【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

▲写真:南孝幸

ヤマハYZF-R7の国内メディア向け試乗会が開催された。ケニー佐川が渾身のレポートをお届けする。

モトレポートでは、試乗インプレの他に新車・中古バイク検索サイト「ウェビック バイク選び」に掲載されているバイクに関する情報を発信しています。

性能を使い切ってかっこよく走りたい

R7は新世代のスーパースポーツだ。開発に先立つヤマハの調査によると、スーパースポーツ(SS)を求めるライダーの基本マインドとして「かっこよく走りたい」というキーワードが浮かび上がってきたという。スタイリングも含めて自分がかっこよく乗りこなせるSSを欲しているのだ。
一方で今の1000ccクラスの直4スーパースポーツはオーバースペックで、600ccでもハードすぎるとの声も。普通のライダーでも持てあますことなく性能を使い切って存分に走りを楽しめる新しいSS。その姿を具現化したのがR7である。

パワーに臆することなく躊躇なくスロットルを開けられて、コーナーを楽しみながらスキルアップできるマシン。サーキットだけでなくワインディングでも十分楽しめる懐の深さを持ったSSを目指したという。加えてR1やR6へとつながるYZFのスタイル、SSとひと目で分かる「R」シリーズのDNAをデザインに散りばめている。そして、エントリー層でも手を出しやすいリーズナブルな価格に抑えたこともポイントだ。

MT-07の資質を生かしSSへと最適化

R7のコンセプトはFun Master of Supersports。つまり、走る楽しさを極めるスーパースポーツという意味だ。圧倒的な性能や電子制御こそないが、純粋に走る楽しさや腕を磨く充実感を味わえる、いわば80年代に若者を熱狂させたレーザーレプリカ的な匂いを感じさせたかったとか。

こうした要件を満たすために白羽の矢が立ったのがMT-07だった。元々トルクフルで扱いやすいクロスプレーンコンセプトの水冷並列2気筒エンジン(ヤマハではCP2エンジンと呼ぶ)をしなやかなスチールフレームに搭載した軽快なスポーツネイキッドで、その素性の良さは国内外の2輪メディアも絶賛するところ。
実際のところ、海外でも手軽に楽しめる2気筒SSによるレースが盛んで、MT-07ベースのフルカウルカスタムが定番化しているらしい。

こうした背景もあり、R7はオールニューモデルでありながらもエンジンとフレームなど主要コンポーネンツはMT-07と共用することでコストも圧縮している。ただし、SSらしい走りを実現するために前後サスなどの足まわりを最適化。
具体的にはフォークブラケットまわりの強化やスイングアームピボット部分にセンターブレースを入れて補強し、フォークオフセットやリヤサスのリンク比を変更することで軽快性と直進安定性を向上。前後分布荷重もフロント寄りすることで、よりスポーティなハンドリングを実現。「R」シリーズ共通イメージのフルカウルとセパハン&バックステップによるSSらしいライポジが与えられた。

つまり、MT-07の優れた資質を生かしつつ、SSとしての基本エッセンスを詰め込んで再構成したモデルと言える。

すっと体に馴染む乗りやすさ

象徴的なフロントM字ダクトや均整のとれた水平基調のデザインなど、R1やR6と見まがうばかりの堂々としたスーパースポーツルック。ライポジもR25よりもハンドル位置が低く前傾したR6に近い感じ。シート高835mmと数値的にはやや高めだがRシリーズ随一のスリムな車体のおかげで足着きは良い。


▲写真:南孝幸

エンジン始動。270度クランクの歯切れのよい鼓動とともに目覚めるCP2エンジンはすこぶる元気だ。軽いクラッチをつないでアクセルを開けると「トトンッ」と弾けるトルクが湧き出て車体を前に押し出していく。加速が力強く、パルス感はあるが振動がなくスムーズ。ハントリングも素直かつ軽快で乗りこなすのに何の躊躇もいらない。乗り始めて半周もしないうちに、すっと体に馴染む着心地の良いシャツのような感じだ。

軽さとトルクでR6に肉薄する走り

6000rpm~9000rpmのちょうどミッドレンジがトルクに乗る美味しい領域で、直4エンジンのような強烈なパワーの盛り上がりこそないが、リニアに一定に加速していく感じ。どこまでスロットルを開けていけるか、先が読めるので安心だ。スペック的にはMT-07と同じ最高出力73ps/8750rpmだが、体感的にはプラス10psぐらいある感じがする。
ファイナルとマッピングで出力特性をMT-07より高速寄りにしているとのことで、ピークでは伸びやかな加速も楽しめる。ちなみに試乗コースの袖ケ浦フォレストレースウェイではホームストレートで5速全開、メーター読み170km/hを超える。これは上々。直4ミドルSSクラスでも、けっこう頑張らないと出ない数値だ。


▲写真:南孝幸

そこでふと気になったのが、R6と果たしてどちらが速いのか? R7の開発者にも聞いてみたが、「ブレーキングからコーナー前半まではR6、コーナー後半からスロットルを開けての立ち上がりではR7が速いかも」とのことだった。
たしかにR7の良さが際立つのはコーナー立ち上がりで、路面をしっかり蹴って加速していく感じが分かりやすいのでスロットルを開けやすく、早い段階でスロットルをワイドオープンにできるのでそのぶん早く全開加速に持っていきやすい。結果的にトップスピードも伸びるのだ。
もちろん、ロングストレートでは直4パワーには敵わないが、曲がりくねったシートコースではR6とけっこういい勝負ができると思う。また、今回はサーキット試乗のみだったが、扱いやすさと軽さを生かしてワインディングでもキビキビと楽しく走れるはずだ。

走りを探求しスポーツを楽しみたい人へ

コーナリングも気持ちいい。路面温度は低かったが標準装着のS22は不安なくフルバンクまで持っていけるし、袖ケ浦の高速コーナーでスロットルを開け足しながらも安定して旋回していけるキャパもある。


▲写真:南孝幸

モノブロックラジアルキャリパー&ラジアルマスターも扱いやすく強力で、ABSによる間引き感が多少気になるもののブレーキングでかなり突っ込んでも軽い車体を止めるには十分な制動力がある。それでいて、自分でマシンを操っている実感というか手応えも濃厚。これぞスポーツライディングの醍醐味だろう。


▲写真:南孝幸

おそらくはスポーツ志向の95%のライダーはR7の走りにもろ手を挙げて満足すると思う。では残り5%はというと、サーキットをすでにSSで走り込んでいる上級者達だ。例えばコーナーの奥までブレーキを引きずりながら倒し込んでいったり、路面のうねりを気にせずにスロットルを開け続けたり、といったサーキット専用に設計されたSSでないとできないレベルの走りを経験しているごく少数のライダーにとっては物足りなさを感じるかもしれない。

だが、もしそう思うならR6やR1へとステップアップすれば良いことなので何も問題はない。R7は今の時代には珍しく電子制御もトラコンすら持たない「素」のマシンである。自らのライディングを探求し純粋にスポーツを楽しむためのマシンなのだ。

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