ここ10年間ほどのバイクのトレンドを見ていると、進化が著しい新たなジャンルとして「ストリートファイター(略称ストファイ)」と「アドベンチャー」を挙げることができる。
ストリートファイターはネイキッドバイクの亜種と見ることができるが、実際にはツインリアショックやスチール製ダブルクレードルフレームを特徴とするクラシックなネイキッドとは対極の存在だ。
ストファイが生まれたのは1980年代のヨーロッパ。
日本製スポーツバイクのカウルをはぎ取ったことが始まりだが、これは当時のイギリスの若いライダーが転倒で壊れたカウルを買い替えることができず、カウルを取り外してカスタムしたことからと言われている。
さらに、カスタムバイクとしてスタイルが進化していき、ハンドルはセパレートからバーハンドルに、マフラーは軽量で短くなり、二眼ヘッドライトや異形型ヘッドライトを備えるようになった。
エンジンと足周りがスポーツバイクと共通であることからストファイの戦闘能力はきわめて高い。
ライダーが個性を表現するものとして始まったストファイは、エクストリーム(ウィリーやストッピーなどの曲乗り)との親和性も高い、ちょっとアブナいバイクだったのだ。
しかし今やストファイは、メーカーが専用車種をラインナップするまでになり、人とは違うスタイルや刺激を求めるライダーの人気を集めている。
今回紹介する4車種の他に、日本では未発売だが、ヤマハのMT-09、MT-07も注目しておきたい。他にもイタリアのアプリリアからはTUONO1000Rとシヴァー、MVアグスタからF4ベースのブルターレ、ホンダイタリアからCB1000Rという個性的なストリートファイターも発売されている。
DUCATI STREET FIGHTER 新車・中古車をさがす
ずばりストリートファイターと名づけられたこのバイクは過激そのものだ。スーパーバイクシリーズのひとつである1098のエンジンとフレームがほぼそのまま使われている。
そのためドゥカティがネイキッドバイクとして古くからラインナップしているモンスターシリーズと同じ感覚でいるとこのバイクを手懐けることはできない。
乾燥重量は標準仕様で169kg(Sバージョンで167kg)、ガソリンと油脂類を加えた車両重量でも197kgという驚愕の軽さだ。 カワサキ Z1000の220kg、スズキ GSR750ABSの213kgと比較するとその軽さが際立つ。
その軽量の車体に7000rpmで106ps(日本仕様。本国仕様は155ps)を発生する水冷デスモドロミック4バルブL型2気筒を搭載する。
2012年にはミドルサイズのストリートファイター848が登場した。
KAWASAKI Z1000 新車・中古車をさがす
カワサキがかつての名車Zの名を冠し、水冷エンジンを積んだZ1000を発表したのは2003年のこと。以来、熟成とモデルチェンジを重ねてきた。
2014年モデルはさらに先鋭的なデザインを推し進め、「凄み」というコンセプトを体現する猛獣系のルックスは2013年11月に開かれた東京モーターショーでも話題を呼んだ。
初代のエンジンは当時のスーパースポーツであるZX-9Rの953ccがベースとなっており、2010年のモデルチェンジで完全新設計の1043㏄に拡大され、最高出力も142馬力に引き上げられた。
フロントブレーキは剛性とタッチに優れるラジアルマウントのモノブロックキャリパーを採用。
フロントサスペンションはセパレート・ファンクション・フォーク-ビッグ・ピストン(SFF-BP)と名付けられたショーワ製を採用、左側トップキャップでプリロード調整を、右側トップキャップで伸/圧減衰力調整をする機構となっている。
持て余すほどの圧倒的なパワーに尻込みするというライダーにはZ800がオススメだ。 Ninja1000はZ1000にカウルとウインドシールドを取り付けたスポーツバイクで、快適なツーリングが楽しめる。
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SUZUKI GSR750 新車・中古車をさがす
ベース車はミドルクラスのスーパースポーツであるGSX-R750なだけに、必要十分以上の動力性能を備えている。
エンジンはGSX-R750のカム形状、吸排気系を見直し、低速域の燃焼効率向上を図っている。
国内仕様のスペックは最高出力が106PS/10,000rpm、最大トルクが8.2kg-m/9,000rpmとなっており、レッドゾーンは11,500rpmから。
サスペンションは前後ともカヤバ製を装着し、フロントは剛性と見た目のスポーティーさを強調する倒立タイプとなっている。
国産のスーパースポーツでナナハンをラインナップしているのはスズキのGSX-R750だけだが、600ccでは物足りない、スーパースポーツのポジションは普段使いにはキツいというライダーにぴったりの1台だ。
TRIUMPH STREET TRIPLE 新車・中古車をさがす
新生トライアンフの看板とも言える3気筒エンジンを搭載するストリートファイターがSTREET TRIPLEだ。
今回紹介するストファイでは最も小排気量の675ccエンジンで85馬力を発生する。
その名の通り、ストリートにぴったりのサイズ感とパワーのストリートファイターだ。
4車種の中ではシート高も最も低い800mm。リアサスが柔らかめであるため足つき性は良い。
一般的な400ccネイキッドバイクよりも軽い約180kgの車重のおかげでヒラヒラとカーブを駆け抜けることができ、その切り返しの軽さは病みつきになる。
2気筒と4気筒のいいとこ取りな3気筒エンジンだが、トライアンフの3気筒はフラットなトルクが特徴。
スロットルの開度に比例して、どの回転数からでも力強く加速する。 STREET TRIPLE Rは最高出力が104馬力に引き上げられ、フルアジャスタブルサスペンションを装備した上位バージョンだ。
同じくトライアンフからは135馬力1,050ccエンジンのSPEED TRIPLEもラインナップされている。
映画「ミッション・インポッシブル2」でトム・クルーズがジャックナイフターンをキメたバイクとしても有名だ。
いずれのモデルもカスタムバイクから始まったストファイの成り立ちよろしく丸目2灯のヘッドライトだったが、2012年モデルから外観を一新し、特徴的な2眼の五角形ヘッドライトになった。