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リターンライダーは現行モデルに、若者は絶版車に不安アリ?
こんにちは、ウェビックのトノです。
僕は「ウェビックバイク選び」という、ウェビックのサイト内でバイクを販売しているサービスを担当しています。
そのため、これからバイクを買おうとしている人の声や、実際に売れていくバイクを毎日のように目にしています。
そんな中で気が付いたのが、Z900RSを買おうか、ゼファー(750/1100)を買おうかで迷っている人が多くいらっしゃることです。
現行モデルの水冷ネイキッドと、10年以上前の空冷ネイキッド。どちらも、名車「Z1(Z2)」をオマージュした硬派なカワサキのネイキッドですが、迷っている内容としては「外観以外はどこがどう違うの?どういう基準で選べば失敗しないの?」というものが大半でした。
ザックリまとめると、リターンライダー(特に40歳以上)は「現行モデルに興味があるけど、装備の進化についていけるのか不安」という声が多かったです。反対に、これからバイクを買おうとしている若者やビギナーは「絶版車に興味があるけど、どの程度リスクがあるのか分からない」という声が多いです。
そこで先日、私が所有しているZ900RSと、バイク仲間が所有しているゼファー750を持ち出して、実際にあれこれ比較してきました!それぞれの違いや、私たちが感じたことをまとめてみます。
ややこしい装備はありません
現行モデルは電子デバイスが増えて多機能になり、インストルメントパネルの表示や切り替え、スマホとの連携、それを操作するハンドルスイッチ類・・・バイクショップでさえもお客さんへの説明が大変!という車種が増えてきました。
✕✕コントロールシステム、✕✕モードなど、電子デバイスの設定が多くてややこしそう・・・と思っているリターンライダーの皆さんが多いのはわかります。
【Z900RS】
「安心してください!Z900RSにややこしい電子デバイスはありませんよ!」
いや、「ありません」というのは言い過ぎましたが、Z900RSに難しい電子デバイス装備はありません。
唯一、「KTRC(カワサキトラクションコントロール)」が装備されていますので、それだけ覚えてしまえばOK!
KTRCは、加速時にリヤタイヤが大きく空転しないように制御してくれるシステムです。システムの介入度合いを2段階から選択でき、システムOFFもできます。
街乗りやツーリングを楽しむだけの人なら、滑りやすい路面でも空転しにくい「モード2」に設定したままで良いと思います。僕も納車してからずっとモード2です。
電子デバイス以外の装備では「アシスト&スリッパークラッチ」があります。これによりクラッチレバー操作が軽くなっていたり、シフトダウン時の衝撃が和らげられたりしています。
KTRCもスリッパークラッチも難しい操作や設定がないので、僕のようなオジサンにも嬉しいところです(笑)
他には、ETC2.0が標準装備されているのも嬉しいポイントです。
ブレーキは前後ともABSです。
【ゼファー750】
750と言わず、ゼファーシリーズにややこしい装備はありません。
バイクの性能をダイレクトに体感でき、当時のバイクらしいシンプルさが楽しめるのが魅力です。
【新車・中古バイク検索サイト ウェビックバイク選び】
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マッチョなZ900RS、スリムなゼファー750
Z900RSとゼファー750の外観を見てみましょう。
どちらも丸型単眼ヘッドライトのカワサキ ネイキッドで、排気量も近く「Z1(Z2)」をオマージュしているとくれば、おのずと外観が似てきます。でも実際に2台を並べてみると、似て非なる物なんだということが良く分かりました。
部分的な違いを見てみましょう。
【ガソリンタンクとタイヤ】
Z900RSとゼファー750の外観の違いを一言で表すならば「マッチョ」と「スリム」です。
Z900RSは、丸みを帯びた大きなタンクとラジエター、太さが際立つラジアルタイヤがマッチョなイメージを醸し出しています。ゼファー750のタンクはその反対で、横から見ても正面から見てもスリム。タイガーカラーが余計にそう感じさせているのかもしれませんね。
【テールカウルとテールレンズ】
Z900RSのテールカウルは、ゼファー750/1100やZ1系のテールカウルに比べて短いのでマッチョさを際立たせているように思います。テールレンズの形状もだいぶ違いますね。
【フロントビューとリヤビュー】
前から見てみると、Z900RSは大きなラジエターが目立ちます。ガソリンタンクも、ゼファー750に比べて幅があります。
