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モトレポートでは、試乗インプレの他に新車・中古バイク検索サイト「ウェビック バイク選び」に掲載されているバイクに関する情報を発信しています。

【インドネシアカワサキ・KLX150BF SE】
ディテール&試乗インプレッション

国産&外国車、中古車を扱うエナジーモータスタイルがインドネシアカワサキから輸入販売しているオフロードバイクのKLX150BF SE。最近、排出ガス規制にABSの装着要件など、日本国内ではオフロードモデルのラインナップが減少しているだけに貴重な存在となりそうだ。エナジーモータスタイルでは、このKLX150BF SEとともにモタードモデルのDトラッカー150SEも輸入販売しており、この2台のモデルを元初心者向けオートバイ雑誌編集長の谷田貝 洋暁が試乗レポートする。

1. フロント21インチの本格スタイリング

【全長/全幅/全高】

2,070mm/825mm/1,155mm

【車両重量】

118kg(燃料90%の数値)

【軸間距離】

1,340mm

【最低地上高】

295mm

【販売価格】

398,000円(税込)

インドネシア本国では、フロントホイールが19インチと21インチのモデルなど、いくつかのバリエーションモデルがラインナップしているKLXシリーズ。エナジーモータスタイルが輸入するのは、フロント21インチホイール&倒立フォークを装備した“BF(ビッグフット)"に、アンダーガードやナックルガードをはじめ、専用グラフィックが施された上級仕様の“SE(スペシャルエディション)"だ。

2. コンパクトで扱いやすい車格

【シート高】

シート高の数値は本国でも未発表のようだが、172cmの筆者が跨った印象だとおそらく800mm台後半と予想。国内モデルでいえば、KLX230とほぼ同等の足つき性で、両足で支えた場合は踵が数cm浮く。ただ重さは国内モデルのKLX230よりも随分と軽く感じ、実際数値を見ると118kgとKLX230よりも18kgも軽い。この軽さは日々の取り回しで大きなアドバンテージになるはずだ。

3. オフデビューにピッタリ -実走インプレッション-

扱いやすさが際立つフルサイズマシン

現在、国内のオフロードモデルをとりまく環境はかなり苦しい状況だ。排出ガス規制対応やABSの装着要件を受けてラインナップが激減。以前は125ccクラスにカワサキのKLX125があったり、ハイエンドモデルのヤマハ・WR250Rがあったり、エントリーユーザーから上級者用まで、オフロードモデルと一口に言っても好みや技量でモデルを選ぶことができた。ところがついにロングセラーモデルのヤマハのセロー250がファイナルエディションとなり、現状国内モデルとしてラインナップしているオフロードバイクは、ホンダのCRF250LとカワサキのKLX230のみになってしまった。

つまりこれからオフロード走行や林道ツーリングを始めようと思っても、この2台しか選択肢がないのだ(セロー250はファイナルエディションが売り切れ次第終了)。この現状は、オフロード走行を始めてみようというビギナーにとってはかなり不幸な状況だ。というのも舗装路を走っているだけなら、オフロードバイクもオンロードバイクもあまりやることは変わらないのだが、ダートセクションを走るとなると、オフロードバイクにはロードバイクとは全く違うコントロールを行う必要がある。

スタンディング走行などがその代表例だが、難しいことを抜きにして簡潔に説明するなら、“体重を使ってバイクの動きを抑え込む"操作が必要になる。当然、そんな場面では車体が軽い方がコントロールしやすいワケだが、現状の250ccクラスのラインナップではちょっと初心者には重すぎることが多い。

そこへいくと今回試乗したKLX150BF SEはとにかく軽い。前輪が石で弾かれてバランスを崩そうが、ちょっとリヤタイヤが滑ろうがちょっとのアクションで動きを収束させられる。それに車重が軽ければそれだけライダーのボディアクションに対してバイクが反応も大きく、効果がわかりやすい。つまり、オフロードならではのマシンコントロールを会得するには、軽いモデルから始める方が上達しやすい。オフロードならではの体の使い方が自然と身に付くというワケだ。

