▲photo by AtsushiSekino

【カワサキ Z1000】
ディテール&試乗インプレッション

70年代の名車・Z1(900SUPER4)の現代版と言わんばかりの4本出しマフラーを引っさげて登場したZ1000。15年以上の歳月をかけて現代の“Z”はここまで進化した。元初心者向けオートバイ雑誌編集長の谷田貝 洋暁が試乗レポート。

1. 純“ストリートファイター”スタイリング

【全長/全幅/全高】2,050mm/790mm/1,055mm
【車両重量】220kg
【軸間距離】1,440mm
【最低地上高】125mm

そもそもストリートファイターと呼ばれるジャンルは、スーパースポーツのカウルを取り外し、バーハンドル化するカスタムの様式から発生したジャンル。2003年の登場時のZ1000は、スチール製のフレームにZX-9R系のエンジンを搭載して登場したが、現在のモデルは高剛性なアルミツインスパーフレームに、1,043ccの水冷4ストローク4気筒エンジンを搭載。そのスタイリングは、マッシブとしか表現がぴったりの骨太なデザイン。低く構えるようにスラントしたデザインはまさにストリートファイターの王道。

【販売価格】
メタリックフラットスパークブラック×メタリックマットグラファイトグレー:1,171,500円(税込)
※2020年10月現在

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2. 前のめりのいかついポジション

【シート高】815mm
数値的にはそれほど低くはないのだが、跨り部分がかなりスリムに絞り込まれていて足つき性はよく、両足のかかとまで付けることができる。上半身は標準的なネイキッドポジションよりも前傾が強め。またスラントデザインのヘッドライト、ハンドルマウントメーターの組み合わせでとにかく視界が広い。

3. 個性が強烈!でも扱いやすい!? -実走インプレッション-

このマシンで速い奴は本当にうまい奴だ

“Sugomiスタイリング”と名付けられた、猛獣が低く構える様な躍動的なスタイリングが与えられたZ1000。見た目からしてかなりイカツそうな印象だが、乗り味もその期待を裏切ることなく、かな~り刺激的。1,043cc水冷4ストローク直列4気筒エンジンは、スーパーポーツ系のサーキットセッティングとはちょっと違い高回転域の伸びよりも中低速を重視したストリートセッティング。その“強烈な加速”を常用域で存分に感じられるような味付けがなされいる。特に6,000回転あたりからレッドゾーンまで、二次曲線的に加速感が増していく感覚はかなり“じゃじゃ馬”感が強い。おなじ“Zシリーズ”で、スーパーチャージャー搭載のZ H2もかなり過激なキャラクター設定だが、Z H2にはなんせトラクションコントロールシステムありきでようやくそのキャラを引き出せるマシン。一方で、このZ1000はトラクションコントロールシステムなんて、“保険”は一切ない。路面にきちんとリヤタイヤをグリップさせ続けられるかどうかは、全ては己の右手の返し具合にかかっている。そういう意味ではZ1000はZ H2よりもかなり刺激的。これほどのパワーを御するには乗り手にもそれなりの技量と自制心が必要。加えて“トラコン? そんな保険みたいなものはいらんのですよ”なんて伊達を通せる度量も必要ってワケだ。

車体には、このエンジンの強烈加速を味わうための工夫が随所にほどこされている。第一にポジション。あえて前傾気味とし、前輪のほんの少し前の路面まで見える迫力ある視界おかげで、走るほどに気分が高揚してくる。加えて剛性感の高いアルミツインスパーフレームとマスの集中で作り上げられた車体はコンパクトでフットワークも軽く、神経質とはいわないまでもかなりスポーティな味付け。ブレーキの効きも強烈で、“生半可な気持ちじゃ振り落とすぜ?”。そうマシンに言われているかのようだ。

びっくりするのは、ここまで強烈なキャラクターに作り上げられているのに、その一方で乗りやすくもあるということだ。“過激なキャラクター”と“扱いやすさ”がどう両立するのか? そのキーワードはエンジン回転数。このZ1000、エンジン回転数4,000回転以下とそれ以上で、全く別のマシンのような走り方をする。それを一番に表しているのが、これ見よがしに上下に分割されたタコメーターだ。下の液晶部分が、扱いやすい領域の4,000回転以下、それ以上になると上部のLEDバーグラフが左から順に点灯していく。上部のバーグラフは見た目からしてかなり大雑把なメモリなのだが、それすら“タコメーターを注視する余裕なんかないよ?”と言わんばかりの演出に思える。実際、フル加速中に視線を下げる余裕などないのだが、このLEDバーグラフが点灯するおかげで、視界のスミにメーターが入っていればおおよその回転数が把握できる。

一方、4,000回転以下はというと、これが驚くほどに従順。さすがと思わされたのは、街中、渋滞路、高速道路での巡航時などの“流す”ようなシチュエーションがきちんと4,000回転以下におさまる様に味付けされているということ。この回転域でならかなり気を抜いた…といったら語弊があるが、いわゆる普通の感覚での運転が可能だ。変にエンジンに急かされることもないし、決してつまらないワケでもない。そこで“ヤル気”のスイッチが入ったのなら、ギヤを1つ2つ下げて一気にエンジン回転数を上げるだけでビーストモードのスイッチがオン。神経を研ぎ澄ませてマシンコントロールする世界に突入できる。

4.ディティール メーター&灯火器

【表示項目】
スピード/エンジン回転数(分割)/シフトインジケーター/燃料残量/時計/オドメーター/トリップメーター×2/ギヤポジション/平均燃費/瞬間燃費/走行可能距離/水温計/オイル警告

