
文/Webikeスタッフ:リュウ
目次
【スズキ GSX1400】
ディテール&試乗インプレッション
「GSX」と聞くと多くの人がGSX-Rシリーズのようなスーパースポーツを連想するのではないでしょうか。
ですが、忘れちゃいけないのがこの1400ccネイキッドのGSX1400です。
あの隼より排気量は大きく、国内モデルのネイキッドとしては最大排気量を誇るこのマシンも、油冷エンジンを積んだ名車の一つです。
そんなマシンの実態はどのようなものなのか?ウェビックスタッフが体感してきました!
(撮影車両は2005年式)
※車両提供は バイク王 様にご協力いただきました。
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1400ccらしい迫力あるスタイリング
まず車両はなんと言っても迫力がすごい。
最近のバイクは何かとコンパクトになってきていますが、それとは真逆なほどにゴツいです。
ですが、いかにも大型バイクというのを主張するようなデカさが格好良さを増している気がします。
個人的にもこれくらいのサイズ感のほうが好みでもあったりします。
装備重量で250kgを超えるので、跨った状態での押し引きはもちろん降りた状態で動かす際もそれなりには重たいですね。
そういう点ではふとした時に乗れる「気軽さ」みたいなものはないと思います。
ちょっとバランスを崩しただけで体ごと持っていかれそうになるので、取り回しには注意が必要です。
【全長/全幅/全高】
2,160mm/810mm/1,140mm
【車両重量】
226kg(乾燥重量)/253kg(装備重量)
テールカウルに書かれた車種名。
「絶版車=キャブ車」とイメージしがちですが、このバイクはインジェクション車両です。
足つきには不安が残るかも
【シート高】
775mm
実はシート高自体はそこまで高くないのですが、車両のサイズが大きいこととシートが幅広になっているので、跨る際には少し不安が残ります。
つま先立ちだと、重たい車体を支えるのが少し不安定になりますね。
灯火類はシンプルだがちょっとした工夫も・・
灯火類に関しては非常にシンプルかつスタンダードな形状です。
ですが、ちょっと良いなと思ったのが、テールライトと反射板が一緒になっていることです。
テールライトのスペースに収まっているので、どこかに飛び出ることもなくなかなかスマート!
フェンダーレスにしても反射板に悩まなくて良いのはちょっと嬉しいですね。
二連アナログメーター
メーターはシンプルなアナログメーターです。中央にはインジケーターが配置されています。
スピードメーターは260kmまで刻まれています!
ハンドル周り
左右共にダイヤル調節可能なレバーが採用されています。パッシング、ハザード共に装着されています。
リザーバータンク付きツインサス
リアサスペンションはフルアジャスタブルタイプ。軽やかな走り、スポーティな走りに寄与しています。
二本出しマフラー
マフラーは二本出しになっており、見た目の存在感はもちろん、エンジン始動時も迫力ある低音を響かせます。
あらゆる用途で便利に使えるタンデムグリップ
タンデムグリップがなかなかに主張してくるサイズ感。
掴む時の安心感はもちろん、荷物を乗せる時のストッパー的な存在にもなってくれるのではないでしょうか?(なってくれなかったらスミマセン)
また、荷掛けフックも着いているので何かと便利に使えそうです。
センタースタンド装備!
メンテのときも便利!駐車時も安定感あり!
ということでセンタースタンドが装備されています。
ただ、250kgオーバーの車両でセンタースタンド立てるのが久々だったので緊張の作業・・・(笑)
下ろす際も結構慎重にスタンドを払いました(笑)
ちなみに、センタースタンドを立てる際に車体をしっかり握れるように、サポート用のバーがテールカウル下にあり、これを握るだけで車体を上げやすくなります。
シート下のスペースも広い!!
一体型のシートを外すと広いスペースが登場。
なかなか広いので雨具はもちろん、ウェスなども余裕で収納ができそうです。
ただし、深さはないので背の高いものは入れられないですね。
最後の油冷エンジン
スタイリングこそ一見普通のネイキッドですが、スズキらしさを感じる「油冷エンジン」です。
油冷最後の車両にして唯一のインジェクションという部分もなんだか特別な感情を抱かずにはいられません。
12.8kg・m(126N・m)/5000rpmmというトルクは予想以上にパワフルで、低回転でもマシンを力強く押し出してくれます。
かといって暴れ馬のような操作性ではなく、非常に扱いやすいマイルドな性格です。
ビッグバイクの余裕をしっかり感じることのできる大人なバイクですね。
走り出すと途端に重さを感じなくなる!