後ろから見ると、Z900RSはテールレンズが小さくてスリム。テールカウル全体が上に向いているように見えます。ゼファー750は、広い面積のテールレンズ+オレンジレンズの丸型ウインカーが、いかにも"当時のネイキッド"といった印象を与えてきます。
【サイドカバー】
「マッチョとスリム」とは関係なさそうですが、サイドカバーも比べてみました。外装パーツが少ないネイキッドにとって、サイドカバーはバイクの雰囲気を決める重要なパーツの1つになっています。Z900RSのサイドカバーは、形状がZ1(Z2)に似ています。対するゼファー750のサイドパネルは、形状はそこまで似ていませんが、Z2タイプのエンブレムがたまりません。
【ハンドルバー】
両車のハンドルバーが大きく異なるので比較してみました。
まず太さの違い。Z900RSのハンドルは、クランプ部分がφ28.6mmと太く、グリップに近づくとφ22.2mmに細くなっていくテーパーハンドルです。ゼファー750はクランプ部分からφ22.2mmです。
近年は太いハンドル径のバイクが増えてきましたが、昔のバイクはφ22.2mmが主流です。
次にハンドル幅ですが、Z900RSは約850mm、ゼファー750は約730mmで、120mmも違いがありました。
古いネイキッドに何台も乗ってきた僕としては、ゼファー750のハンドルはいわゆる「普通のネイキッドのハンドル」で、懐かしさを感じました。
Z900RSの850mmというハンドル幅は、違和感を覚えるほど広く感じます。路面の"うねり"やギャップなどで、不意にハンドルが切れてしまうような場面では抑え込みやすいのですが、普段はこんなに広い幅は要らないかなという感じ。ハンドルを交換するオーナーが多いのですが、それも納得です。
【足つきとシート高】
シート高は、Z900RSが800mm、ゼファー750が780mmで、Z900RSの方が20mm高いです。また、Z900RSはタンクやシートの幅が広いので、ライダーのヒザはZ900RSに跨った時の方が伸びました。
写真のモデル(友人)は身長:174cm、体重:67kgで、どちらのバイクも足の裏がしっかりと地面に着いています。
これも迷う原因、無骨な空冷エンジンが格好いい!
ネイキッドの印象を決定付ける最大のポイントとして挙げられるのがエンジン。
お金はかかりますが、Z900RSのパーツを社外品に換装して、外観をZ1(Z2)に近づけることは可能です。そうしたカスタムパーツが豊富にラインナップされているからです。しかし、エンジンだけはどうにもなりません。
Z900RSは水冷エンジン、ゼファー750は空冷エンジン。僕もそうでしたが、Z1(Z2)に憧れを抱いている人であれば、やっぱり無骨な空冷エンジンが格好良くて捨てがたいんですよね。
"空冷エンジンの外観"というこだわりを捨てるのか捨てないのか、う~ん・・・迷う迷う。
外観だけで迷っていても解決しないので、次は乗り比べた感想です。
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時代を感じさせない!ゼファー750
まずはゼファー750に跨ってみます。
シートに腰を下ろした瞬間に感じたのが車体の細さ。Z900RSに比べてコンパクト且つスリムなガソリンタンクの影響が大きいと思います。
取り回しは両車ともどっこいどっこい。
ゼファー750は車重206kg、Z900RSは車重215kg、その差9kgを感じることは僕にはできませんでした。
同じビッグネイキッドのCB1300やXJR1300の取り回しに比べたら緊張感はなく、バーハンドルのバイクに慣れている人であれば問題なくとりまわしできるでしょう。
では走ってみます。
走り出すと、さすがにZ900RSの方がスムーズでパワフル。
排気量やエンジンの違い、水冷と空冷、キャブとインジェクション・・・Z900RSにパワフルさを感じてしまうのは当然でした。
誤解がないように書くと、ゼファー750にストレスを感じるということではありません。750cc(738cc)もあるわけですから、街中では充分余裕があるパワーです。
次は交差点やコーナリング。
ゼファー750は予想以上に軽快に曲がってくれます。もっと重々しくバンクしていくことを想像していたのですが、スイスイです。
フロントタイヤのサイズは120/70-17で両車とも同じですが、リヤタイヤはゼファー750が150/70-17、Z900RSが180/55-17でゼファーの方がだいぶ細い。これがバンクの軽さに繋がっているのかもしれません。
総じてゼファー750は、現行モデルと比べても遜色を感じさせず、驚くほど乗りやすいバイクでした。
特に80年代~90年代のバイクに乗っていた人であれば、僕と同様の感動を味わえること請け合いです!
