
オートバイのジャンルの1つとして「デュアルパーパス」という言葉を聞いたことはないだろうか。
「デュアルパーパス」は文字通り「2つの用途」を指しており、オートバイでは舗装路(オンロード)と未舗装路(オフロード)両方の走行を可能な車両としている。
「デュアルパーパス」の定義というのは諸説あるようだが、今回紹介させていただく車種をご覧いただければイメージが伝わることだろう。
車体構成としては、ストロークの長めな前後サスペンション+単気筒または2気筒エンジンを備え、車体の特徴はオフロードバイクに近い車両が多い。17インチを中心としたオンロード向けタイヤ・ホイールを装備しており、オフロードをガンガン走破するというよりは、オンロード走行を中心とした用途に適している。
今回ご紹介する4車種は、650cc以上1000cc未満という使い勝手のよいものを選定した。ゆとりある排気量が、高速道路を使ったツーリングにもゆとりを与えてくれる。そしてリッタークラスの大型デュアルパーパスやアドベンチャーに比べると楽な取り回しは、ツーリング先で出逢った未舗装路へのチャレンジも後押ししてくれる。
デュアルパーパスは、「オンロードもオフロードも中途半端」ということでは決してない。
むしろ車体のバランスや機能、使い勝手は年々進化しており、一騎当千の相棒として申し分ない一台になるだろう。
国内4メーカーはもちろんだが、欧州メーカーも競うように新しいモデルを発表・販売していることからも、旬で人気のあるジャンルの1つであることは言うまでもない。
特にHONDA NC700シリーズの人気には目を見張るものがある。2014年から新たに加わったNC750Xにも注目だ。
目次
HONDA NC700X 新車・中古車をさがす
ホンダのヒット作であるNCシリーズの一番の売れ筋がNC700Xだ。
それまでの最高出力主義に一石を投じたとも言えるバイクで、ライダーが使いやすい出力・トルク設定と低燃費を実現した。
エンジンは四輪のフィットをベースに並列2気筒ツインにしたもので、トルクが低回転から十分に出ていながら、ツーリングでの実燃費35km/Lというミドルクラスとしては驚異的な燃費の良さで、より遠くまで走って行きたいという気分にさせてくれる。 CB400SFよりも安いという手頃な値段も嬉しい。
通常ガソリンタンクがある位置にはメットインにも使える大容量ラゲッジスペースがあり、旅のバイクとしての使い勝手も良い。
デュアルパーパスとしてのオフロード性能は、純正のオンロードタイヤと前後17インチタイヤのためにそれほど高くはないが、フラットダートであれば問題なくこなせる。
DCTモデルならば、オートマチックミッションでありながらハンドルのボタン操作でギア選択も可能。ユーザーの間口を広げる機構として期待できる。
※ウェビックスタッフがオススメするNC700Xのカスタムパーツはコチラ!
今一番売れている商品やスタッフイチオシのパーツなど、NC700Xにピッタリなパーツを掲載中です。
SUZUKI Vストローム DL650 新車・中古車をさがす
スズキは油冷単気筒を積んだDR800というバイクをかつてラインナップしており、Vストロームはその直系とも言えるバイクだ。
Vストロームは1000ccと650ccがあり、いずれもV型水冷ツインを搭載。 DR800に比べるとオンロード志向に振られている。 Vストローム650は国内仕様も販売されており、輸出仕様と比較して最高出力がほぼ同じでありながら、逆輸入車よりも割安なプライスタグがついているのも嬉しい。
快適にロングツーリングをするための装備も充実しており、20リットルの大容量タンク、大型リキャリア、高さ調整が可能なウインドスクリーン、電子制御式ABSを備えている。
835mmというシート高もこの手のバイクとしては低めでありながら、フロント19インチホイールとも相まってオフ性能も十分だ。1000ccのVストローム1000ABSもフルモデルチェンジをし、2014年6月4日に発売となる。
KAWASAKI ヴェルシス 新車・中古車をさがす
水冷4st並列2気筒の心臓を持つカワサキのデュアルパーパスマシン。
何と言っても特徴的なそのスタイル。縦に並ぶヘッドライトを収めたビキニカウル、そこからタンクにかけてのラインが美しい。
カワサキらしい大柄なボディは、日本人の平均体系からするとやや大きい感もある。今回ご紹介する4車種の中ではシート高も最も高い840mm。購入を検討する際には、在庫しているショップで跨らせてもらうなどして確認することを推奨する。サスペンションや車高の調整をショップに相談してみるのも良いだろう。
オーナーから見た燃費や走行に関する評価は高く、合計評価ポイントもタイガー800に続く87.4ptと高い。
街で見かけることの少ない車両だが、一度見たら忘れられないような印象深いバイクだ。
直列4気筒のヴェルシス1000もチェックしておきたいところ。
TRIUMPH TIGER800 新車・中古車をさがす
最近こそヤマハやMVアグスタから魅力的な3気筒モデルが登場してきたが、その火付け役は、やはりトライアンフのトリプルエンジンであろう。
ツインのようなドコドコ感でもなく、4気筒のモーター感とも違うトルク感が多くのバイクを乗り継いできたベテランライダーの心を掴んでいる。また、3気筒独特のエンジンサウンドは非常に官能的で、低回転は濁ったモーターサウンド、高回転になると野太く、かつ脳天に響くような雄叫びに変わっていく。
トライアンフは675ccから1050cc、過去には2300ccのトリプルも存在しており、モデルごとに味付けが最適化されている。タイガー800のトリプルエンジンは下から上まで幅広いトルクバンドに調律されており、官能と実用性を兼ね備えている。
このエンジンを抱く車体はヨーロッパ製のアドベンチャーモデルの例に漏れずやや大柄なポジションではあるが、2段階設定式の可変シートもあいまって、平均的な身長があれば充分に操ることができる。