ここからは実際に乗ってみたインプレをご紹介します。
実際に走ってみると意外な発見が・・・!?
<スタッフA:トノ>
【極太トルクと安定感で超楽しい!】
まずはスペックや印象から書きます。
SUZUKI最後の油冷エンジンは、100ps/6500rpm、12.8kg・m/5000rpmというスペックでして、「えっ!?トルク12.8kg・mもあるの!?」となりました(笑)
当時(2008年頃)のビッグネイキッドでは、CB1300SFなどと比較しても恐らく最強クラスのトルクでしょう。
外観は、これぞビッグネイキッドと言わんばかりの堂々たるものですが、車重は乾燥で228kgですから「1400ccにしては軽い!」です。
同じ年式の他車種と比べると、たとえばCB1300SFは234kg、ZRX1200Rは224㎏となっていますから、GSX1400の228kgというのは本当に軽いと言えますよね。油冷エンジンだから成せる軽さかもしれません。
そんなことを思いつつ、人生で初めて乗ってみました。
クラッチを繋いだ瞬間・・・いや、半クラッチの段階からモリモリのトルクが伝わってきました。
クローズドコースにある登り坂で試したのですが、なんとスロットルを開けずに半クラッチだけで頂上まで登りきってしまったんです。「これほどか!」とビックリしました。
「でも、ドンつきがキツイんじゃない?」と思う人、いますよね?私も最初はそう思ってました。
ところが、まったく問題なかったんです。
狭いクランクを低速で走行したり、タイトなコーナーへの進入~立ち上がりを何度もやってみたり、他にも狭いS字などあれこれ試しましたが、気になるドンつきはありませんでした。
むしろ巨体を忘れてしまうほど乗りやすく、ヒラリヒラリと気持ちよく走れました。
サスペンションやタイヤも良いと思いましたが、トルクだけではなく、どっしりした安定感が根底にありました。
それ故に、安心してバンクさせることができたのは間違いありません。ビッグネイキッドを"操ってる感"がたまりません(笑)
取り回しはそれなりに重たかったですが、それを打ち消すほど楽しかったです。現代でも十分に通じる良いバイクです。
こんな人にオススメしたい!
「SUZUKIが好き」「油冷の最終形態を味わいたい」「他の人と被らないネイキッドが欲しい」
<スタッフB:リュウ>
【軽やかな走りに驚き!】
一通り車体の撮影をしてから試乗の時間を取ったのですが、取り回しがまぁまぁ重くて結構疲れた状態でした(笑)
そんな中での走行だったので、ちゃんと走らせられるかな?と若干の不安があったのですが、そんな不安も走り出せばあっという間になくなってしまいました。
とにかく走りが軽快!
さっきまでの重さはどこに行ってしまったのかというくらい軽快に走ることができます。
細かい道も走りましたが、ハンドリングに不安は一切なくスムーズな操縦ができました。
そしてなによりもトルクフルなエンジンが素晴らしいです。
発進からモリモリトルクを発揮して、もたつくこと無く進むことができます。この力強さは本当に楽しい。
低速でゆったり余裕のある走りも楽ですし、もちろん大排気量故にに加速も十分。
これは高速を使った長距離ツーリングなどでも恩恵を感じられそうです。
ぜひ多くの方にこの良さを体感して欲しいと思いました。
まとめ
2人の感想がまさかのほぼ被りでした(笑)
打ち合わせ無しでそうなってしまうという事は、それだけGSX1400の強力なトルクが印象に残る程ということなのでしょう。
なかなか試乗する機会というのはないかもしれませんが、ぜひ乗って欲しい1台です。
カスタムの幅も広そうなので、様々な楽しみ方ができて手放せない存在になりそうです。
撮影協力:Bike Life Lab supported by バイク王
今回ご協力いただいたバイク王様では話題のバイクニュースやオススメのバイクロード100選、各種お役立ちコラムなど様々なコンテンツを提供するBike Life Lab(バイクライフラボ)を展開しています。
このモトレポートと共に読むことでバイクライフを更に楽しいものにすることができますので是非ご覧ください。
ウェビック掲載中のバイク王の中古車を探す!
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