文/Webikeスタッフ:アキヒト
こんにちは、ウェビックスタッフのアキヒトです。今回はモデルチェンジによりミッションが4速から5速となった新型グロムを試乗しましたので、そのインプレをお伝えいたします。試乗シチュエーションは前回乗ったCB125Rと同じく通勤路である片道20kmほどある都内の幹線道路がメインです。行きは渋滞、帰りは比較的流れの速い中での走行なので、同じようなシチュエーションでの使用を考えている方の参考になれば幸いです。
スタイリングとエンジンを一新でアソビゴコロアップ
2013年の初登場以来、様々な用途で人気のグロムが更にパワーアップ。今回のフルモデルチェンジで3代目となった新型グロムですが、スタイリングだけでなくエンジンも新しくなりました。エンジンはボア×ストロークにも変更がありボアが小さくなった分ロングストローク化し、排気量は123ccと1ccダウンとなりますが最高出力は0.2PSアップの10PSとなります。
また、エンジンの中でも特筆すべきはミッションで、従来モデルは4速を採用していましたが新型では5速ミッションを採用。これが走りを劇的に変化させています。
基本的な構造や装備は従来モデルを踏襲した形となります、スタイリングをはじめアップデートされた箇所も多々あります。スタイリングでは目を惹くタンクカバーとサイドカバーにある「○」の正体は装飾された取り付けボルトで、至るところでアソビゴコロが見て取れますね。タンクカバーであまりわかりませんが、タンク容量も6Lと0.3L増量しています。
ポジションにかかわる部分では、シートがこれまでの窪んでいたデザインからタンデムシートまでフラットなデザインに変更されています。段差が無くなったことで前後の自由度が上がり、ポジションの変わったハンドルと相まって窮屈さを全く感じさせませんでした。
足回りは倒立フォークと前後12インチホイールにディスクブレーキは変更ありませんが、ABSが標準装備に。フロントのみとなりますが、雨の日の走行では有ると無いとでは安心感も大違いです。車体の軽さと12インチホイール特有の軽やかなハンドリングによって狭いところもキビキビと走れるのもグロムの魅力の1つです。
メーターには新たにギアポジションが表示されるようになり、ギアが増えても今何速なのかが一目でわかります。メーター自体はCB125Rのメーターがベースとなっていそうです。
5速ミッションで市街地が更に快適に
従来モデルはカブシリーズの4速ミッションのように1速1速がワイドになっているイメージで、速度変化の少ない道であればとても快適ですが、今回の試乗のように都市部の国道など速度変化が激しい交通状況では少し役不足感が否めません。
特にシフトダウン時には回転数が合わないと変速ショックが大きかったり、加速がギクシャクしていた印象でしたが、5速ミッションに変わったことでギアの間隔がよりショートになり、加速時にも積極的にシフトダウンしやすくなりました。ギクシャクによる走行ストレスが減りスムーズな走りがしやすくなったことで、結果的に市街地でも走りが快適になったと感じられました。
幹線道路走行時の60km/h巡行時の回転数は5速4,000rpmでしたが、回転数が落ちると再加速は少しもたつく印象。パワーを感じるのは5,000rpmあたりからで、加速したい時は1速落とすと気持ちよく加速していきます。ただ、市街地ではあまり5速まで使う必要が無く常用域は3-4速でキビキビ走ってくれます。それこそ5速は「幻の5速」のように、「ここで1速欲しい!」という時に使えるのが嬉しいですね(笑)
グロムといえばミニバイクレースでもお馴染みのバイクですが、新型グロムではHRCのレースベース車が先に登場していましたが、この5速ミッションはまさにサーキットを走る上で生きてきそうだと感じました。今となっては遊べるセカンドバイク的な印象が強いですが、サーキットデビューしてみたいと思った時にも新型グロムはオススメですね。
2021年型グロム主要諸元
・全長×全幅×全高:1760×720×1015mm
・ホイールベース:1200mm
・シート高:761mm
・車重:102kg
・エジンン:空冷4ストローク単気筒SOHC2バルブ 123cc
・最高出力:10PS/7250rpm
・最大トルク:1.1㎏m/5500rpm
・燃料タンク容量:6.0L
・変速機:5速リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=120/70-12、R=130/70-12
・価格:38万5000円
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