
文/Webikeスタッフ:アキヒト
目次
【カワサキ ニンジャ1000】
ディテール&試乗インプレッション
ネイキッドモデルのZ1000をフルカウルにしたのがこのニンジャ1000。「フルカウルバイクが良いけどスーパースポーツはちょっと…」いうユーザーの心をがっちりと掴んだ1台です!
その限りなくスーパースポーツに近いルックスと直列4気筒エンジンを搭載しながらも、ツアラーとして味付けされた走りと装備はまさにギャップ萌え!
モデルチェンジしたことでデザインもさらにスポーティになりましたが、装備や走りはどのように変わったのでしょうか?
今回はそんな新型ニンジャ1000に迫っていきたいと思います!
見た目はかなりスポーティだが、ツアラーとしても充実の装備
初めて新型ニンジャを見た時の感想は、「思った以上に大きい」でした。
ツアラー寄りという事もあり、タンクも大きく、ハンドルとミラーの幅も広めになっています。
ハンドルはセパレートハンドルですが、ハンドル位置は高く、ポジションはバーハンドルのバイクとそんなに変わらない感じですね。
リアビューは190サイズのタイヤと2本出しマフラーの組み合わせがかなり迫力あります!
前モデルでも装着されていた可動式のスクリーンはこのモデルでも健在で、ダブルバブルスクリーンは3段階(最大幅約20°)の調節ができます。
【全長/全幅/全高】
2,100mm/790mm/1,185mm(1,235mm)
※()内はスクリーンハイポジション時
【車両重量】
235kg
ニンジャ1000のシート高、足つきをチェック
【シート高】
815mm
【足つき】
リッターフルカウルバイクとしてはそこまでシート高も高くはありません。
タンクやエンジンのボリュームで少し幅広くなりますが、踵が少し浮くくらいで支えるのに問題はありませんでした。
161cmのスタッフでは両足つま先立ちになりますが、何とか支えられるとの事でした。片足立ちであれば問題なさそうです。
ニンジャ1000の灯火類をチェック
【ヘッドライト】
ヘッドライトはLEDになり、夜間の視認性が格段にアップしました。
ロングツーリングなどで夜間走行となってもこれまで以上に安心して走れますね!
【テールライト】
テールライトもデザインが変わりスモークレンズが採用されました。
純正ながらスモークレンズ+LEDランプのスタムされたようなテール周りが栄えますね!
Ninja1000のメーターをチェック
メーターはアナログタコメーターと多機能液晶モニターのスポーティなレイアウトです。
液晶モニターの表示情報にはスピードメーター、ギヤポジションインジケーター、シフトアップインジケーター、オドメーター、デュアルトリップメーター、航続可能距離、瞬間/平均燃費、外気温度、水温、時計、パワーモード、KTRC(カワサキトラクションコントロール)を表示します。
多機能メーターの画面切り替え動画はこちら!
ニンジャ1000のスイッチ類をチェック
液晶モニター上段と下段に表示されているODOや平均燃費などはメーターについているボタンでも切り替えができますが、左ハンドルスイッチについている「▲」「▼」ボタンでも切り替えができます。
パワーモードとKTRCは左ハンドルスイッチの「SEL」で選択肢、「▲」「▼」で設定を変更する事ができます。
ニンジャ1000の足回りをチェック
【タイヤサイズ】
120/70 ZR17M/C 58W
190/50 ZR17M/C 73W
ホイールはスーパースポーツモデルのようなデザインの6本スポークを採用。
リアタイヤが190サイズで、安定感と共にリアビューの迫力にも寄与しています。
【ブレーキ】
フロントブレーキは外径300mmダブルディスクと4ポッドモノブロックラジアルキャリパーを装備。
リアブレーキには外径250mmシングルディスクと1ポッドキャリパーを装備。
新たにKIBS(カワサキインテリジェントアンチロックブレーキシステム) を装備しました。
KIBSとは、前後のホイール速度差だけでなく、フロントキャリパーに掛かる油圧、エンジンECUからのスロットルポジション、エンジン回転数、クラッチとギヤポジションなど多様な情報を解析し、最適なブレーキングをアシストする高精度ブレーキ制御システムです。
このシステムはZX-10RやH2のような上位モデルにしか装着されていなかった、IMU(慣性計測装置)を装着したことで可能となりました。
他にもKIBSではシフトダウン時の過度なバックトルクにも対応し、リアブレーキを使った微細なコントロールと、コーナリング中にブレーキングを行っても車体が急激に起き上がらないコーナーブレーキコントロール機能を備えています。
【サスペンション】
フロントには41mm径インナーチューブを装着した倒立フロントフォークを装備。圧側、伸側減衰力とプリロードの調整が可能です。
リアには伸側減衰力とプリロード調整が可能なリアショックを装備。プリロードの調整は別体式プリロードアジャスターにより簡単にセッティングができます。
ニンジャ1000のエンジンとマフラーをチェック
最高出力:104kW(141PS)/10,000rpm
最大トルク:111N・m(11.3kgf・m)/7,300rpm
最高出力は141PSとツアラーとして十分なパワーをもっていますが、中回転域でパワーとトルク感を得られるようなセッティングになっています。
スロットルも低中速回転域でのレスポンスを重視した38mmスロットル径に設定されています。
エキゾーストシステムは、4-2-プレチャンバー-2のレイアウトを採用。サイレンサーは4本出しをイメージしたデザインになっていて、他車には無い独特な存在感を放っていますね!
