ホンダ リトルカブは、その名の通りスーパーカブをちょっと"小さく"したモデルです。
レトロなスタイリングはそのままにポップなカラーリングを纏い、オシャレにバイクを乗る女性や若年ユーザー層に支持されてきました。
もちろんスーパーカブ譲りのエンジンやメカニズムと信頼性を備えていますので、ナリは小さくともタフさにも定評があります。

今回は、そんなリトルカブに見て・乗って・触って分かったその魅力についてインプレッションします。 

【リトルカブ の ココがイイね!】

|1| スーパーカブを小さく丸くかわいらしくしたレトロなスタイリング
|2| スーパーカブ譲りの低燃費と信頼性の高さ
|3| 軽くて小さくて、取り回しがすごく楽!

【ホンダ リトルカブ】
ディテール&試乗インプレッション

リトルカブは、スーパーカブとエンジンなどメカニズムを共通としながら、97年に販売開始されました。

発売された背景には、'90年代初め頃からスーパーカブのもつ業務用というイメージを変えるカスタムを施すことで、オシャレにカブに乗るユーザーが拡がりをみせたことにありそうです。
専門ショップによるカラフルなコンプリート車や、各メーカーからカブ用のカスタムパーツが増えだしたのもこの頃。
そんな「カブもオシャレでかわいい乗り物じゃないか」という見方に決定打となったのが、メーカーであるホンダ自身によるリトルカブの発売でした。

スーパーカブとの違いは、
1.タイヤが小さい スーパーカブ17インチ:リトルカブ14インチ
 乗り降りしやすい、小回りがきく、取り回しが軽い、などのメリットがあります。
2.キャリアやボディ各所も小さくて丸い
 より愛らしいデザインに手直しされています
3.ポップな色使いのボディカラー。限定色も多い
 より自分の好みにあったデザインを選ぶことができます。

その後は排ガス規制対応やFI化によるエンジン変更などがありながらも、小さくて丸くてかわいらしいカタチのまま20年間販売されてきました。

そんなリトルカブの詳細について迫ってみましょう。

スタイリング

20年前の発売当時でもレトロ感あった「昔から変わらないカブ」のイメージを基本に、より丸くてかわいらしい曲線を取り入れたデザインは、今でもかわいらしい魅力がありますよね。
本家のスーパーカブが四角い目の角ばったデザインに変化した2012年以降は、国内における「カブ」のイメージを守り続けてきたのは、むしろこのリトルカブであると言っても過言ではないと個人的には思います。

日本中どこに置いても、どこを走っても、どんな格好で乗ってもサマになるのが「カブスタイリング」の良さですよね。

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ハンドル/メーター周り

ハンドルはスーパーカブ同様の、ライトと一体化されたカバーに覆われたもの。
車両の小型化に合わせて少し低い位置にあります。グリップもカブ特有の細さなので、手が小さな方にもフィットするのではないでしょうか。

そしてリトルカブの特徴として、クラッチレバーはありませんので、ハンドル左はレバーが何もついていません。
スクーターと違って、速度に合わせてギアチェンジは必要ですが、マニュアルミッション車とちがってクラッチ操作は機械がやってくれます。

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メーターは速度、距離(オド)、ニュートラルランプ、各種警告灯のみのいたってシンプルなもの。
原付クラスお決まりの、30km/hでピコピコ光る警告灯もついていますので、速度の出し過ぎを視覚的にも防ぐことができますね。

キー/スイッチ類

メインキーの差込口は左ハンドル下にあります。
そしてハンドルロックは右側フロントフォーク上部の奥に装着されています。
始動時は2か所にキーを差すことになるので、現代的なロックとイグニッションが一体化されたものに比べると、少し面倒さを感じます。

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ハンドルにつくスイッチはとてもシンプルなもの。
左はライトのハイorローの切り替えとホーン。
右はこれまたカブ譲りの上下スライド式ウィンカースイッチ。これは左右式ボタンと比べてわかりにくいと昔から言われていますが、カブの伝統に則ったんでしょうかね。
セル付きモデルの場合はこの下にセルボタンがつきます。

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ヘルメットロックは車体右側のキャリア横に装備されています。
キャリアに荷物を満載したときには、なかなか引っ掛けるのが難しい位置です。
車体が小さい細いのと比較すると、かなりヘルメットが出っ張ることになるので、駐輪するときは周囲のスペースに気を配りたいですね。

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灯火類

ヘッドライトやウィンカーも、メッキのウィンカーボディやリングなどレトロ感あふれるものです。
どれもスーパーカブ時代からの普通の電球を使用しているので、消耗した際にも安価に交換できますね。

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シート/足つき

シートはスーパーカブよりも30mm低められたもので、乗り降りを重視して足がスッとだせる形状です。
ただ1時間以上の走行になると、お尻にダメージも・・・長距離走行はあまり想定されていない車種なので仕方ない部分ではありますね。

足つきはとてもよく、軽量な車体と相まって小柄なライダーでも苦労することはほとんどないでしょう。
身長167cmの私でも、ベッタリと足がついて何の心配もありませんでした(画像は無し)。
逆に、画像のような身長180cmを超えるライダーになると、膝の曲がりがかなりきつくなってツラいそうです。大柄な人はスーパーカブを選択したほうが乗車姿勢は楽になるでしょう。

