
文/Webikeスタッフ:アキヒト
目次
【トライアンフ スピード トリプル RS】
ディテール&試乗インプレッション
ストリートトリプルと並び、トライアンフが誇る3気筒ロードスターモデルとしてラインナップされているのがスピードトリプルです。
スピードトリプルと言えば、映画『ミッション:インポッシブル2』の劇中でトム・クルーズが乗っていたことでも有名ですね。
今回は、モデルチェンジにより各部のグレードアップと最新の電子制御を搭載したシリーズ最高峰の「RS」に試乗しました。
近年激化しているビッグストリートファイターモデルの中でも1、2を争うマシンのインプレをお届けいたします。
目を惹く装備満載のスタイル
【全長/全幅/全高】
2,075mm/775mm/1,070mm
【車両重量】
189kg
【シート高】
825mm
モデルチェンジによりエンジンパフォーマンスが大幅に向上したことはもちろんですが、特に注目したいのはそのスタイル。
特徴的な二眼ヘッドライトはそのままに、ストリートファイタースタイルがより強調されるバーエンドミラー。
リアビューは、二本出しのセンターアップマフラーと片持ちのスイングアームが、ただならぬ雰囲気を感じさせます。
足回りには前後にブレンボ、オーリンズを標準装備しており、スペックもハイグレードとなっています。
細かいところでは、フェンダーやシュラウドにはカーボンが使われています。
誰とも被らないスタイルをお望みの方であれば、これだけでも是非推したい1台ですね。
※筆者はセンターアップと片持ちスイングアームがたまらなく好物です
アイデンティティの二眼ヘッドライト
ヘッドライトは引き続きアイデンティティともいえる二眼スタイル。形状は「ストリートトリプル」と共通で、ヘッドライト上部にはエアインテークが取り付けられています。テールランプとウィンカーにはLEDが採用されています。
【ヘッドライト】
【テールライト】
多くの情報を表示するTFT液晶メーター
スピードトリプルにもフルカラー5インチTFT液晶メーターを採用。こちらもストリートトリプルと同様にディスプレイのレイアウトを任意で変更することができます。
ライディングモードは左上のイラストで確認できます。
キーレス対応のスイッチ
左スイッチにあるジョイスティックでメーターの表示切り替えを行います。さらにツーリング時に便利なクルーズコントロールが搭載されており、左スイッチ上部のボタンで設定します。
スピードトリプルはキーレスイグニッションとなっており、右スイッチはスターターだけでなくキーON/OFFも兼ねています。
RSに相応しい足回り
【ホイール】
フロントタイヤ:120/70-17
リアタイヤ:190/55-17
ホイールデザインは前後とも5本スポークの鋳造アルミホイールを採用。リアは片持ちスイングアームにより、ホイールの脱着が容易となります。
タイヤはピレリ製のディアブロスーパーコルサSPを履いているので、このままでもスポーツライディングが楽しめます。
【ブレーキ】
フロントには320mmフローティングディスクとブレンボ製4ポッドラジアルモノブロックキャリパーを装備。リアには255mmシングルディスクと2ピストンキャリパーを装備しています。ABSは切替式のコーナリングABSとなります。
【サスペンション】
サスペンションには前後ともオーリンズ製を採用。
フロントは43mmNIX30フルアジャスタブル倒立フォーク、リアはTTX36ツインチューブモノショックRSUを装備。
フルアジャスタブルにより、シーンにあわせて細かな設定が可能となります。
リアの減圧調整はダイヤルで設定できるので工具いらずです。
歴代最強の3気筒1050ccエンジン
3気筒1050ccエンジンは、新設計のアルミニウムシリンダーやピストンをはじめ、105箇所もの改良を施しています。
その結果、新型エンジンは従来モデルよりも回転数のレッドゾーンが1,000rpm高くなり、最大出力は150PS/10,500rpmと従来比で10PSもアップ。最大トルクは117Nm/7,150rpmと従来比で6Nmアップとなりました。いずれも歴代スピードトリプルの中では最強のパワーとなります。
マフラーにはARROW製のチタンサイレンサーを標準装備。オプションではなく、初めから社外ブランドのマフラーが装着されているのも見逃せませんね。ヒートガードとサイレンサーエンドはカーボンになっています。
3気筒サウンドも、ストリートトリプルのレスポンスの良い軽やかなサウンドから、より太く迫力のある官能的なサウンドが病みつきになること間違いなしです。
ホールド感抜群のタンク形状
タンク形状はストリートトリプルと同様に、ホールド感抜群の形状になっていますが、タンク容量は15.5Lと、従来モデルよりも2L減少しています。
燃費についての情報はありませんでしたが、航続距離は従来モデルより落ちているかもしれません。スマートキーですが、給油時にはタンクキャップにキーを差し込みます。
2ピースタイプのシート
タンデムと分割された2ピースタイプのシートになります。シートには高級感を演出する赤いステッチ加工が施されています。
タンデムシートはシングルシートにも変更できるので、お好みでよりレーシーなスタイルにすることができます。
シート下スペースはスマホ1つ入るくらいのスペースしかありませんでしたが、USB電源が備え付けられていました。
気になる販売価格は!?
メーカー希望小売価格(消費税8%込み): ¥1,894,100
※2019年7月現在
これだけのスペックを兼ね備えていて、200万円以下はお買い得だと言ったら言い過ぎでしょうか?(笑)
ちなみにヤマハのMT-10SPとアプリリアのTUONO V4 1100 Factoryは税込で198万円でした…
まとめ
エンジンや足回りの改良と共に、新たに搭載された最先端の電子制御。5種類のライディングモード(RAIN、ROAD、SPORT、TRACK、RIDER)により、シーンに合わせて意のままに操る事ができます。
トラクションコントロールとコーナリングABSもパワフルな車体をコントロールするだけでなく、ライディングにゆとりを持たせてくれます。
スリッパークラッチによる軽いクラッチ操作と、クルーズコントロールにより、長距離ツーリングもお手の物ですね。
そしてパワーとトルクのパワーアップは、どの速度域でも体感することができます。
ビッグバイクとなりますが、低速域での走りもストレスがほとんどなく、どこからでもしっかりと加速してくれます。
特に高回転までしっかり回すと、油断したら車体から体が引き剥がされそうになるような圧倒的な加速を体感できました。
ビッグストリートファイターで唯一の3気筒マシンは、装備やスタイルも他とは被らないものばかり。
1台で何でも楽しみたい!という方は、スピードトリプルRSは是非おススメです!
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