
文/Webikeスタッフ:銀
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こんにちは!ウェビックスタッフの銀です。今回はヤマハの新型NMAX125を、片道30キロの通勤ルートを中心に実際に走ってみた感想をレポートします。
普段、私は片道約30キロの道のりをヤマハ NMAX(2016年式)で通勤しています。ルートとしては、約1/3は渋滞がひどく、すり抜けが多いストップ&ゴーの道で、2/3は流れの早い国道の幹線道路、主に国道246号線を走るルートです。今回の新型NMAXも同様のルートで走行しています。
オーナーならエンジンをかけただけですぐに分かるほど旧型から進化
125㏄原付二種スクーターでホンダのPCXと双璧をなすヤマハのNMAX。125㏄スクーターでもトップクラスの車体性能とMAXシリーズにつながるスタイリング、可変バルブのエンジン特性と魅力あふれるモデルです。かくいう私も通勤、街乗りの愛車として2016年モデルのNMAXを所有し、そのパフォーマンスに充分満足しています。
そんなNMAXの新型が2020年に海外で発表され、この夏やっと日本でも発売が開始されました。今回、旧モデルオーナーとして新型NMAXとの比較をレポートしたいと思います。
エンジン、フレームともに新設計の新型NMAXですが、跨ってみた印象は旧モデルとはほとんど変わりません。リア回りのデザインが洗練され、よりスタイリッシュなデザインになった印象です。
▲2016年に国内デビューしたNMAXが二代目に進化。エンジンは排ガス規制に対応するだけでなく、アイドリングストップ機構も新たに装備。着信通知などを知らせてくれるスマホアプリにも対応しています
▲身長170cmのライディングポジションは窮屈さはなく、足も前後に動かせるので長距離も楽です。スクリーンはPCXより立ち気味なので、ウインドプロテクションも良さそうです
▲体重65kgで足着き性は少しかかとが浮きます。スペック上ではNMAXが765mmとPCXが764mmとほぼ同じですがPCXでは完全接地でしたので、シートの幅やサス設定の違いでしょう
エンジンをかけると、すぐに旧型と明らかに違うのがわかります。新型に採用された「Smart Motor Generator(スマートモータージェネレーター」により、セルの「キュルキュル」という動作がなく、なめらかにエンジンが始動。そして、先代モデルでもPCXとの大きな違いの一つであった、エンジンの鼓動感とでも言うべき振動が大きく減り、静かに、そして実にスムーズに加速していきます。
現在私が乗っている旧型モデルは、スロットルを開けるとエンジン回転数が高まって加速していき、可変バルブ(VVA=Variable Valve Actuation/バリアブルバルブアクション)エンジンらしい高回転域での加速感が楽しいスクーターでしたが、新型はPCXと同じように、静かに、そして滑らかに加速していくフィーリングになりました。
旧型のフィーリングも私には魅力的でしたが、新型の滑らかで静かな速さはコミューターとして上質に進化したことを感じさせてくれます。また、新型にはアイドリングストップ機構も採用され、こちらもPCXと互角の装備になりました。エンジンストップ状態からの始動、発進も実にスムーズです。
燃費に関してはアイドリングストップ機構のおかげが、先代よりも向上しています。私の通勤ルートでの燃費が旧型だとリッター約43キロほどですが、新型は約48キロほどでした。燃料タンクも7.1リッターと大きくなったので、一度の給油で250~300キロぐらいは余裕で走れる航続距離です。
▲エンジンは吸排気の仕様やFIセッティングの改良で令和2年排出ガスに対応。出力は12PSを維持していますが、発生回転が7500→8000rpmに高められました。6000rpmで切り替わるVVAが変わらず装備されています
▲大きな変更はエンジン始動用モーターとジェネレータの機能を一体化した「Smart Motor Generator(スマートモータージェネレーター)」の採用です。PCXと同じ装備でこれによるアイドリングストップ機構も導入しています
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旧型でも評判の高かった車体性能は新型でも健在! PCXと比較してもNMAXが上
PCXと比較して、旧型でも評判の高かった車体性能は新型でも健在です。幹線道路での轍や凸凹を高速巡行中に乗り越えても、全く不安なく走ってくれますし、コーナリングもスクーターらしからぬ手応えというか、接地感があります。この点に関しては、新型PCXと比較してもNMAXが上だと感じました。
試乗車は走行200キロほどの新車だったため、特にリアサスペンションはさすがに固さを感じましたが、新型は手で簡単にプリロードを調整できるなど、二人乗りも想定した便利な作りになっています。
▲従来型からセンタートンネル部分をフレームが通るフレーム方式で剛性を確保しているNMAX。フレームを改良するとともに前後ともに新作の軽量キャストホイールを採用しています
▲フレームはエンジンハンガーを改良することで振動低減を図っています。リアサスペンションには2段階でイニシャル調整ができる新機構も新たに追加しています
使い勝手の面で重要なシート下容量に関しては、旧型、新型ともにほとんど差はありません。シートを上げた状態を保持してくれる機構が追加されたのは、細かい部分では嬉しい改善ですね。フロントポケットには12VのDCソケットも標準装備。スマートキーシステムと共に、旧型オーナーとしてはPCXと比較して羨ましかった部分が最初から装備されています。
新型NMAXですが、まさに正常進化という言葉が相応しい仕上がり。新型NMAXはデザイン、走行性能、装備、すべてが、一段階上質になった印象です。しかし、車体、装備のランクが上がった分、個人的には125㏄の原付二種規格に納めてしまうのがもったいない印象も受けました。年内発売予定が期待される、新型NMAX155であれば、より新型NMAXの魅力と性能を存分に発揮できる気もします。税金や保険の面で維持費が変わってしまうだけに、購入する側としては、実に悩ましいところです。新型NMAX155のデビューも待ち遠しいですね!
▲シート下のスペースは23Lを確保。ヘルメットを収納可能としつつ前方に2個分のヘルメットホルダーも装備しています
▲左に12VDCジャックを備えた小物入れに右はフタ付きの収納ボックスが配置されています。中央はイグニッションスイッチです
▲NMAXでは初装備となるスマートキー。これでPCXに装備で見劣りする部分がなくなりました
▲メーターは燃費や電圧なども表示する多機能表示になっています。写真は新採用されたトラクションコントロールのステータス表示です
▲新作のヘッドライトは従来型のイメージを引き継ぎつつ明るい6灯の新デザインに変更しています
▲テールランプにはライン発光LEDも採用されてスタイリッシュになっています
2021年型NMAX ABS主要諸元
・全長×全幅×全高:1935×740×1160mm
・ホイールベース:1340mm
・シート高:765mm
・車重:131kg
・エジンン:水冷4ストローク単気筒SOHC4バルブ 124cc
・最高出力:12PS/8000rpm
・最大トルク:1.1㎏m/6000rpm
・燃料タンク容量:7.1L
・変速機:Vベルト式無断変速機
・ブレーキ:F=ディスク、R=ディスク
・タイヤ:F=110/70-13、R=130/70-13
・価格:36万8500円
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