【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

モトレポートでは、試乗インプレの他に新車・中古バイク検索サイト「ウェビック バイク選び」に掲載されているバイクに関する情報を発信しています。

快適な足長スタイルに欧州の香り

2022モデルとして国内投入されたトライアンフ「タイガースポーツ660」は3気筒エンジンを搭載するミドルクラスのアドベンチャーモデルである。
ベースは昨年デビューしたトライデント660で、ライダーフレンドリーな扱いやすさに定評のあるエンジンと基本骨格は同モデルをベースとしながらも、それ以外のコンポーネンツは独自の設計。可変式スクリーンを備えた本格的なハーフカウルやストローク量を伸ばした足長サスペンションは、高速連続走行や粗いアスファルトでも快適な走りを約束してくれる。この辺りに欧州生まれの香りが漂う。日本の都市部ではさほど必要ないように見える装備だが、ご存じのとおり欧州は一般道でもアベレージスピードが高く、古い街並みでは石畳もまだ多く残っている。言わば必要にして十分な装備であり、だからこそ彼の地では“足長系ツアラー”の人気が高い。

滑らかでトルクフル、街中もキビキビ軽快に

エンジンは元々デイトナ675系の水冷並列3気筒DOHC4バルブから派生したもので、ルーツがスーパースポーツ用なので「素」で高性能。オフロード性能に舵を切った新型タイガー900系が採用している不等間隔爆発のTプレーンとは異なるスムーズで軽やかな吹け上がりと透明感のあるサウンドが特徴だ。それでいて、トライデントよりも低中速にふった味付けによりスタートからのトルクの盛り上がりも強い。ほぼすべての回転域でフラットにトルクが出続ける特性は3気筒ならではだ。
ピーク81psは今どき驚く数値ではないが、2気筒勢が主流のこのクラスでは最強級。装備重量で207kgという軽さとも相まって、街乗りでもメリハリを効かせてキビキビと走り回ることができる。これはビッグアドベンチャーや大型ツアラーにはなかなかできない芸当だろう。数値的には以前トライデントを試乗したときに少しだけ気になったスロットル開けしなの軽いドンツキも解消され、右手に対する反応もリニアかつ滑らかになった気がする。エンジンマップも見直されているそうなので、きっと良くなっているはずだ。

専用ディメンションが高バランスな走りを実現

また、データを見るとトライデントに比べてホイールベースも18mmほど延長されて逆にキャスター角は1.5度起こされている。これは直進安定性を向上させつつも、クイックな旋回性を狙っているのは明らか。実際のところ、上体が起きたアップライトな姿勢のおかげで重心移動がしやすく、広めのハンドルバーによるテコの応用により、意識せずともヒラヒラと軽やかなフットワークで街を駆け抜けていく。
トライデントに比べると車格はやや大柄になったが、その分クロスオーバーツアラーとしての快適性や走破性を高めつつ、ミドルクラス本来の扱いやすさや軽快な走りを損なわないよう、うまくバランス点を見つけているようだ。ちなみにシート高は835mmとやや高めだが、ポジションの自由度が高くシート前方が絞り込まれたスリムな車体のおかげで足着きも見た目以上に良いと思う。大柄な人はやや後ろに座るとぴったりくるはずだ。

充実オプションで長距離ツアラーに変身も

SHOWA製前後サスペンションの乗り心地やNISSIN製前後ブレーキの制動力やタッチ感も普通にグッドフィールで不満はないし、ABSにアシスト&スリッパークラッチ装備で雨天でも安心だし、切り替え可能なトラコンに2タイプのライドモードも操作が分かりやすく実用的。加えてシンプルで見やすいTFT多機能メーターやコンパクトにデザインされたフルLED灯火類などにも「外車」らしい高級感が宿っている。それでいて、税込110万円台のプライスタグはかなりのお値打ちと言っていいだろう。
また、多彩なオプションが用意されているのも魅力で、大型スクリーンに専用設計の一体型ラゲッジをフル装備すれば長距離ツアラーにも簡単に変身できる。普段使いから泊まりのロングツーリングまで多目的に使えて所有感も満たせる、なにかと気持ちのいいオールラウンダーだ。

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コメント一覧
  1. 和田  より:

    いつもBIKE関連記事を楽しく読まさせていただいています。タイガー660の記事も興味深く読みました(以前TIGER800XCが相棒でした)。さて、重箱の隅をつつくようなお願いをさせていただきたくコメントさせていただきます。記事中の「ご存じのとおり欧州は一般道でもアベレージスピードが高く、古い街並みでは石畳もまだ多く残っている。」の文面につきまして、もう少し説明を加えていただければ日本の安全運転意識の向上になるかと思いまして。
    聞くところによると欧州の都市間の郊外道路についてはアベレージが高いと聞いております。逆に市街地(石畳の歴史的な区域などは特に)区域については結構ゆっくり走ると聞きました。以前フランスを走ったことがありますが、日本の地形と異なりゆったりした起伏で遥か彼方まで見渡せるようなところでは交差車両や他者との接近はかなり手前から認識(予測)できるため、スピードや単独事故は自己責任の世界との認識をしました。峠道も対向車はありますが概ね自己責任が原則(対向車を想定した走行は当然として)。逆に何が起こるかわからない市街地は、その町の歴史や文化を味わうように、住んでいる人と挨拶出来るくらいに楽しむのが欧州流と認識しています。記載の文章も当然その意味と思いますが、ちょっと舌足らずのようで気になりましたのでコメントさせていただきました。
    日本の市街地で特に歴史的なものの保存との狭間で旧態依然の環境のところでは路肩がほとんどないようなところも多々あるにもかかわらず、郊外を走行してきたそのままのスピードで(車もBIKEもですが)走り抜けていくような状況がほとんどで肝を冷やします(そのためマスツーリングの時には、私は市街地に入ると皆からよくはぐれます)。
    車評記事にて短い文書での記載は難しいこととは思いますが、走行環境の変化の意識付けとそれに対応した走行を皆さんがしていただけるように、今後も沢山の情報発信をしていただけたら幸いです。よろしくお願いいたします。

    (以前より、走行環境に合わせてメリハリのある走行をしてほしい(砂漠では全力走行、部落内では亀走行)との思いがありましたが何も行動していませんでした。やっと退職して時間的余裕ができましたので何かできればと思い、「重箱の隅」でしたがコメントさせていただきました。
    走り方はさておき「きちんと家に帰ってくる」「RACEならゴールする(未ゴールは結果にならないという意味。勝負、パッションの意味ではクローズドという場所なので未ゴールでもOK。)」が大前提と思いBIKEを楽しんでいます。
    欧州流の走行ルールがBESTかどうかは議論あるところですが、RACE情報や車評だけでなく永くBIKE文化が日本でも定着するような記事、情報提供をこれからも沢山していただくようお願いいたします。)

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