【ケニー佐川:Webikeニュース編集長】

30馬力アップに10キロ減量の凄み

トライアンフから新型「スピードトリプル1200RS」が国内デビューする。デザインからエンジン、車体まで完全新設計のフルモデルチェンジである。

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切れ上がったLEDヘッドライトにシャープな輪郭を描く細マッチョボディが走りを予感させる新型スピードトリプルは、Moto2で培った知見とノウハウが注がれた並列3気筒エンジンは排気量を1,160ccに拡大し最高出力はなんと従来比30psアップの180PS/10,750 rpmを実現。一方で車体は10kgも軽量化され装備重量で198kgまで絞り込むなど、運動性能を表す指標であるパワーウエイトレシオを劇的に向上させているのがポイントだ。

加えて、オーリンズ製の最高峰クラスの前後サスペンションと、ブレンボ製スティルマを標準装備するなど足まわりも豪華。改良されたトラックモードを含む5種類のライドモードの他、IMU搭載のコーナリングABS&切替式トラコンにクイックシフターで武装し、キーレスシステムにコネクティビティも標準装備するなど最新デバイスもテンコ盛りだ。

並み居るライバルを打ち負かす決戦用戦闘マシン

これまではわりと地味に改良を積み重ねてきたトライアンフとしては、ちょっとやり過ぎなぐらいの大進化である。裏を返せば、勝負に出てきた決戦用戦闘マシンと見ていいだろう。Moto2のエンジンサプライヤーとして名を上げたトライアンフではあるが、WSBKホモロゲモデルのようなリッタークラスのスーパースポーツを持っていない現状においては、この新型スピードトリプルがフラッグシップそのものだからだ。
事実、あらためてスペックを見てみると、そのパワーと車重、強靭な足まわりと充実した電子デバイスなどの装備を見ても、欧州勢トップクラスの高性能スポーツネイキッドに割って入る実力を備えている。

ちなみにライバルと思われるモデルとそのスペックをざっと挙げてみたのだが、DUCATI ストリートファイターV4(V型4気筒1103cc/208ps/180kg乾燥車重)、KTM 1290スーパーデュークR(V型2気筒1301cc/180ps/189kg乾燥車重)、アプリリア トゥオーノV4(V型4気筒 1077cc/175ps/車重未発表)、新型BMW S1000R(並列4気筒999cc/165ps/199kg装備車重)あたりとガチ勝負になる予想。価格差と排気量も若干差があるので同一条件とは言えないが、想像を巡らせるだけでもワクワクするではないか。

従来型も扱いやすく、すこぶる速かった

自分は2018年にスペインで開催された現行型スピードトリプル1050の海外試乗会に参加したことがあるが、どこからでもアクセルひとつで猛然と加速する、まさにトルクの塊のような図太いパワーと安定感のあるハンドリング、そしてコーナリングABS&トラコンなどの安全装置に支えられて、初めてのサーキットでも安心して攻めることができたことを覚えている。

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そのときに同時に乗ったMoto2プロトタイプの剃刀のような繊細な走りとは全く異質の、しかも断然扱いやすく、ある意味で“おっとりとした”走りがとても心地良かった記憶がある。

職業レーシングライダーではない一般ライダーであれば、きっとスピードトリプルのほうが速いラップタイムを刻めると思ったほどだ。そんな経験を今度の新型に重ねてみると、エンジンも車体も電制も全方位的にアップグレードされた新型スピードトリプルの走りは相当期待が持てそうだと思う。

“大は小を兼ねる”スポーツバイクの理想像

実は先日、オンラインで行われた新型スピードトリプルの国際プレス発表会でトライアンフ本社開発者に質問する機会があった。先にデビューしたMoto2エンジンベースの新型ストリートトリプルRSとの棲み分けについて聞いたところ、「よりパワフルに軽く俊敏な走りに進化した新型スピードトリプルは、ストリートトリプルの優れた部分を包括しつつ、さらにパワフルで高い次元のライディングを求めるライダーのためにある」というような回答を得た。

「大は小を兼ねる」ということだろうか。かつて1200ccもの大排気量車は鈍重なツーリングマシンと相場が決まっていたが、はたして時代は変わった。つまり、新型スピードトリプルは街乗りなどの普段使いからスポーツツーリングまで幅広く楽しめて、もちろん本領発揮のサーキットでは抜群に速い、というスポーツバイクとしての理想像を形にしたものなのだ。

画像をじっと眺めるだけで、いやが上にも期待が高まってくる。4月上旬からのデリバリーが楽しみである。

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  1. Hi there mates, its impressive piece of writing on the topic
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