ。1999年に消えたFZ400は、生まれるのも消えるのも早すぎたのかも……。

つまり意外とイイよ「FZ400」

というわけでFZ400がいかに個性的で実用的かを語ったわけですが、要するにFZ400は

・個性的デザインがビビッと来たらこれしかない!

 

・スペックはスポーツ重視で性能見劣りなし!

 

・実用的なカウルやエンジンは「早すぎたCB400SB」? ツーリングで光る

というバイクでした。 残念ながら個性的すぎるルックス、レーサーレプリカ「FZR」とは違うキャラクターなどで当時から人気が出なかったモデルながら、その質実剛健な魅力に気づいていた人はいた様子で、2022年現在も市場には出回っています。おまけに高騰を続ける4気筒モデルの中でも格安といっていい相場帯。あえて探してみる価値は大です。

FZ400諸元(1995)

全長 (mm) 2080
全幅 (mm) 715
全高 (mm) 1170
シート高 (mm) 785
重量 (kg) 177
エンジン種類 水冷4ストロークDOHC4バルブ4気筒
総排気量 (cm3) 399
最高出力 (PS/rpm) 53/11,500
最大トルク (k-gm/rpm) 3.8/9,500
燃料タンク容量 (L) 18.0
変速機形式 6速/リターン式
タイヤ 110/70R17
160/60R17
ブレーキ 油圧式ダブルディスク
油圧式シングルディスク
写真
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情報提供元 [ ヤマハ発動機 ]

コメント一覧
  1. グラマジェwhite より:

    こんにちは。
    デザインから感じるものは、個々千差万別としか言いようがないが、97FZが現在のスポーツバイクの二眼ツリ目につながるガンダム顔の元祖であることを忘れてはいけない。
    そのうえで二点。
    ①このバイクは免許制度の違うヨーロッパにあわせて600CCメインに作られたもので、ヨーロッパではバカ売れした。
    ②日本のバイクシーンを語る上で、80年代のバイクブームは外せず、83FZのデザインを引き継いでいること。
    そんなことをふくめてまたバイクのこと、掘り起こしてみてください。

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