「スーパーモタード」は、元々は北米や欧州で流行ったバイクレースの名称であった。
コースの中にオンロード区間とオフロード区間が混在しいることが最大の特徴のレースで、どちらの区間も通過しなければ1周できない。両方の区間をより速く走るために、マシンにもあらゆる工夫が施されていった。
そして「オフロードバイクの車体に前後17インチホイール&ラジアルタイヤを装着したスタイル」が主流になり、いつしかこの仕様のバイクそのものが「スーパーモタード(SM)」、略して「モタード」と呼ばれるようになった。
日本国内では「スーパーバイカーズ」「ターミネーター(オフ区間は無い)」「オーバーオール」「moto1」といった名称でレースが開催されてきた。「オフロードライダーが勝つか、オンロードライダーが勝つか」という「異種格闘技戦」のようなノリがあり、流行った当時は大変盛り上がっていたのを記憶している(実は私も少し参戦した)。
モタードは、軽くて丈夫で17インチで足つき性がよく、エンジンオイルは1.5L程度、単気筒でプラグは1本、250ccならば車検がなく経済的。街中で多様する低~中速トルクが太く、速い。実はとてつもなく実用的で楽しいバイクだった!ということで人気急上昇。メーカーからは、遂にオフロードバイクのモタード仕様をスタンダードとして発売するまでに至った。
基本的にはオフロードバイクなので、高速道路を使ってのロングツーリングはけっこう辛い。ツアラーと比べたら空気抵抗や車体の振動もあり、ガソリンタンク容量も小さい。
近年では燃費が格段に向上してきているが、残ガスに配慮する癖をつけた方がよいだろう。
逆に嬉しいのが、軽めの林道程度ならオフロード路面も走行できてしまうことだ。
たとえるなら、二兎を追って二兎とも得てしまったバイク。それがモタードである。
目次
HONDA CRF250M 新車・中古車をさがす
オフロードモデルCRF250Lをベースに、前後17インチのロード用タイヤ&ホイールを装着したモデル。
単にホイールを変更しただけではなく、リアサスペンションのセッティング変更、フロントディスクローターの大径化(CRF250L:256mm→CRF250M:296mm)など、舗装路での制動力や路面追従性を高めている。
17インチ化されたことにより足つき性が向上(CRF250L:875mm→CRF250L:855mm)しており、跨りながらの取り回しや信号待ちが楽になった。
また、リッター44.3km(メーカー 60km/h定地走行テスト値)という高燃費を誇っており、ツーリングにおける給油の煩わしさとコストを削減してくれるのも嬉しい。
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YAMAHA WR250X 新車・中古車をさがす
オフロードモデルWR250Rと同じ水冷4ストDOHCエンジンを有し、他社のモタードバイクに比べて小顔でシャープなデザインが特徴的。専用の大径ウェーブディスクローター(大径298mm)と前後17インチラジアルタイヤ、そしてフルアジャスタブル式の46Φ倒立式フロントフォーク&リンク式リアサスペンションという舗装路に対する本気の足回りが「WR250Rのホイール違いのバイクでは?」という誤解を跳ね飛ばす。事実、減衰特性・バネレート比・ショックユニット長・セッティングがWR250X専用に変更されている。
31馬力を発揮するエンジンはレスポンスもよく、ストレートの短いワインディングやショートサーキットではスーパースポーツバイクすらも脅かす存在だ。
定価では約75万円(8%税込)と国産250ccモタードの中では高額だが、その価格をもって有り余る楽しさを持っている。それが「ザ・プレミアム・ストリートスポーツWR250X」である。
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SUZUKI DR-Z400SM 新車・中古車をさがす
数少ない国産400ccクラスの本格派モタードバイク。
前後の足回りには専用設計・セッティングが施されており、高速コーナーの旋回中でも不安が無い。非常にしっかりとしたオンロード走行を実現している。また、ライバル的な位置付けにあるホンダ XR400モタードよりも「パワフルに感じる」という声も聞いたことがあると思う。それもそのはず、XR400モタード=30馬力に対してDR-Z400SM=40馬力と、10馬力もの開きがあるのだ。
400ccということもあり、250ccクラスのモタードバイクに比べて車重は重くシート高もやや高い。いずれも慣れれば問題にならないのだろうが、一度は現車に跨ったり取り回しをさせてもらうと良いだろう。
DUCATI HYPERMOTARD1100/S 新車・中古車をさがす
DUCATIが放った異色のビッグマシン、その名もズバリ「ハイパーモタード」
面白い特徴として、他のモタードバイクはオフロードバイクの車体をベースにしているものがほとんどだが、ハイパーモタードにはそれがない。「スーパーモタードの更に上を行くモタード」として、新たに開発されたモデルなのだ。
DUCATIらしいトラスフレームに組み合わされた1100ccの空冷Lツインエンジンは、ライダーのスロットルワークに対してリニアに応え、ダブルディスクにブレンボラジアルキャリパーという豪華なブレーキシステムがこれの制動に努めてくれる。
注意したいのがバックミラー。なんとハンドルの両サイドに設置されている。折りたたむことも可能だが、たたむと当然後ろが見えない。新鮮ではあるが、車と車の間を抜けるようなスリ抜け走行時には注意が必要だ。