KTMが新型RC390シリーズを発表し、試乗会に参加するため単身渡欧。出発前日にはPCR検査の陰性証明も必要という事態になり、バタバタの出国になりましたが、どうにか新型RC390のポテンシャルをチェックすることができました。

スーパースポーツらしくなったハンドリング

今回の試乗は午前、公道から始まったのですが、走り出してすぐに意外な変貌ぶりに気が付きました。軽くなった車重のおかげで取り回しも軽いのに、安定感のあるハンドリングがスーパースポーツを思わせるのです。フロントに高い接地感が保たれ、マシンからの情報も豊かです。これは、いい意味で親しみやすかった従来型とは異なり、またお手軽感のある多くの軽中量級シングルスポーツとは一線を画しています。

おかげで、ワインディングのコーナーもコントロール感が豊かで、奥の深い面白さを味わえます。軽量車にありがちな、マシンなりにコーナリングをこなしているだけといったことがないのです。

また、サーキットでは、ライダーに然るべきコントロールを要求してきます。うまく走れるほどにコーナーをうまくこなせ、技量の差が速さに大きく反映されることが面白さになりますし、ライディングを学ぶこともできます。これはまさしくピュアスポーツなのです。

とは言っても、ライディングポジションの前傾度は強くなく、日常使用にも無理はないですし、サスペンションは荒れた路面もうまくいなしてくれます。ハンドル切れ角も大きく、街中での取り回しも楽です。汎用性は全く犠牲になっていません。

▲完全に新しいスタイルを獲得した新型RC390。国内発売は2022年春を予定しています。欧州ではRC125も同時発表されましたが、RC250は音沙汰なし。追って発表されるかどうかは不明です。

▲身長161cm、体重53kgのライディングポジションはご覧の通り。前傾はそれほど強くないので、日常使用にも無理はないでしょう。

▲シート高は824mmもあり、足着きはご覧のようにつま先立ちになります。

エンジンは回して性能を取り出す特性

エンジンは従来型同様、軽量級らしく、回して性能を取り出す特性です。

実は前回の記事で、私が実際に乗る前の予想として、「単気筒のトルクフルさと軽量な車体によって、トルクウェイトレシオが軽減。トルクを生かしての機敏なハンドリングに磨きが掛かっていると予感させます」と書きました。解釈次第では間違ってはいないのですが、不適切かとも思い、ちょっと訂正させていただきます。

それでは、まるでストリート向きシングルかのように、日常域でトルクで走れるようなイメージが伝わってきますが、そうではありません。400ccクラスのストリート向きシングルだと最高出力は30psにも届きませんが、このRC390は44psを発揮するのです。回して馬力を稼がねばならず、その分、低中回転域トルクは犠牲にならざるを得ません。

もちろん、最大トルクは向上、車重は9.2kgも軽くなったのですから、ダッシュ力は高まっています。でもそれは6000rpm以上のトルクバンドでのことです。6速3000rpm、60km/hで気持ち良く走れても、そこから追い越しなどで加速したい状況になると、ギヤを2段か3段落として、回転を6000rpm以上に上げなければなりません。

サーキットでも、7000rpmからリミッターが作動する10500rpmまでを使い切り、性能を絞り出さねばなりません。でも、それが軽量級の面白さでもあります。その結果、侮れない速さなのです。

▲エンジンは従来型がベース。欧州の排出ガス規制であるユーロ5に対応しつつ最大トルクが向上しています。従来一体だったシートフレームは別体式になっています。フレーム単体では1.5kg軽量化されました。

▲Moto3でタイトルを獲得しているKTMの送り出すライトウェイトスーパースポーツだけに、サーキット性能のレベルアップが欠かせません。

電子制御技術が軽量級にまで落とし込まれた

この新型には、3軸IMU(慣性計測ユニット)が搭載され、旋回状態に応じてもABSとトラクションコントロールを制御しています。大型車のIMUは5軸ないし6軸ですが、これはヨー、ロー、ピッチの運動状態を感知するというもので、最小限の制御に的を絞っています。しかも、ABSはリヤの制御を解除し、リヤスライドを使えるモタードモードさえ備えています。

また、アップダウン両効きのクイックシフターまで装備されます。試乗車の中にはシフト感が固めのものもありましたが、こまめなシフトが必要な軽量車だけに、威力を発揮してくれることは言うまでもありません。

試乗時はそうしたことも当たり前のように感じられたことも否めませんが、今、改めてすごいバイクが出現したとの想いを高めています。

▲LEDヘッドライトはデュークやアドベンチャーシリーズとイメージを統一し、デイタイムライトランニングライト(DRL)も装備しました。

▲燃料タンクは従来の10Lから13.7Lに増量されました。デザインはMoto3マシンを元にしたものです。

▲従来の前後一体風のシートからテールカウル付きのセパレートシートに変更されました。

▲フロントブレーキは径320mmのシングルディスク+BYBRE製のラジアルマウントキャリパーを継続しています。

▲リアブレーキは径230mmディスク+シングルピストンキャリパーを継続。ABSはリアをカットするスーパーモトモードも設定されています。

▲エンジンは排出ガス規制のユーロ5をクリア。マフラーはMotoGPイメージの新デザインに刷新されました。

▲マウントとホールド部が一体化されていたステップは、別体にすることで軽量化されました。

▲フロントフォークを10mm突き出して変更幅が与えられました。RC390は、テンションとコンプレッションが30段階の減衰力調整ができるようになっています。

▲メーターはTFTカラー液晶を採用。多彩な表示が可能なだけでなく、KTM MY RIDEアプリにも対応しています。

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