【トライアンフ ストリート トリプル RS】
ディテール&試乗インプレッション

今年よりロードレース世界選手権のミドルクラスである『moto2』マシンのエンジンサプライヤーとなったトライアンフ。
そのベースエンジンとして使われることとなったのが、このストリートトリプルに搭載された3気筒765ccエンジンです。

ストリートトリプルと言えば、特徴的な二眼ヘッドライトと3気筒サウンドで、トライアンフを知らない人でも1度は見たことがあるのではないでしょうか?
従来モデルは同じ3気筒でも675ccエンジンを搭載していましたが、モデルチェンジを経て765ccになっただけでなく、新たに電子制御まで身に着けてグレードアップを果たしました。

車両としては数年前に登場していましたが、moto2マシンのベースに採用されたことから今回改めて乗ってみました。
ストリートトリプルの中でも上位グレードとなる「ストリートトリプルRS」の試乗インプレをお届けします。

洗練された唯一無二のスタイル

【全長/全幅/全高】

2,065mm/735mm/1,085mm

【車両重量】

187kg

一見すると従来モデルから大きな変化が無いようにも見えますが、エンジンだけでなく車体の各部が新設計となっています。今回のモデルチェンジにより、その独特なスタイルもより洗練されたものになりました。

アイデンティティとも言える二眼ヘッドライトをはじめ、マスの集中化を狙ったマフラーデザインやガルアーム形状のスイングアーム、TFT液晶メーターにバーエンドミラーなど、見えるところだけでも多数の変化があります。
何よりも驚いたのはその軽さ。装備重量で187kg、乾燥重量で166kgの軽量な車体は、走り出すとまるで250ccかと思うほどに軽快で倒しこむのが楽しく感じました。

走りを重視したストリートファイタースタイルにあわせてハンドルは低めですが、前傾姿勢も走り出すとあまり窮屈には感じませんでした。

足つき

【シート高】

825mm

【足つき】

シート高は決して低くはないが、シートの形状と前後サスの沈み込みのお陰で足着きは思っている以上に良く感じます。

特徴的なヘッドライトは健在

ストリートトリプルと言えば、独特な二眼ヘッドライトが特徴的ですが、このRSでも健在です。ヘッドライトの形状は従来モデルでは五角形でしたが、新たに「スピードトリプル」と共通の逆三角形になりました。
レンズ内部のポジションランプとテールライト、ウィンカーにはLEDを採用しています。

【ヘッドライト】

【テールライト】

多くの情報を表示するTFT液晶メーター

各社フラッグシップモデルにのみ採用している鮮やかなTFT液晶メーターを装備。新たに搭載された電子制御の設定だけでなく、多くの情報を視覚で確認することができます。
他にもディスプレイのレイアウトを6種類から選べたり、メーター本体の角度調節ができたりします。ディスプレイの表示は暗くなると自動で反転されるので、昼夜問わず見やすくなっています。

▲日中は背景が白く、文字が黒く表示される
▲暗いところでは自動で背景が黒く、文字が白く表示される

全ての機能を制御するスイッチ

TFT液晶に表示される情報と電子制御の切り替えは、左スイッチのジョイスティックで行います。操作がシンプルなだけでなく、ジョイスティック一つにまとめられているので、スイッチボックスもシンプルになっています。

右スイッチには、最近主流になりつつあるスターターとキルスイッチが一体となったレイアウトと、スロットルには電子制御の要とも言えるライド・バイ・ワイヤを採用しています。

RSでよりハイスペックになった足回り

【ホイール】

フロントタイヤ:120/70-17
リアタイヤ:180/55-17

ホイールデザインは従来モデルから大きく変化はありませんが、タイヤにはピレリ製のディアブロスーパーコルサSPを標準装備。
跨った瞬間からスポーティーな走りを楽しめます。

▲フロントタイヤ:120/70-17
▲リアタイヤ:180/55-17

【ブレーキ】

グレードアップした足回りの一つがブレーキで、前後キャリパーとマスターにブレンボが採用されています。
特にフロントは、310mmフローティングディスクと、M50タイプ4ポッドラジアルモノブロックキャリパーの組み合わせにより、制動力が大幅に向上しています。
マスターも、従来モデルで採用されていたニッシン製よりもタッチが良くなり、よりコントロールしやすくなりました。
前後共に切り替え式のABSを搭載しています。