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タンク/燃料計

容量3.4Lのガソリンタンクは、シート下に置かれています。
シートをあげると、そこにはタンクキャップと燃料計があります。停車しないとガソリン残量が目で確認できませんが、FI化されたこのモデルでは残量警告灯がメーター内にあるので参考にしましょう。
燃料警告灯がついた場合の残量は0.7Lで、燃料計の針が補給になった場合の燃料残量は約1.1Lとのこと。
今回の試乗では、53Km/Lほどの燃費だったので、警告灯が点くまでの航続距離は140km程度が目安になるでしょう。

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積載性、車載工具

シート下にスペースの無いカブタイプのアンダーボーン車両は、荷物を積載する場合は主にリヤキャリアに頼ることになります。
軽量なものであれば、レッグシールド内側につくコンビニフックも利用可能。ちょっとしたお買い物に役立ちそうですね。

リヤキャリアはスーパーカブに比べて小振りのもの。車体色に塗装されているのがオシャレでいいですね。
ボックスをつけて積載量を増やすのはよくある手法ですが、原付にも法令でサイズや重さに制限があるので気を付けましょう。

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車体横にあるボックスは、十円玉などで開けることができます。そこには登録や自賠責の書類を入れるスペースと車載工具が搭載されています。
工具は必要最低限のものですが、プラグレンチが入っているのでこれだけでプラグ交換ができますよ。

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足回り/ブレーキ/タイヤ

サスペンションは乗り心地重視のフワフワとよく動くもの。
体重の重い方や荷物満載時は、段差を超える際などは底付きしないよう気を付けたいところです。
フロントのボトムリンク式サスペンションは、ブレーキをかけるとピョコンと前に動く感覚があります。リトルカブ(含む旧型カブ)独特の動きとして慣れちゃいましょう。

ブレーキは前後ドラム式で、原付の法定速度域では十分に効くもの。
弱点は雨に濡れたあとなどは、カックンと急に効く動作になりやすいのとキーキーと音がすること。
どちらもこまめなメンテナンスで抑制は可能なので、効きが不安になってきたらバイクショップに相談しましょう。
ブレーキに限らず、バイクには消耗品が多数あるので乗りっぱなしではダメですよ。

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タイヤサイズは、フロント:2.50-14 リヤ:2.75-14と前後で幅の違うサイズを使用しています。
そのため前後でのローテーションはできませんが、このサイズのタイヤは安価なものが多いためとても経済的です。
郵便や新聞配達のカブ(カブプロ)も同じサイズのタイヤを使っているので、日本中のバイクショップでもストックがあることが多く、パンク修理を受け付けてもらいやすいのもいざという時に安心ですよね。

エンジン/マフラー

エンジンの始動方式は2種類あって、セル付きモデルとキック始動のみのモデルがあります。
今回の試乗車はキック始動のみでしたが、軽いキックでトトトッと始動するので煩わしさもありませんでした。
排気音もとても静かで、暖気時などでもご近所の迷惑にならない音量なのが安心できる。

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ギアチェンジは、こちらもスーパーカブの機構を踏襲したもので、シーソー式ペダルを用いて行うもの。
自動遠心クラッチがついているので手動でクラッチ操作の必要はないが、速度に合わせて足でギアを選択する操作が必要。
ペダル前側を踏み込むとギアが上がり、後ろ側を踏み込むとギアが下がる。走行中はリターン式で、停車時のみロータリー式となって3速(セル付き車は4速)からニュートラルへのチェンジが可能になります。

これらの操作は、スクーターなどと違う操作が必要。マニュアルミッション車に乗ったことのない人が運転するには、覚えることはたくさんありますが、慣れればこのギアチェンジこそがリトルカブの真骨頂ともいうべき面白さになるでしょう。

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実際に、街中の移動と10kmの通勤路で試乗をしてみました。
わずか3.4馬力のエンジンなので、発進加速はあまり得意ではありません。
同じ原付クラスでも、同社のタクトやダンクの方が力強い加速をしてくれます。
ただし一度速度がのってしまえば、軽やかな回転に合わせてギアチェンジを駆使することで、制限速度を超えようかという走りをみせます。

スーパーカブより小さいとは言ってもスクーターなどと比べると大きな径のタイヤを履いているので、悪路などにも強いです。
そして何より、スーパーカブ譲りの信頼性を備えていることは毎日の利用にとても大きな安心感になりますよね。

まとめ

つい先日のことですが、新聞各社が報じた「スーパーカブシリーズ新型の生産を国内に戻す」というニュースが話題になっています。
その一方で、リトルカブは排気ガス規制のために生産終了となってしまいました。
ただ販売店の店頭在庫としてまだ新車を買えますし、20年間の間に生産された中古車も数が豊富です。

小さくてかわいい車体にタフさを兼ね備えた名車で、軽やかに街中を走ってみませんか。

※この記事の内容は2017年9月27日時点での情報です

撮影協力:株式会社ホンダモーターサイクルジャパン

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