文/Webikeスタッフ:アキヒト

こんにちは、ウェビックスタッフのアキヒトです。今回はモデルチェンジによりDOHC4バルブの新型エンジンを搭載したニューCB125Rを試乗しましたので、そのインプレをお伝えいたします。試乗シチュエーションは通勤路である片道20kmほどある都内の幹線道路がメインです。行きは渋滞、帰りは比較的流れの速い中での走行なので、同じようなシチュエーションでの使用を考えている方の参考になれば幸いです。

250ccクラスと変わらない車格にヤマハのMTシリーズのような乗り味

今回のモデルチェンジで最も変わった部分となるエンジンは、一度走り出すとすぐに旧型と新型でエンジンのフィーリングが違うことに気づかされました。一般的に高回転型となるDOHCエンジンの恩恵か、6000~7000rpmあたりからの伸びが従来モデルよりも格段に良くなり、10000rpmまで力強く加速していくのがわかります。

幹線道路走行時の60km/h巡行時の回転数は、6速5000rpmほど。もちろんそこまでの加速にストレスも感じなければ、巡行中もエンジンに余裕を感じられました。ここら辺のフィーリングは、DOHC化よりも従来モデルより多少ロングストロークになったことの恩恵かもしれません。ちなみに6速のままでも3000rpmぐらいまで回転数を落として走ることができました。


▲2021年型でモデルチェンジしたホンダCB125Rは、DOHC4バルブエンジンに進化。さらにSHOWAのビッグピストンフロントフォークをクラス初採用しています。


▲エンジンは従来のSOHC2バルブからDOHC4バルブを採用することで、最高出力は13→15PSに向上しています。

ハンドリング面では、125ccとは思えない車格がそのまま安定感に直結しています。ビッグバイクと同じサイズとなるテーパーハンドルやインナーチューブ径41mmの倒立フロントフォーク、フロント110/リア150のタイヤサイズにより、路面のギャップにも強くコーナーの安定性も抜群です。

車重が130kgと、125ccフルサイズネイキッドモデルでは圧倒的な軽さを誇るので、振り回すという表現がピッタリなほどクイックなハンドリングが楽しめます。幹線道路でも車を次々とかわすのはお手の物です。

ブレーキも従来モデル同様にフロントは4ポットラジアルマウントキャリパーを採用しているので、制動力は申し分ありません。強いて言えば、サスペンションの味付けが路面追従性に振られている分、ブレーキング時のフロントの沈み込みがやや急に感じるところはあります。

ポジションも250ccクラスと変わらない車格により、身長173cmの筆者でも比較的ゆったりめなポジションです。ネイキッドモデルにしては少し幅広で短めのホイールベースが、感覚的にネイキッドモデルよりもモタードやヤマハのMTシリーズのような乗り味に近いと感じました。


▲身長170cmのライディングポジションは、ハンドルが近くほぼ前傾はなし。ヒザの曲がりもきつくなくネイキッドモデルの標準的なポジションです。


▲足着き性は体重65kgで少しかかとが浮きます。シート高は815mmありますので、スポーティな走りを狙っていることが分かります。

従来モデルやGSX-R125と比べた新型CBR125Rの印象は?

従来モデルと比較してみると、高回転まで気持ちよく回るエンジンは走る楽しみという点では格段に良くなっていますが、街中での常用域となる低、中回転は従来モデルの方が扱いやすい印象もあります。

新型のエンジンは回転数が落ち込んだときは小まめなシフトチェンジが必須となりますがあまりネガティブな要素ではなく、それはそれでMT車を操る醍醐味と言えるでしょう。スペック的にはエンジン変更の影響か、車重が+3kg、WMTCモード値での燃費は47.2km/Lから46.8km/Lとなっています。


▲エンジンやフロントフォーク以外はほぼ同じ装備の2018年型CB125R。250と共通のフレームはピボットプレートを採用することで軽量化に貢献しています。


▲新型CB125Rと同じDOHC4バルブエンジンを採用しているGSX-R125。最高出力は15PSで横並びですが、車重は134kgと少し重さがあります。

ライバルでは、同じDOHC4バルブ125ccエンジンを搭載するGSX-R125(GSX-S125)と比較すると、GSX-R125の方がショートストロークになっていることでスロットルレスポンスが良く、より気持ちよく高回転まで回る印象です。

ハンドリングも対照的とも言える装備で、幅の細いタイヤや操作系の軽さからGSX-R125の方がよりクイックに感じます。ただ、低、中回転で進まない感じが強く、ハンドリングもギャップを拾いやすく安定感に欠けるため、街中ではトータル的にCB125Rの方が扱いやすいでしょう。

同モデルの中でもトップクラスの充実装備と街中でもMT車を楽しめる新型CB125Rは、セカンドバイクとしても気軽に扱えるとっつきやすさと、メインとしても十分満足できる走りを併せ持った125ccバイクです。


▲反転表示のデジタルメーターは、時計や燃料計、ギアポジション表示もあり必要十分な内容です。


▲テーパーのバーハンドルを採用したコックピット。フォークトップにはSFF-BPの刻印も入れられています。


▲CB1000RやCB650Rなどで採用されているSFF-BP(セパレート・ファンクション・フォーク・ビックピストンタイプ)を、125ccクラスで初採用。ABSも標準装備しています。


▲スイングアームとリアサスペンションはピボットプレートに締結されていて、メインフレームは別構造とすることで軽量化を実現しています。


▲ネイキッドらしい丸目のヘッドライトはLEDタイプでポジション灯は外枠上下に配置されています。シャープなエアインテークはダミーです。

2021年型CB125R主要諸元

・全長×全幅×全高:2040×820×1055mm
・ホイールベース:1345mm
・シート高:815mm
・車重:130kg
・エジンン:水冷4ストローク単気筒DOHC4バルブ 124cc
・最高出力:15PS/10000rpm
・最大トルク:1.2㎏-m/8000rpm
・燃料タンク容量:10L
・変速機:6段リターン
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70R17、R=150/60R17
・価格:47万3000円

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