
こんにちは! 今週の「WebikePlusスタッフが勧める意外とイイよ」のコーナーです。
安くてカッコいいバイクを買ったので、意気揚揚と仲間に見せたら「ああ……コレ買ったのか……」なんて言われ、その言葉どういう意味!? と思いつつネットで調べたら「壊れやすい」だの「不人気」だのひどい言われよう。

そんな経験ありませんか? だからってさっさと買い替えるのはちょっと待った。キラキラした大人気車ではなくても、どんなバイクも個性の塊。メーカーが「これは売れるぞ!」と意気込んで開発したバイクたちは、それぞれ独特の魅力を持っているもの。
そこで、人気はどうあれイイものはイイぞ! とゴリ押ししていくのがこのコーナー。人気モデルに乗ってりゃエライ時代は過去のもの、現代こそマイナーバイクを全力でお勧めしたい! と「マイナーバイク好き(自称)」のWebike+スタッフ・西田が独断でピックアップしたモデルを紹介していきます!
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目次
大人気のレブル250とシート高が同じ!足着き性バツグン
2017年のデビューからこのかた、国内250ccクラスでの販売台数1位をキープしているホンダ・レブル250。存在感のある長いホイールベース、太いタイヤサイズでマッシブなイメージをキープしつつも、690mmのシート高は乗る人を選ばない気軽さで、初心者から女性ライダーまで幅広く愛されているモデルです。
現在、各メーカーのラインナップからこういった普通二輪免許クラスのクルーザーを探してみると、ほとんどレブル250以外選択肢がないのがちょっぴり残念なところ。そして、あまりの人気からどこにでも乗っている人がいるというのは、他とは違うオリジナリティを求めるライダーにはこれも残念。
しかし、なにも250ccのクルーザーはレブルだけではないのです。かつては個性豊かなモデルが各メーカーから発売されており、いくらでも選択肢があったカテゴリーでした。とはいえ、クルーザーにはクルーザーの「お約束」がいくつかあり(メッキパーツを多用したり、空冷Vツインであったり、アップハンドルであったり)、それがチョット苦手ですという人も。
そこで今回紹介するのは、レブルに負けないオリジナリティに溢れ、かつ「お約束」から外れまくった250ccクルーザー、カワサキ・エリミネーター250です。
エリミネーター250はクルーザーらしいホイールベースの長さを持ちながらも、GPZ250Rゆずりの軽快なエンジンによる扱いやすさでスポーティな走りを実現したモデル。カウルとタコメーターを装備し、スポーツマシン的側面を押し出したSE、スポークホイールとライザーバーを装備してクルーザー的側面をLXとバリエーションを増やしながら、約10年の間生産が続きました。
1988年登場のバリエーションモデル・エリミネーター250SE。ブラックアウトされた車体にビキニカウルを装備した”スポーツエディション”で、タコメーターやインジケーターの配置も変更された。
1989年登場のバリエーション・エリミネーター250LX。メッキパーツを増やし、スポークホイール・高めに配置されたフラットハンドルなどの変更がなされ、よりクルーザーらしさを追求した。
2017年に発売されたホンダ・レブル250。足着き性のよさから来る安心感を持ちながら、背の高いタンクとソリッドなカラーリングからはエントリーモデルのチープさはまったく感じられない。
クルーザーではございません!こいつはストリートドラッガー
1985年に発売された「エリミネーター900」のダウンサイズモデルとして1987年に発売されたエリミネーター250は、1980年代末のクルーザーブームで、一味違うモデルとしてコアな人気を集めました。
もともとクルーザーとは、低回転でトルクを味わいながらマイペースで走れるモデル。当然、クルーザーに搭載されるエンジンは「鼓動感」「パルス感」を大切にしたものが多く、パワーや性能はあまり気にされないカテゴリーといえます。ところがエリミネーターはそんな本流を意に介さず、最近でも数少ないクラス上限の40PS/12,500rpmの高出力を発揮するエンジンを搭載。レッドゾーン14,000rpmまで一気に吹け上がる水冷DOHC4バルブのパラレルツインは「鼓動感」まったくなし! 「ドッドッドッドッド」というクルーザー的エキゾーストも当然なく、「オオオオオオン!」と高回転ツイン特有の勇ましい低音を響かせるという、数あるクルーザーの中でも一風変わったモデルなのです。
これはエリミネーターが「ストリートドラッガー」というクルーザーのようでクルーザーではない、直線距離を競うドラッグレーサーマシンをイメージしているからなのですが、見た目に反して強烈な加速を見せるパワーは、現代のバイクの中でも並ぶ者のないオリジナリティ!