コンパクトにまとめ上げられたメーターをハンドルクランプ上にレイアウト。とにかく特徴的なのは、上下分割式のタコメーターだろう。4,000回転以下は下部の液晶パネル。4,000回転以上になると上部バーグラフにLEDランプが左から点灯していく。

5.ディティール 走行性能

・エンジン

【エンジン形式/排気量】水冷4ストローク DOHC直列4気筒/1,043cc
【最高出力】104kW/10,000rpm
【最大トルク】111Nm/7,300rpm

4,000回転を境として急激に獰猛さを増し、ピークパワーの141馬力/10,000回転へ向けて猛烈な勢いで吹け上がっていく。とくに6,000回転以上の吹け上がり方は刺激的というより暴力的。いかついデザインに相応しい、猛々しいエンジン特性だ。

・ハンドル

スタイリングからして前のめりだが、ライディングポジションも前のめり気味に前傾してハンドルを掴む印象だ。しかもメーターがハンドルクランプ上にレイアウトされているおかげで前方視界が異常に広く、これがさらに加速感を強め、アドレナリンを噴き出させる。ハンドルはアルミのテーパータイプで左右の切れ角は各29°と少なめで、Uターンは得意じゃない。

・足まわり

【タイヤサイズ】フロント:120/70ZR-17/リヤ:190/50ZR-17
Φ41mmの倒立フォークはショウワ製SFF-BPで、フォークトップには左側がプリロードで右側が伸圧の減衰調整。走ってみると硬めのスポーティな印象を受けるが、スーパースポーツのようなガチガチのセッティングではなく、ストリートライドもしやすくなっている。前後のホイールトラベルはそれぞれ120/135mmで、幅190mmサイズのぶっといリヤタイヤの存在感も特筆事項。

・ブレーキ

【フロント】対向4ポット/ペータルディスク
【リヤ】片押し1ポット/ペータルディスク

フロントブレーキはφ310mmのペータルディスクにクラジアルマウントの対向4ピストンモノブロックキャリパーの組み合わせをダブルで装着。Z1000の強烈なパワーをガツンと押さえ込めるようになっている。リヤはペータルディスクφ250mmでシングル 。

・4本出しマフラー

正当なZの後継モデルであることを主張する片側2本の4本出しサイレンサー。くぐもった低音を伴う4気筒サウンドは、アクセルを開けるほどに雄叫びに聞こえてくる。現在、ユーロ4対応ということで次期モデルも登場予定か!?

・リヤサスペンション


リヤサスペンションは、スイングアーム上方にショックユニットとリンクをレイアウトした“ホリゾンタルバックリンク”リヤサスペンションを採用。ショックユニットが水平(ホリゾンタル)近くまで寝かせているのがその名前の由来だが、低いシート高やマスの集中など車体レイアウトの自由度において有利という特徴がある。プリロード調整のほか、伸び側の減衰調整が可能。

・ステップ


ステップはスポーティなラバーレスタイプを採用していることからも、ツーリング用のマシンではなく、純然たるスポーツモデルとして作り上げられていることがうかがい知れる。ギヤは当然6速、チェーンは525でスプロケットは15/43丁。

・エキセントリックアジャスター


スイングアームはアルミで、回転させることでチェーン調整が可能なエキセントリックアジャスターはカワサキお得意の手法。カラーを上下逆に取り付ければそれだけ足つきがよくなるという裏技もある。

ディティール紹介 ユーティリティ

・燃料タンク

【燃料容量】17L

当然ハイオク指定で燃料容量は17L。計器に表示された平均燃費は16.9km/Lほどで、満タンから280kmは走れる計算になる。ちなみに燃料計の最後のバーが点滅しだした時点での燃料残量は約4L。

・シート

“Z”の文字がデザインされたシートは前後セパレート式でライダーシートはガンファイターシートさながらにえぐれており、強烈な加速を受け止められるようになっている。タンデムシートも装備しているがデザイン優先でベルトも小さく、あくまで緊急用といった雰囲気。

・シート下

シート下スペースはほぼ皆無。タンデムシート下には標準装備のETC車載器が収まっている。ライダーシート下の黒く長い物体は燃料タンクからの蒸散ガスを溜めてエアクリーナーボックスへと戻すキャニスターだ。

・荷掛けフック

タンデムステップ後部に荷かけフックを装備するも、後部のタンデムシート側に荷かけフックはない。ただし、ナンバーステーがかなり頑丈にできており、“ここにループを通して荷かけフックにしろ”と言わんばかりの穴が空いている。

・レバーアジャスター

ブレーキレバーは高級スポーツバイクに採用される、握り込み時のレバーレシオの変化がないニッシンのラジアルポンプ。左右のレバーにはダイヤルが備わっており、右のブレーキレバーが6段階、左のクラッチレバーが5段階で握り幅を調整できる。

・スイッチボックス

【右】スタータースイッチ/キルスイッチ
【左】ヘッドライト切り替え/パッシング/ウインカー/ホーン/ハザード

ABS以外、目立った電子制御装置は備えていない。逆に複雑な操作変更は必要なく、おかげでスイッチボックスもいたってシンプルな構成だ。スロットルももちろんワイヤー式。

7.まとめ

“男カワサキ”と言われて真っ先に思い浮かぶマシン

過激でスパイシーな乗り味と、扱いやすいやすさという相反する要素を、電子制御を使わず1つのバイクの中で見事に共存させているZ1000。まったくの初心者やゆったりと走りたいライダーにオススメできるモデルではないが、それだけに乗りこなす楽しみは強く、この溢れるパワーを自在に扱える様になったときの喜びはひとしおだろう。2020年現在、“男カワサキ”のイメージが強いマシンを挙げろと言われたら、真っ先に浮かぶモデルがこのZ1000ではないだろうか。その印象はZ H2を試乗した後でも変わってない。

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