サウンドも加速も豪快!Z900RS
Z900RSは、様々なメディアに試乗記が溢れており、実際その通りです。。。なんて言ってはいけませんね(笑)
まず、カワサキが音にもこだわって開発したノーマルマフラーのサウンドが素晴らしいです。ノーマルとは思えないほどの迫力で、アイドリング状態からでも空冷Zを思わせるかのような雰囲気が味わえます。
そしてパワフルな加速。街中では充分すぎて、間違っても全開にはできません。高速道路での合流や追い越しでもまだまだ余裕が感じられ、さすが900ccだな(実際は948cc)という実感が湧きます。
交差点やコーナリング。
正直に書くと、古い年式のバイクに乗り継いできた僕にとっては、頭の中で描いているコーナリングのイメージよりも「曲がりすぎ」という印象を受けます。
たとえば僕がGPZ900Rに乗っていた頃は、お尻から路面の情報を得ながら曲がっていく・・リヤタイヤに体重をあずけるイメージで曲がっていました。
対してZ900RSは、フロントブレーキでフロントタイヤを路面に押し当てながら曲がるのが得意なバイクと言えば良いのでしょうか。とても良く曲がるのですが、僕にとっては少しクイックに曲がりすぎかなと感じる場面が多いです。慣れてしまえば、その曲がりやすさが楽しさに変わってくるものだと思いますし、好みに合わせてサスペンションの設定などを変えみるのも良いでしょうね!
ゼファー750に無い装備。
前述しましたが、トラクションコントロール(以下トラコン)は2段階の介入度合いを設定するか、OFFにすることができます。ちなみに僕は介入度合いが大きい「モード2」にしていますが、公道でトラコンを効かせたことがありません。
ABSは前後ブレーキにそれぞれあります。フロントブレーキはラジアルマウントブレーキが強力なためか、急ブレーキ!ではなくても効くことがありました。リヤブレーキはイメージ通りのタイミングで効きます。街乗りではABSがあった方が安心します。
スリッパークラッチなのでクラッチレバーの操作感が軽く、バックトルクが発生するようなシフトダウンをしてしまった場合でも反動が逃げてくれるところが嬉しいです。
この他の違いとして、Z900RSはETC2.0を標準装備しています。これは本当に魅力的でした。
カスタムの楽しみ。
Z900RSもゼファー750も、社外パーツが豊富にラインナップされているモデルなので、カスタムを楽しめるというは双方で共通する大きな魅力。
パーツのラインナップ数でいうと、Z900RSのカスタムの方が上回っているかもしれません。大人気の現行モデルの強みですね。
僕と友人の言葉でZ900RSをまとめると、空冷を思わせるサウンドとフロントを引きずってコーナーに飛び込む豪快な走りがたまらん!ですかね(笑)もちろん、トラコン/ABS/スリッパークラッチなどの装備に支えられている安心感あってのものですが。
まとめ
Z900RSとゼファー750を比較してきたわけですが、僕の結論としては「どうしても空冷エンジンじゃなければ満足できない!」「やっぱりゼファーが好きだ!」という人でなければ Z900RS をオススメします。
ゼファーに限ったことではありませんが、年式が古いバイクは大なり小なり故障や不調のリスクを抱えています。それを直すにはお金も時間もかかりますし、修理が多いと乗る時間も減ってしまいます。
新しいモデルのバイクになればなるほどそうしたリスクは減りますし、ライダーをサポートしてくれる装備が1つでも2つでも付いているにこしたことはありませんから。
このレポートだけで解決できるとは思ってませんが、何かの参考になったなら嬉しいです。
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