▲310mmフローティングディスクとブレンボ製M50タイプ4ポッドラジアルモノブロックキャリパー
▲220mmシングルディスクとブレンボ製シングルピストンスライディングキャリパー

▲ブレンボ製RCSラジアルマスターシリンダー

【サスペンション】

グレードアップした足回りのもう一つがサスペンションです。
フロントにはショーワ製41mmBPF(ビッグピストン・フロント・フォーク)を採用。フォークトップに伸び側と圧側の減衰力アジャスターを集約、プリロードはボトム側で調整が可能となります。
リアにはオーリンズ製STX40リザーバータンク装備のリンク式モノショックを採用。プリロードアジャスターに加え、伸び側、圧側の減衰力調整が可能なフルアジャスタブルタイプです。

街中を走っているだけでも路面のギャップをしなやかに吸収しているのが伝わってきますが、サーキットやワインディングなど、シーンに合わせてさらに調整できるのも魅力です。

moto2にも採用された765ccエンジン

これまでの675ccエンジンから完全新設計の水冷並列3気筒DOHC12バルブ765ccエンジンは、80点以上の新設計部品を使用し、パワー、トルクともに向上させることに成功。ピークパワーでは従来比の16%アップの123ps/11,700rpm、最大トルクでは13%アップの77nm/11,000rpmになりました。

パワーアップしたエンジンは、5つのライディングモードとトラクションコントロールによって制御されているだけでなく、クイックシフターによるシフトアップとアシストスリッパークラッチによるシフトダウンのショック軽減は、快長時間の走行時にも快適な走りを生み出しています。
レースシーンから生まれた技術が数多くフィードバックされていますが、決してオーバースペックなどではなく、むしろライダーに安心と余裕を与えてくれます。

▲moto2エンジンのベースに使用されている
▲純正オプションのARROW製スリップオンマフラー

フィット感抜群のタンクデザイン

タンクのデザインはこれまでと大きな変更はなく、容量も17.4Lとなっています。
ニーグリップを意識したタンク側面の絞り込みは、車両との一体感を高めています。

よりポジションにこだわったシート

従来モデルでは、タンデムと一体型のシートを採用されていましたが、この新型ではシートがタンデムも分割されています。
分割されたことによりタンク付近はシャープに、後部はフラットに広いスポーツモデルのようなデザインになりました。
ポジションの自由度が増した反面、タンデムシートは小さくなっています。

気になる販売価格は!?

メーカー希望小売価格(消費税8%込み):1,437,000円

※2019年7月現在

最新の電子制御にオーリンズ、ブレンボと言ったハードパーツが標準装備と考えれば妥当と言えるでしょうか。
国産リッターSSでも200万前後となるので、ストリート重視で最新技術を楽しみたい方にはオススメです。

まとめ

私自身、675ccのストリートトリプルに乗っていますが、この765ccエンジンを搭載したストリートトリプルRSは別物と言えるほど進化しています。進化した部分として、電子制御が新たに加わったのはもちろんですが、排気量アップとマップの熟成により全域で乗りやすくなっていました。

従来モデルはトルクがある分、スロットルワークがややピーキー気味に感じていましたが、このRSではライド・バイ・ワイヤと5つのライディングモードにより、ストレスなくスロットルを開けることができました。
もちろん、ただ扱いやすくなっただけではありません。「TRACK」モードに切り替えた時のレスポンスはこれまで以上に良く、加速してほしいところでしっかりとスロットルにエンジンがついてきてくれるのが感じられます。
エンジンだけでなくグレードアップした足回りと軽い車体により、「あれ、なんか上手くなった?」と感じられるほどメリハリのある走りが体感できました。

今回の試乗で、改めてmoto2マシンのベースとなったストリートトリプルRSがどれだけ戦闘力が高いのかを体感できました。
正直に言って、この1台があればツーリングだけでなく、ワインディングやサーキットも楽しめます!
何より独特なスタイルと「トライアンフに乗っている」ということで、所有感も満たしてくれますね(笑)

ネイキッドスタイルでスポーティーな走りを体感したい方は、ぜひ一度乗ってみてください!

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