1985年に発売されたGPZ250Rのエンジンを、ギア比や吸排気の見直しによって加速よりに変更した水冷DOHC4バルブ並列2気筒エンジン。出力40PS/12,500rpm。8000rpmから一気に吹け上がる感覚はスポーツツインらしい荒々しさながら、堅牢で発展性のある構造により、これ以降も様々なモデルに搭載された名作。
タンクは11Lで容量少なめ。ティアドロップ型のデザインを優先した結果ともいえるが、航続距離は犠牲になった。クルーザー的ロングツーリングにはこまめな給油が必要だ。
スラッシュカットされたマフラーは、規制の少なかった時代を反映してサウンド大き目。エキゾーストの取り回しは非常に変わっていて、デザイン性を重視していたことを感じさせる。
フロントはシングルディスク、リアはドラムブレーキという古典的なブレーキ回り。フロントブレーキのキャリパーはトキコ製のシングルピストンだが、これは後のZZR250、ニンジャ250Rなどではリアブレーキに使用されているというやや頼りないもの。とはいえ軽い車重もあいまって制動力は十分。
メーターはスピードメーターのみのシングルタイプ。クルーザーでは一般的な配置だが、このエンジン特性でタコメーターなしというのは少しさみしい。バリエーションモデルである「SE」「LX」では2連メーターとなりタコメーターが装備された。写真ではデイトナ製タコメーターを後付けカスタムしている。
エリミネーター250と同年に発売されたGPX250Rは、同系統のエンジンを搭載したスポーツモデル。ダブルディスクブレーキや前後16インチホイールで走行性能を高め、当時一般的となっていた4気筒モデルやレプリカにまったく引けをとらない45PSを発揮。ちなみに現代のCBR250RRは41PS/13,000rpmだ!
軽い車重と低いシート高、高性能なのに扱いやすい!
そんな高性能なエンジンに対して車体は非常に扱いやすいのもエリミネーターの特徴です。シート高は690mmでレブルとまったく同じ、女性でも足つきをまったく気にする必要がなく、さらに車重は136kg(乾燥)! 高速道路での加速の鋭さもよく、峠のワインディングでの切り返しも悠々とこなすことができます。もし立ちゴケをしたとしても、あっさり引き起しができてしまうこの軽さは、運転に不安を持った初心者ライダーにはピッタリの特性といえます。ちなみにレブルいったい何キロなのかなと調べてみると170kg。わあ勝ってしまいました!
シート高は690mmだが、全体的に車高を低くまとめてあるため、「バンザイ」するクルーザー的なポジションにはならない。ステップ位置もクルーザー的フォワードコントロールではなく、ネイキッドのようなミッドコントロールであるため乗車姿勢はネイキッドに近い。
さらに、スポーツ性はサーキットでも発揮するほどです。リアに加重をかけてリアショックを縮めながらしっかりとバンクすれば、持ち前の軽さとパワーから思わぬ旋回性を発揮。コーナーを抜けたら一気にピークトルクへスロットルを全開! 回転数を落としてしまうと立ち上がりがもたつくところもありますが、エンジンをコントロールする楽しさはまさにスポーツマシンです。
エリミで攻める際は体重移動が大切なポイントで、ステップを擦ることを怖がらなければ太いリアタイヤがしっかりと路面を捉えてくれて、膝擦りもできる!!!(オーナー実体験)
つまり意外といいぞ「エリミネーター250」
そんなイイとこ尽くしのエリミネーター250ですが、発売当初はその実用性から販売台数は多く、バリエーションも含めて約10年の生産が続いたモデルでした。しかし近年ではそのクルーザーらしからぬ特性は「クルーザーが欲しい!」というライダーのニーズには嚙み合わず、しかし「スポーツモデルが欲しい!」というライダーのニーズにも噛み合わず……クルーザーらしからぬレブル250が大人気の渦中にあっても、その年式の古さから選択肢には入りづらい……そんなモデルとなってしまいました。
しかしエリミネーター250は、

・車重の軽さと足つきは人を選ばない!
・クルーザーでサーキットに乗り込んだら大注目間違いなし!
という「意外といい」モデルなのです。初代エリミネーター250は生産年数も短くなかなか見つかりませんが、SE・LXはそれなりの価格で(Webikeバイク選び)選ぶこともでき、ぜひ乗ってみてほしい1台です!
エリミネーター250諸元(1987)
全長 (mm) | 2140 | |
全幅 (mm) | 745 | |
全高 (mm) | 1045 | |
シート高 (mm) | 690 | |
装備重量 (kg) | 154 | |
エンジン種類 | 水冷4ストロークDOHC4バルブ2気筒 | |
総排気量 (cm3) | 249 | |
最高出力 (PS/rpm) | 40/12,500 | |
最大トルク (k-gm/rpm) | 2.4/10,000 | |
燃料タンク容量 (L) | 11.0 | |
変速機形式 | 6速/リターン式 | |
タイヤ | 前 | 100/90-17 |
後 | 140/90-15 | |
ブレーキ | 前 | 油圧式シングルディスク |
後 | 機械式ドラム |
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SE保有しています。
大好きな1台です♪
何故、不人気なのか?不思議ですが、スタイル的にも自分は好みなので気にしてません。
因みに750も持っています♪(^_^)v
足着きを考えたらコレしか選択肢が無いという女性ライダーが結構いたような気がします。
ただ、キャブレターのOHが必要になった場合は独特なマフラーの取り回しのため非常に手間が掛かります。