クラッチでは新たにアシスト&スリッパ-クラッチを装備。クラッチレバーの操作感を軽くするだけでなく、駆動力の伝達もより確実なものになっています。
クラッチ操作が軽くなるだけでなく、急なシフトダウンなど過度なエンジンブレーキがかかった際には、バックトルクを逃がすことでリヤタイヤのホッピングやスリップを防ぎます。
エンジンのパワーもフルパワーとローパワーの2つの出力特性を選択できるようになりました。ローパワーモードではフルパワー約70%の出力となります。
KTRCと組み合わせることでライダーは状況に応じて8通りのエンジン特性とトラクションコントロールを選択することが可能です。
ニンジャ1000のタンクをチェック
タンク容量は19Lと、ツアラーとしてロングツーリングにも十分対応できるサイズですね。
燃費は17.5km/L(WMTCモード値:クラス3-2)と、単純計算でも300km以上連続で航続することができます。
ニンジャ1000のシートをチェック
シートはそれぞれ分かれていますが、どちらも肉厚になっていて長時間座っていても疲れにくいと思います。
タンデムシートの下には標準でETC1.0が搭載されています。ETCはメーターにもインジケーターが表示されています。
ニンジャ1000の気になるお値段は!?
メーカー希望小売価格:1,274,400円(本体価格1,180,000円)
※2018年11月現在
今回のモデルチェンジでは各種電子制御とスリッパークラッチが追加されましたが、販売価格は100万を超える程度と現実的な設定です!
正直これだけの装備がついてこの価格は、コストパフォーマンスもかなり高いと言えるでしょう。
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ニンジャ1000のハイテク電子制御
新たに多くの電子制御が搭載されましたが、そのどれもがボッシュ製IMU(慣性計測装置)によって制御されています。
このIMUはZX-10Rに搭載されているものと同じもので、走行中にかかる縦、横、垂直方向の加速度、ヨーとローの角速度(角度の時間変化量)を計測することで、車体姿勢を精細にコントロールすることができます。
IMUによって制御されている電子制御はパワーモードとKIBSの他にKCMF(カワサキコーナリングマネジメントファンクション)とKTRC(カワサキ・トラクション・コントロール)があります。
KCMFはIMUのデータからコーナリング中のエンジンや車両の状態を計測し、パワーやブレーキングを最適な状態に調整します。これにより加減速時の車体の挙動がスムーズになり、ライダーが思い描く走行ラインをより確実に走れるようにアシストします。KCMFの制御はKTRCとKIBSにも影響を与えます。
KTRCは3つのモードとオフが選択可能。モード1と2は加速を最優先にし、モード3は滑りやすい路面でのグリップを優先にしています。
0.005秒ごとに走行コンディションを確認することでリアタイヤのトラクションの状態をあらかじめ予測し、理想的なスリップ率を算出します。
特にモード3では、突然現れるマンホール、濡れた舗装路、砂利道のような悪路でも、タイヤが滑り出す前に最大限のトラクションを得られるよう出力を補正してくれる優れものです。
どんな状況でも安定した走りができるのは、ツーリング中に急に天候が変わったり、悪路を走ったりする時でもライダーに安心感を与えてくれますよ!
これまでのツアラーは長い距離を快適に走れることが求められていましたが、今後はどんな場面でも安心して走れることもツアラーに求められていきそうですね!
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