それにエンジンも空冷150ccで程よいパワー感なのもオフロードデビューにピッタリだろう。4スト125ccクラスではちょっとパワーが足らずフロントアップもテールスライドもままならないが、12PSもあれば、スロットル操作にちょっとしたボディアクションを加えるだけで、オフロードバイクらしい3次元的な走りもしっかり楽しめる。

サスペンションに関しても、よく動き、路面の状況がつかみやすくなっているのも初心者には嬉しいところ。サスペンションのストローク量はオフロードモデルとしては少なめだが、最低地上高が295㎜も確保されていれば、ダート林道で困ることはない。むしろ河川敷などのちょっとしたコースや砂溜まりなどに持ち込んでみるのも楽しいだろう。ちゃんと速度が出せるようになると、サスペンションを使い切るようなことがあるかもしれないが、それはステップアップの頃合いというもの。

国内のオフロードラインナップが減っている今、オフロード走行を始めてみようと思うなら、このKLX150BF SEのような、軽くて扱いやすい中間排気量のオフロードバイクがエントリーバイクとしてちょうどいいだろう。

4.ディティール メーター&灯火器

【灯火類】

消灯

ロービーム

ハイビーム

消灯

ブレーキランプ点灯

メーター

【表示項目】

スピード/燃料系/オドメーター

KLX230に比べるとかなりヘッドライトはスリムな印象を受ける。光源はH4タイプのハロゲン電球でフロントマスク上部のネジは、アジア地域に多い前方ナンバー取り付け用。メーターにはデジタルパネルどころか、トリップメーターもないシンプルスタイル。昔のオフロードバイクは軽量化のためにこんな指針式メーターが多かった。

5.ディティール 走行性能

【エンジン】

エンジン形式/排気量:空冷4ストローク SOHC単気筒/144cc
最高出力:12PS(8.6kW)/8,000rpm
最大トルク:1.2Nm/6,500rpm

今時珍しいキャブレター仕様のOHC 2バルブの空冷エンジンは、5速だが高速道路を走れば100km/hは普通に出せる。延々高速道路を走り続けるのは大変そうだが、それでも高速道路を走ることができるのと、そうでないのでは、その使い勝手において大違い。セルスターターに加えてキックスターターも装備し、少々バッテリーが弱ったところで簡単に再始動させられる。

【ハンドル】

ハンドルバーはテーパー形状なのだが、快適性を重視したのだろう素材にはアルミではなく鉄を採用している。ハンドル幅は830mmでKLX230とほぼ同等なのだが、跨るとKLX150BF SEの方が随分コンパクトに感じる。

【足まわり】

タイヤサイズ/ フロント:2.75-21/リヤ:4.10-18

インドネシアカワサキのKLX150シリーズの中でも、最高グレードに位置付けられるKLX150BF SEは、φ35mmの倒立フォークを装備。サスペンションのセッティングは柔らかめでよく動くセッティングが採用され、ストロークはフロントが175mm、リヤが192㎜。タイヤはIRCのTRILS GP。

【ブレーキ】

フロント/ 片押し2ポット/シングルディスクφ240mm
リア/片押し1ポット/シングルディスクφ190mm

前後ともペタルタイプのディスクブレーキを採用。兄弟モデルのDトラッカーとはブレーキ周りのパーツが大きく違い、Dトラッカーは、フロントのディスクがリジッドからフローティングマウント式となり、サイズもフロントがφ300mm、リヤが220mmにアップする。

【スイングアーム&チェーン】

チェーンはRKの428サイズでノンシールタイプ。スプロケットはフロント14丁/リヤ52丁で、Dトラッカーはリヤのスプロケットが45丁となる。スイングアームはスチール角パイプ。

【シート】

前後への体重移動がしやすいフラットタイプのシート形状。上面だけに滑り止め加工を施すのも、スタンディング時に体重移動をしやすくするためだ。

【マフラー】

オフロードモデルには定番のアップタイプのサイレンサーは、音量も控えめで通勤通学などにも使いやすいだろう。サイレンサーには、サイドカバー、ヒートガード、タンデムステップステーなどで覆われており、二人乗り時にヤケドしにくくなっている。

【ステップ】

ねじ止めされているラバーパッドを取り外すと、ギザギザの突起でブーツをしっかりホールドするオフロード仕様のステップが現れた。チェンジペダルは鉄製で先端に破損防止のための可倒機構はない。

6.ディティール ユーティリティ

【燃料タンク】

燃料容量:6.9L
6.9Lの容量が確保されたスチール製タンクは、給油時に便利なヒンジ式のタンクキャップを採用。シュラウドをはじめ、車体全体のスポーティなグラフィックは“SE"仕様専用だ。

【アンダーガード】

“SE"は、専用グラッフックやフロントフォークのカラーアウターチューブのほか、ハンドガードやアンダーガードも装備している。鉄板は薄めだがフロントタイヤからの飛び石くらいは防げるだろう。

【工具入れ】

リヤシート周りにヘルメットホルダーや荷かけフックなどのユーティリティパーツはないが、左後部には工具&書類入れを装備。フタの固定はプラスチックリベットで行う。

【フロントフェンダー】

アップタイプのフロントフェンダーを装備。Dトラッカーと形状が異なり、KLXはやや細身のフェンダーが装着されている。

【ハンドガード】

“SE"にはハンドガードを装備。プラスチック製でオープンタイプのため転倒時にレバーを守るほどの強度はなさそうだが、高速走行時などの風除けには十分効果的。

【タンデムステップ】

二人乗り用の可倒式ステップ。オフロードモデル特有の薄いパッセンジャーシートはお世辞にも快適とは言えなさそうだが、それでも二人乗りでの高速道路走行も可能なのだ。

【スイッチボックス】

今となっては珍しいキャブレターモデルなので暖気運転用のチョークレバーを装備。エンジンが冷えている場合に引くと、混合気が濃くなりエンジンをかかりやすくなる。

7. 兄弟モデルのDトラッカー150SE

エナジーモータスタイルでは、モタード仕様兄弟モデル、Dトラッカー150SEも輸入発売している。通常、オフロードモデルとモタードモデルでは、ブレーキ周りの装備品などの違いからモタードモデルの方が価格が高く設定されることが一般的だが、このDトラッカー150SEの場合はKLX150BF SE比で5000円ほど安い価格が設定されている。

【販売価格】

393,000円(税込)

Dトラッカー150SEのポジション

KLX150BF SE同様シート高の数値は発表されていないが、17インチサイズのロードタイヤを履くため最低地上高は25㎜ほど低くなっており、172cmの身長だと両足の踵までべったりとつく足着き性だ。またタイヤが小さい分、押し歩きなどの取り回しはDトラッカー150SEの方が軽く感じる。

KLX150BF SEとの装備品の違い

モタードモデルの定番、前後17インチホイール&ロードタイヤを履くのはもちろんだが、ブレーキシステムも強化のために前後のディスクを大径化。フロント側のディスクには、KLXのリジッド式とは違いフローティングマウントが採用されている。また低速重視のオフロード仕様から、ロードセクション重視の高速セッテングとなり、リヤのスプロケットの丁数も7丁落とした45丁になっている。このほか、エンジンのキックスターター省略、フェンダー&シュラウドの形状変更など、よく見ると手の込んだ仕様変更が施されている。ダートセクションは走らないならDトラッカーを選んだほうが、舗装路でキビキビとメリハリを効かせた走りができて楽しいだろう。

8. まとめ

小柄なキャラは通勤通学でも便利!

この2台の試乗を振り返って強く印象に残ったのは、やはり250ccクラスのフルサイズオフロードバイクに比べると随分小さく扱いやすく感じるということだ。試乗にあたっては高速走行も街乗りもしてみたが、このコンパクトさのおかげで混雑した道も走りやすく小回りも効く。信号待ちからのスタートダッシュに関しても、両車とも十分車の流れをリードできるだけの加速力をもっており、幹線道路を頻繁に走るような使い方をしてもストレスを感じることはないだろう。これで高速道路走行もOKで、たまの休日にはちょっと遠くまで足を延ばせるのだから便利としか言いようがない。

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